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第三部 天嬢篇
光
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「零星拳……!」
肌を焼く熱気のなか、私は声を絞り出した。
はじめて魔玄籠手を発動させたあのときのように、火球に到る最後の1メートルは、体感時間遅延でゆっくり近付いてくる。
ついに結末は変えられなかったけど、この物語の主役は間違いなくエリシャだ。悪役令嬢ではなく英雄として、ダンケルハイトの家名と共に語り継がれることだろう。
こうするしかない。だからこれでいい。きっと、これで──
……いい……のか……?
──いやだめだ! いいわけがない!
私は気付く。絶望的な状況のせいか、すこしエリシャの自己犠牲思考に引っ張られ過ぎていたかも知れない、と。
そうだ。衿沙がエリシャになったあの日、衿沙はエリシャを守ると誓ったじゃないか。
不器用だけど、誰よりも優しくて賢い、愛すべき孤独な少女。ハッピーエンドのための生贄にされ続ける彼女を、守れるのは私しかいないのだ。
──なにが「諦めないこと」だ! エリシャの生存を諦めたら、意味がないじゃないか!
『だから、衿沙に託したの。お願い、全員を守って』
そのとき聞こえたのはあの日、魔玄籠手から私を導いた、魔戦士ダンケルハイトの声と思しき、優しくも凛とした声だった。
そして火球の表面からするりと顕れた白く光る両の手が、私の拳を柔らかく包み込む。硬く握りこんだ鉄拳を、細く綺麗な指で優しく押し拡げてゆく。
その意味を、私は不思議なくらいすんなりと理解していた。
魔力を拳に込めるのではなく、開いた掌から全放出する。すなわち──
「──零星勁ッ!」
掌から爆発的に放射された魔力衝撃波は、その瞬間に光の粒子と化した零星籠手の残滓さえすべて残さず使い切って、火球表面を激しく撃つ!
私の中に、まだこんなにも魔力が残っていたとは。同じ決死の覚悟でも、「死んでもいい」より「死なせてたまるか」のほうが、遥かに想いの力が強いのだと思い知らされた。
そして、衝撃波を放った反動で私の体は高速落下をはじめる。起爆した火球の爆風から逃れるように、真っ逆さまに落下する。おかげでドレスのスカートがめくれないのはありがたい。
もう何をする力も残っていなかった。けれどこのまま地上に頭から激突する心配はないと、私は知っている。
「えびじゃざばあああ……!」
空中で私の体を抱き止めたのはもちろん、仮面の下でめちゃくちゃに泣いていると思われる影狐だ。彼女は私をお姫様抱っこしながら、華麗に着地を決めていた。
「ありがとうミオリ、大好き!」
「だっ……わっ、わたたしもっ、だっだだいだだい……」
心の底から出た感謝の言葉に、戦隊モノの主題歌を歌い出す勢いで取り乱すミオリのことを愛おしく思いつつ、私は彼女の腕から自分の足で地に降り立つ。
頭上、空は火球の爆発で真っ赤に染まっていた。吹き下ろす熱風に庭木が燃えている。
傍らで天に両手を掲げたマリカが、ドーム状に光る聖套を形成してくれていなければ、私たちもただでは済まなかっただろう。
しかし、直撃より遥かにマシとして、これでは市街地の火災も免れないか。そう落胆して目を向けた城の外郭、城下町との境界にあるお堀からは、水と光の壁が立ちのぼって熱風を王城内に押しとどめていた。
城内に残った宮廷魔術師と神官たちが、城郭防衛用の大規模魔紋を起動したのだろう。本来は城内を守るための仕組みを、城下に被害を出さないため使う。この有能具合はきっとユーリイの発想だ。あとでめちゃくちゃ褒めてあげなくては。
「──ねえ、マリカ」
そして私は、彼女の傍らに歩み寄った。
彼女は上空に向けていた瞳を、私の視線に合わせて微笑む。
「あなたに私の最後のわがままを、聞いてほしいの」
アニメで見たエリシャの、最後のわがままは、彼女の幸せを願うだけのものだった。消えゆく自分の命と引き換えに、「絶聖の加護」発動のきっかけを作って、そして死んでゆく役割だった。
上空。薄れゆく赤光の向こう側に、漆黒のドラゴンは健在だ。
翼や体の一部から紫の粒子が微かに漏れ出しているから、無傷ではなさそう。しかし、疑神化を施された複数の子供たちから供給される魔力は無尽蔵に近いはず。多少の魔力漏洩など、痛くもかゆくもないのだろう。
その考察を裏付けるように、開いた顎の奥には再び紅い光が点った。早くも第二射が来る。やはり魔力は有り余っているらしい。こちらには、もう対抗手段はない。
──そして私は、ものすごく腹が立っていた。
なにが修正力だ。その向こうにいるのが神だかなんだか知らないが、そんなに生贄が欲しいのか? 人の不幸は美味いのか?
だったら! そんなものより遥かに熱くて熱い物語を見せつけてあげようじゃない!
