超・ロボットの時代

湯殿たもと

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超・ロボットの時代2

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超・ロボットの時代2

あるる土曜日。お爺さんが外の町に用があるというの出かける準備をしていたところ、どこからともなく久慈がやって来た。

「お爺さん、私もつれてってください」

「危ないよ久慈」

「ほほほ、大丈夫じゃ、久慈さんよ、支度はすんだか」

「バッチリですよ」

「そうか、それじゃいくぞ、伊吹、お前も支度しろ」

「僕もいくんですか」

「若い男手がいるからの」

お爺さんは倉庫から古い車を引っ張り出す。骨董品のような古い車だがお爺さんはそういうのは気にしていないらしい。

ちょっとした山道を走って平野に出る。荒れた野原の脇をゆっくり進む。

「お爺さん、用事っていうのは何なのですか?」

「旧友に会いにいくのじゃよ」

「旧友に会いにいくのに男手がいるんですか」

「行けばわかる」

そして寂れた市街地に入り一軒の家の前で車を止める。お爺さんが入っていくのでついていく。そこには六十くらいのお爺さんが座っていた。

「先生久しぶりです」

「やあ熱海くん元気かほほほは」

「先生こそ元気そうで何よりです。そちらはお孫さんですか」

「こっちが孫の伊吹でもう一人が近所に住んでる久慈さんじゃ」

「はじめまして、久慈こはくといいます」

「東海伊吹です」

世間話を少ししたあと、本題に入る。熱海さんの仕事を手伝ってほしいという。段ボールに入った何かを大量に運ぶことになった。男手が必要っていうのはこれか。なかなか大変だぞ。

運び終わると熱海さんが中から金属のようなものを取り出して組みはじめた。何かのパーツだったのだろうか。

ジリリリリリリリリリリリ!けたたましくサイレンが鳴る。そして地響き。

「巨大ロボットですよ!避難しましょう」

「いえ、これの実力をみるチャンスです、じっくりと見ていてください」

熱海さんはパーツを組み立て終わるとすぐさま電源を入れる。それは小型ロボットだったのだ。暫く起動に時間がかかり、そのうちに超巨大ロボットは近づいてきてしまったのだ。俺はみんなを避難させようとするが久慈もお爺さんも熱海さんもロボットに釘付けだった。もう間に合わないと思ったとき、ロボットは覚醒した。「はじめまして。みなさん」

のんきにみんな自己紹介を始めた。もうあぶないってば。久慈に次は東海くんの番だよ、といわれる。仕方ない。

「東海伊吹、よろしく」

「みなさんよろしくお願いいたします、それでは」

「やばいっ」

久慈と爺さんをつかんで伏せる。巨大ロボットの影が上にくる。

「ロックオンっ!」

自己紹介ロボットの声が聞こえる。そして振り返って見えたのは、・・・小型ロボットが巨大ロボットを投げ飛ばす姿!

投げ飛ばされた巨大ロボットは倒れたあとピクリとも動かない。

「・・・なんで?」

「これが私の最高傑作、防衛ロボット改型だからな」

「博士、どうでしたか」

そのロボットがにこにこしながら言う。

「素晴らしいぞ」

「かっくいい・・・」

久慈が感心したように言う。

この小型ロボットはやばい。語彙力がないけど、やばい。物理法則を無視しているとしか思えない。科学の力で科学を超越してしまったロボット。そのロボットの初陣を見てしまった。


やべぇ。

続きます。

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