ワガママ姫とわたし!

清澄 セイ

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第三章「わたしの大好きなお姫様」

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♢♢♢

「ようこそルミエール姫様。今日は来ていただき本当にありがとうございます」
「あ、は、はい……っ」

そう答えると、目の前の女の子(ご令嬢って言うんだって)不思議そうな顔をする。わたしは慌てて、ドレスの裾をもち上げながら軽くヒザを曲げて挨拶をした。

この世界では、貴族のご令嬢はこうやって挨拶するらしい。

ルミエール姫なら、あいまいな受け答えは絶対にしない。もともと会話が苦手なわたしにはめちゃくちゃ難しいことだけど、今は頑張ってここを乗り切るしかない。

チラッと後ろを振り向くと、マーサさんと目が合う。大丈夫だと言うようにニッコリ笑ってくれたから、ちょっと気持ちが落ち着いた。

向こう側が見えないくらいに広い庭(ガーデンだって教えてもらった)には、色とりどりの花がたくさん咲いている。ところどころに置かれた真っ白なテーブルとイスは、すごくステキだ。

メイドさんたちがワゴンに乗せて次々と運んでくるお菓子は、わたしのしってるものばっかり。ケーキにクッキーにマカロン、それから小さなサイズのサンドイッチなんかも置いてある。

目の前で淹れてくれる紅茶はすごくいい香りがして、わたしは思わずクンクンと鼻を動かした。

今日のお茶会の主催者は、エミリー・ワントンさんという女の子らしい。他にも、華やかなドレスに身を包んだ令嬢達がたくさんいる。

目の色も髪の色もそれぞれ違って、ちょっと目がチカチカした。

「伯爵令嬢の一人娘だから、くれぐれも失礼のないようにしなさいよ!それから絶対に舐められないように!」

ルミエール姫はそう言ってたけど、とにかくこの女の子は偉い貴族の娘さんってことだ。

マーサさんは「お茶とお菓子を楽しみつつ、適度に頷いたり微笑んだりしてこの場をやり過ごしましょう」ってアドバイスしてくれた。

正直に言うと、ルミエール姫よりずっと頼りになる。

案内された席に座って、マーサさんの言葉通りにする。

どう見ても日本じゃないのに言葉が理解できるなんて不思議だなって、今さらそんなことが頭に浮かんだ。
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