「──絶聖の加護、私にちょうだい!」
「うん」
一瞬の躊躇もなく、満面の笑みで応えた聖女は、両手を胸の前でしっかりと組み合わせた。
彼女の全身が淡い白光を放ち、その背中から左右に出現したのは、巨大な光の掌──いや、ぐんぐんと巨大化するそれは、まばゆい白光の翼となって、彼女と私をまとめて包み込んでいた。
光の中。私とマリカだけが向き合って立っている。
周囲にふわりと舞う光の羽根が私の体に触れるたび、マリカの想いが流れ込んできた。
みんなを守りたい、そのために自分の力を使いたい。根底にあるのは、幼いころに魔物から弟や妹を守れなかった、深い哀しみの記憶だった。
そしてあの日、エリオットに出会い、彼のように強くなると決意した。
はじめて学園でエリシャに会ったとき、すぐにエリオットと同一人物であることは気付いていた。何よりも、一緒のクラスで過ごせることが嬉しかった。
自分と同じように、誰かを守るために生きるエリシャが傍にいてくれたから、私はこんなにも強くなれたんだ。
だから、教団の偉い人がどんなに怒り狂っても関係ない。リヒト先輩からの告白もお断りした(……って、え……!?)。というか恋だの愛だの、まだよくわからないしどうでもいい。
絶聖の加護を託す相手は、あなたしかいない!
彼女の想いと共に、無数の光の羽根が私の右手に、黒い輪具にまとわりついて──鷲獅子紋に吸い込まれるように消えていった。
同時に、周囲の光も一瞬で消え、元の戦場に戻る。眼前には、目を閉じて胸の前に腕を組んだマリカがいて、頭上では、再び太陽のように膨張した紅き火球が輝く。
「マリカを、お願い」
「御意」
後方から、当然のように影狐が応えてくれる。
尽きていたはずの魔力は、全身に漲っていた。
私はゆっくりと右腕を頭上に掲げる。その手首の黒い輪具には、輝く白い輪具が融合して二重構造になっていた。
「纏聖──」
高らかに、言い放つ。瞬間、輪具から溢れだし私の体を包んだのは、轟々と激しく燃えさかり絡みあう紫炎と白炎だった。
形成されてゆくのは、兇々しい漆黒の装甲に、神々しい白銀の装甲が融合した新たなる姿の魔鎧。背には純白のマントがはためき、淡く光る羽根がまとわりつく。
「──レイジョーガー、絶聖騎装!」
その勇姿に相応しい名が脳裏に浮かび、私は迷わず名乗っていた。
背のマントをばさりと翻す。マントが一瞬で変形した巨大な白い翼を拡げ、私は火球の待ち受ける天空へと飛翔していた。
肌を焼く熱気のなか、私は声を絞り出した。
はじめて魔玄籠手を発動させたあのときのように、火球に到る最後の1メートルは、体感時間遅延でゆっくり近付いてくる。
ついに結末は変えられなかったけど、この物語の主役は間違いなくエリシャだ。悪役令嬢ではなく英雄として、ダンケルハイトの家名と共に語り継がれることだろう。
こうするしかない。だからこれでいい。きっと、これで──
……いい……のか……?
──いやだめだ! いいわけがない!
私は気付く。絶望的な状況のせいか、すこしエリシャの自己犠牲思考に引っ張られ過ぎていたかも知れない、と。
そうだ。衿沙がエリシャになったあの日、衿沙はエリシャを守ると誓ったじゃないか。
不器用だけど、誰よりも優しくて賢い、愛すべき孤独な少女。ハッピーエンドのための生贄にされ続ける彼女を、守れるのは私しかいないのだ。
──なにが「諦めないこと」だ! エリシャの生存を諦めたら、意味がないじゃないか!
『だから、衿沙に託したの。お願い、全員を守って』
そのとき聞こえたのはあの日、魔玄籠手から私を導いた、魔戦士ダンケルハイトの声と思しき、優しくも凛とした声だった。
そして火球の表面からするりと顕れた白く光る両の手が、私の拳を柔らかく包み込む。硬く握りこんだ鉄拳を、細く綺麗な指で優しく押し拡げてゆく。
その意味を、私は不思議なくらいすんなりと理解していた。
魔力を拳に込めるのではなく、開いた掌から全放出する。すなわち──
「──零星勁ッ!」
掌から爆発的に放射された魔力衝撃波は、その瞬間に光の粒子と化した零星籠手の残滓さえすべて残さず使い切って、火球表面を激しく撃つ!
