居場所を無くした孤独女子は、エリート上司に甘く囲われる〜二人で美味しい同棲生活〜《R-18》

清澄 セイ

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第十章

二人の手作り餃子と、新しいスタート⑫

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(やっぱり怒ってない、ていうかむしろ楽しんでる!)

素早く足を引っ込めて再度抵抗の意思表示をするが、こうしてくるまっていると外の様子が分からない。

「ん…っ」

次は、背中。丸めている背中に沿わせるように、また指でなぞられた。タオルケットは、私が思っていた以上に生地が薄かったらしい。

「やっ、やめ」

「んー?」

「新太さ」

「そこからじゃよく聞こえないな」

(絶対に嘘だ!)

透視でもしているんじゃないかと思いたくなるほど、新太さんは私の弱い箇所をピンポイントで撫でてくる。

指の腹でスーッと擦られると、くすぐったいのと恥ずかしいのが混ざって声が抑えられない。

「呼んでも出てきてくれないから、こうするしかないよな?」

「……っ」

勢いよくタオルケットを放り投げて、私のすぐ横にいた新太さんに正面から抱きついた。

突然のことで驚いた表情をしながらも、新太さんはしっかりと私を抱きとめてくれる。

「来未?」

「…」

答えないまま彼の首元にしがみつく。

「悪い、度が過ぎた?」

「…って」

「え?」

「もっとちゃんと、触って」

彼の耳元で、消え入りそうな声でそう言うのが精いっぱい。

一瞬、新太さんの肩がピクリと反応したかと思うと、いつもより少しだけ荒々しく、私をベッドの上に押し倒した。

「来未可愛すぎ」

「ん…っ、ふぅ…っ」

いきなりの激しいキスに、口の端から混ざり合った唾液が溢れる。

「ごめん優しくできない」

「しなくていい」

「っ」

(私この人に、全部食べられちゃう)

ギラリと光る新太さんの鋭い瞳に見つめられて、身体の奥がキュンと震えた。
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