超・ロボットの時代

湯殿たもと

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超・ロボットの時代3

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超・ロボットの時代3


2102年5月。小型戦闘ロボットから出会ってから一年になるだろうか。

俺は高校に進学して勉強ライフ(?)を送っていたのだ。泉宮の高校まで毎日町のバスで送ってもらっている。古川や敷島(遥、姉のほう)も同じ学校だ。つまり地元中学校の同級生はみんな同じところに進学したと言うことだ。

まあそれで勉強したりしているわけだが、問題があった。教室内での異様な対立だった。

俺のお爺さんは昔はロボットの技師で、今では主を失ったロボットをボランティアで整備している孤児院のようなところをやっている。それでロボットには昔から愛着がある。しかし一方ロボットを快く思わない人たちもいるのだ。つまりその二つの陣営での対立。

まあ確かに巨大ロボットが覇権を争い、人間を殺し、町を破壊する、・・・そんなことが起きているのは事実だが、ロボットはそれだけじゃない。人のそばにいて、助けてくれるロボットだってたくさんいるのだ。

そんなある日のこと。今日は学校の帰りに小型くん小型戦闘ロボットの俺なりの呼び方)と待ち合わせして買い物に行くことにしていた。お爺さんが植木鉢を買ってきてほしいというので行くことになっていた。まあ小型くんとわざわざ行く必要ないのだが、たまたま熱海博士に会いに行くことにしていたらしい。

さっさと用を済ませて町の中心部のバス停に向かう。が、その時やっかいなことになったのだ。

「おう、そこの学生、隣にいるのはだれだ」

奴は二年生の不良だった。しかし不良といってもクラブで副部長をやっているらしい。そのクラブというのは「ロボット撲滅クラブ」。そんなのあってたまるか、という部活だが教師でもロボット賛成派反対派に真っ二つなので成立してしまっている。

「お前の隣にいるのはロボットだよな」

「そうですよ、よろしくお願いします」

にっこり挨拶する小型くん。

「いいかお前ら、ロボットっていうのは人を殺し、人の仕事を奪う。この世に存在していたらいけないんだ!違うか」

「・・・」

とりあえず黙っておく。がそのロボットが反論し始める。

「人間だって職を奪い合うし人殺しもする。ロボットは人を殺すようにプログラムされていなければ人を殺すことはありません!」

小型くんは若干喧嘩が早いような気がする。

「ああ!?人を殺してることには変わりねぇだろうが!?」

「喧嘩するなら一人でするもんじゃねえぜあほ」

不良の後ろから古川がからのコーラの瓶で思いっきり殴り付ける。

「お前ら早く逃げるぞ!」

古川に急いでついていった。不良は来ない。ひと安心。

「ったく、小型、あまり変なやつと関わるもんじゃねぇぞ」

「許されなかったんですよ、仲間を無実の罪で悪く言われることを」

「そりゃそうだ。俺だって嫌だ。しかしな、喧嘩しないっていうのも大事なんだぞ、ロボットのイメージが悪くなりゃそれだけ環境が悪くなるんだ」

「わかりました古川さん。努力します」

さっきから話に置いていかれている気が掏る。まあいいか。


続きます。
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