私の中に、まだこんなにも魔力が残っていたとは。同じ決死の覚悟でも、「死んでもいい」より「死なせてたまるか」のほうが、遥かに想いの力が強いのだと思い知らされた。
そして、衝撃波を放った反動で私の体は高速落下をはじめる。起爆した火球の爆風から逃れるように、真っ逆さまに落下する。おかげでドレスのスカートがめくれないのはありがたい。
もう何をする力も残っていなかった。けれどこのまま地上に頭から激突する心配はないと、私は知っている。
「えびじゃざばあああ……!」
空中で私の体を抱き止めたのはもちろん、仮面の下でめちゃくちゃに泣いていると思われる影狐だ。彼女は私をお姫様抱っこしながら、華麗に着地を決めていた。
「ありがとうミオリ、大好き!」
「だっ……わっ、わたたしもっ、だっだだいだだい……」
心の底から出た感謝の言葉に、戦隊モノの主題歌を歌い出す勢いで取り乱すミオリのことを愛おしく思いつつ、私は彼女の腕から自分の足で地に降り立つ。
頭上、空は火球の爆発で真っ赤に染まっていた。吹き下ろす熱風に庭木が燃えている。
傍らで天に両手を掲げたマリカが、ドーム状に光る聖套を形成してくれていなければ、私たちもただでは済まなかっただろう。
しかし、直撃より遥かにマシとして、これでは市街地の火災も免れないか。そう落胆して目を向けた城の外郭、城下町との境界にあるお堀からは、水と光の壁が立ちのぼって熱風を王城内に押しとどめていた。
城内に残った宮廷魔術師と神官たちが、城郭防衛用の大規模魔紋を起動したのだろう。本来は城内を守るための仕組みを、城下に被害を出さないため使う。この有能具合はきっとユーリイの発想だ。あとでめちゃくちゃ褒めてあげなくては。
「──ねえ、マリカ」
そして私は、彼女の傍らに歩み寄った。
彼女は上空に向けていた瞳を、私の視線に合わせて微笑む。
「あなたに私の最後のわがままを、聞いてほしいの」
アニメで見たエリシャの、最後のわがままは、彼女の幸せを願うだけのものだった。消えゆく自分の命と引き換えに、「絶聖の加護」発動のきっかけを作って、そして死んでゆく役割だった。
上空。薄れゆく赤光の向こう側に、漆黒のドラゴンは健在だ。
翼や体の一部から紫の粒子が微かに漏れ出しているから、無傷ではなさそう。しかし、疑神化を施された複数の子供たちから供給される魔力は無尽蔵に近いはず。多少の魔力漏洩など、痛くもかゆくもないのだろう。
その考察を裏付けるように、開いた顎の奥には再び紅い光が点った。早くも第二射が来る。やはり魔力は有り余っているらしい。こちらには、もう対抗手段はない。
──そして私は、ものすごく腹が立っていた。
なにが修正力だ。その向こうにいるのが神だかなんだか知らないが、そんなに生贄が欲しいのか? 人の不幸は美味いのか?
だったら! そんなものより遥かに熱くて熱い物語を見せつけてあげようじゃない!
「──絶聖の加護、私にちょうだい!」
「うん」
一瞬の躊躇もなく、満面の笑みで応えた聖女は、両手を胸の前でしっかりと組み合わせた。
彼女の全身が淡い白光を放ち、その背中から左右に出現したのは、巨大な光の掌──いや、ぐんぐんと巨大化するそれは、まばゆい白光の翼となって、彼女と私をまとめて包み込んでいた。
光の中。私とマリカだけが向き合って立っている。
周囲にふわりと舞う光の羽根が私の体に触れるたび、マリカの想いが流れ込んできた。
みんなを守りたい、そのために自分の力を使いたい。根底にあるのは、幼いころに魔物から弟や妹を守れなかった、深い哀しみの記憶だった。
そしてあの日、エリオットに出会い、彼のように強くなると決意した。
はじめて学園でエリシャに会ったとき、すぐにエリオットと同一人物であることは気付いていた。何よりも、一緒のクラスで過ごせることが嬉しかった。
自分と同じように、誰かを守るために生きるエリシャが傍にいてくれたから、私はこんなにも強くなれたんだ。
だから、教団の偉い人がどんなに怒り狂っても関係ない。リヒト先輩からの告白もお断りした(……って、え……!?)。というか恋だの愛だの、まだよくわからないしどうでもいい。
絶聖の加護を託す相手は、あなたしかいない!
彼女の想いと共に、無数の光の羽根が私の右手に、黒い輪具にまとわりついて──鷲獅子紋に吸い込まれるように消えていった。
同時に、周囲の光も一瞬で消え、元の戦場に戻る。眼前には、目を閉じて胸の前に腕を組んだマリカがいて、頭上では、再び太陽のように膨張した紅き火球が輝く。
「マリカを、お願い」
「御意」
後方から、当然のように影狐が応えてくれる。
尽きていたはずの魔力は、全身に漲っていた。
私はゆっくりと右腕を頭上に掲げる。その手首の黒い輪具には、輝く白い輪具が融合して二重構造になっていた。
「纏聖──」
高らかに、言い放つ。瞬間、輪具から溢れだし私の体を包んだのは、轟々と激しく燃えさかり絡みあう紫炎と白炎だった。
形成されてゆくのは、兇々しい漆黒の装甲に、神々しい白銀の装甲が融合した新たなる姿の魔鎧。背には純白のマントがはためき、淡く光る羽根がまとわりつく。
「──レイジョーガー、絶聖騎装!」
その勇姿に相応しい名が脳裏に浮かび、私は迷わず名乗っていた。
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