CHANGELING! ―勇者を取り巻く人々の事情―

かとりあらた

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あなたのための私のこれから

第31話 姉の事情(18)

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「あ、ん……あぁ……」
 痛みはないが、指よりずっと太くて――。
「ぁ……」
 圧迫感に喘ぐ俺の腹を、イオニスがそっと撫でる。
 柔い腹とは真逆のごつい掌なのに、あったかさは染みるように肌となじむ。
 なかなか悪くないが……これは胸を揉まれるより恥ずかしいかもしれない。
 だってよ、これが美味しかったそれは名物と、レティがせっせと食べ物を運んでくれるおかげで、ちょっぴり肉がさ……腹肉が!
「あと少し、辛抱を……」
「はい……あ……っ」
 奥を押し上げるように、イオニスのものが俺の中に収まった。
「はあ……」
 俺は今、イオニスとひとつになっている。待ち望んでいた瞬間の訪れに、俺はほうと感じ入った。
「おっきい……♥」
「レジーナ殿……っ」
 覆い被さってくるイオニス。
 俺の唇をひと舐めすると、小さな隙間から舌を挿し込んできた。
「ん……ん……♥ んう……♥」
 口の中を舐められる。上あごを舐められると少しくすぐったい。
「んん、む、ん……♥」
 イオニスの舌に自分のものを擦りつけてみれば、すぐに絡め取られた。
 優しく撫でるように擦られて気持ちいいが、イオニスの滑らかな動きに対して俺はぎこちなく、少し不安になる。
 俺はちゃんとできているだろうか。鼻息うるさくないかな?
「んあ……はあ……♥」
 やがてするりと舌を抜かれ、唇も離れていった。
「あ……♥」
 首筋に口づけられる。
 這うように俺の肌を滑り、度々ちゅっちゅと吸い立てながら下へ向かうイオニスの唇が、とうとう胸の頂へ辿り着いた。
「あん……んん……っ♥」
 熱くぬめる口の中で、むにむにくにくにと乳首をこね繰り回される。
「あ……はぁッン♥」
 時折軽く歯を立てられると、ぞくぞくと背筋が震えた。
 俺のおっぱいをしゃぶるイオニス。こんな時でも綺麗な顔だ。普通はもっとこう、だらしない感じになるものではないのか。
 つくづく不公平だなあ、などと思わなくもないが。それよりも――。
「ふふ……♥」
 胸から湧いてくる、この気持ちはなんだろうな。
 甘えてくる小さな子供を撫でるように、俺はイオニスの頭に触れた。
 髪は太く硬めで、毛先がチクチクする。元気そうで何より。
 うなじから肩を撫でれば、押し返すような張りのある筋肉の感触がする。
 そんな具合で気分よくぺたぺたと触りまくっていたら、こちらを見るイオニスの視線に気付いた。
「あ、すみません。お嫌でしたか?」
「まさか。あなたの手を厭うわけなどありません」
 俺がとっさに離した手を取ったイオニスは、そのまま自分の頬に押し当てる。
「私に関心を持ってもらえて嬉しいです」
 イオニスは幸せそうに目を細めた。
 ……無性に恥ずかしい。イオニスが俺へ向ける言葉も声も視線も……とにかく何もかもが甘い。甘すぎる。
「もう動いても大丈夫でしてよ?」
 ごまかすように言えば、イオニスが手の甲に口付けてきて、さらには指を絡めてくる。いろいろ見透かしたような笑みを浮かべながら。余裕だなちくしょう。
「ゆっくり動きますから」
「はい……ん♥」
 奥をぐっと押される。勢いはないが、何度も何度も。
「あ……あん……うぅん……♥」
 イオニスの手とシーツを握る。
 落ち着かなさは、まだ、あるが。
 熱くてたまらないのに、ちっとも不快ではなくて。
「あん、イオニスさん、あ、あぁ……♥」
 少しの隙間ももどかしくて、身体を擦りつける。熱く汗ばんだ肌が吸いつくみたいだ。
「ああ、ん……気持ち、い……っ♥」
「……っ」
「あ、ひ、あ、あンンッ♥」
 急にイオニスの動きが……!?
 奥をぐりぐりとにじられ、痺れるような快感が走る。
 そして強く抱き締められた直後、
「いあぁン……ッ♥」
「は……ッ」
 呻くような声が聞こえ、腰に熱が広がった。
 イオニスもイッたか。いいぞいいぞ。ふふ。
 荒い息遣いを聞きながら喜んでいれば、イオニスのあれがまた硬く……入ったままだから、その回復を直に感じる。
「あの……もう一回よろしいですか?」
「……仕方ないですね」
 少しもったいぶってはみたが、内心では求められていることが嬉しかった。
「あ、あ、んうぅ♥」
 一回目より滑りがいいし、中もますます敏感だ。すぐまたイキそう。
「ん、ふ、ん、んふっ♥」
 今度は俺から唇を重ねてみた。
 夢中で舌と腰をイオニスのものへ擦りつける。ほどなく――。
「んむうゥン……ッ♥」
 一回目と変わらないくらい注がれた。
「んンン……♥」
 甘く引っかくように、ずるりとイオニスが俺の中から出ていく。
「はあ……♥」
 二回目は結構早かったな。まあ俺もそろそろ、うん。
 俺は軽く寝返りを打ち、枕に顔を埋める。柔らかい。あとさらさらとしたシーツの感触も心地いい。
 うーん満足だぞう。気だるくも幸せな余韻に浸っていれば、
「もう一回……」
 がしりと腰を掴まれた。
 ……おや?
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