20 / 26
20.強さを求めて
しおりを挟む
昼休みが終わる。
勉強会も休憩を挟みつつ続けていた。
「二人とも午後の授業はいいの?」
「大丈夫だよ。受けたい授業は午前中に済ませてきたから」
「オレもだ。つか授業とか聞いてもよくわかんねーし」
「あんたは寝てるからでしょうが」
好きを見つけては文句を言い合う二人だけど、さっきの話を聞いた後では微笑ましく見える。
これが二人にとっての交流なのだろう、と。
ただ、会話が増えてきたのは集中力が途切れている証拠だ。
僕は二人に提案する。
「一旦休憩にしましょうか」
「さんせーい」
「はぁ、疲れたぁ~ なんでこんなこと覚えなきゃなんねーんだよ。計算とか歴史とかさぁ~ ギフトと関係ねーじゃん」
「ホントよね。あんたと同じ意見とかムカつくけど」
二人とも大きなため息をこぼす。
本当に苦手、というか嫌いなんだろうね。
進級試験に筆記があるのは一年生だけだ。
一年では各ギフトに関することとは別に、一般教養や基礎知識を教わる。
筆記試験で問われる内容がまさにそれだった。
「二人ともしっかりして! 学園は学ぶところなんだよ?」
「わかってるっつの」
「優等生だよね。ニナって」
「私だって別に勉強が得意ってわけじゃないんだよ。むしろ苦手だからよくブランに教えてもらってるんだから。フレンダさんは得意そうだよね」
「私は……苦手ではないです。運動は苦手なので頭を使うほうが得意、だと思います」
フレンダさんはイメージ通りだ。
僕が二人を教えている間、ついでに勉強していたニナに質問され答えている場面があった。
「オレは戦ってるほうが楽だなぁー。あーあ、身体動かしてぇ」
「一人で走り回ってきたらいいじゃん」
「それじゃつまんねーだろ。相手がいねーとさ。学園の外だったら適当に魔獣でも探しに行くんだけどな」
「魔獣? 魔獣と戦っていたの?」
僕は驚いて思わず尋ねてしまった。
ジーク君はそれに答える。
「おう。森とかに入ってなんどか戦ったぜ。あいつら普通の猛獣より強いからな。つっても大型の魔獣とは戦ったことねーよ」
「そ、それでもすごいよ」
「そうか? なんか照れるな」
「ブランも戦ってことあるよね? とっても強い大型の魔物と」
そう言ったのはニナだった。
なぜかジーク君に張り合うように。
それを聞いたジーク君は身を乗り出して――
「本当かそれ! すげーなお前!」
「あ、えっと、ありがとう」
「なぁ! だったらオレと手合わせしてくれねーか! 勉強続きで身体がなまりそうなんだよ!」
「手合わせって」
いきなりそんなことを言われても困る。
戸惑う僕に、フィオさんが言う。
「嫌なら断ってもいいよ。こいつの思いつきだし」
「思いつきじゃねーよ! オレは強くなりねえーんだ。そのためには強いやつと戦うのが一番なんだよ!」
「まーた始まった」
呆れるフィオさん。
だけど僕は、ジーク君の意見に共感していた。
強くなりたいという気持ちは僕も同じだ。
「わかりました」
「いいのか!」
「はい。僕も……強くなりたいですから」
「いいね。その目が気に入ったぜ!」
◇◇◇
僕たちは場所を移した。
以前に魔獣と戦った訓練室は修繕中だったから、その隣を使う。
中の構造は同じだ。
向かい合う僕たちと、それを離れた場所から見守る三人。
「んじゃ始めようぜ。得物はなに使っても構わねーからな」
「ジーク君の武器は?」
「オレはこいつだ」
そう言って彼が見せたのは、硬く握られた拳だった。
つまり、彼の武器は素手。
「オレは『超身体』と『鋼鉄化』を持ってんだよ。こいつは殴り合いに特化してる。つーわけで俺の身体が武器なんだよ」
「わかりました。なら僕も――」
彼の戦い方に合わせよう。
肉弾戦、拳での戦いが得意な主人公はすぐ思いついた。
僕は本のタイトルを口にする。
「【竜拳道】」
ギフトの効果によって本が開かれる。
僕の両手には黒いグローブが装着された。
「お、なんだそれ? 本からグローブが出てきやがったぞ」
「これが僕のギフト『司書』の力です。本を開いている間だけ、僕は物語の主人公と同じ力を扱えます」
「主人公の力? そのグローブがそうだっていうのか?」
「はい。これが僕の武器です。この本の主人公なら、ジーク君とも気が合うと思いますよ」
僕は力強く拳を握る。
ギフトの効果を発動させたことで、今の僕は主人公と同じ状態にある。
彼の目からきっと、僕が戦う人に見えているはずだ。
「へぇ。ちなみに聞くけど、その本の主人公ってどんなやつなんだ?」
「世界で一番強い男になりたい。そう願って拳一つでいろんな強敵と戦った人ですよ。小さな獣から、最後には自分の何十倍もあるドラゴンと殴り合っていました」
「ははっ! ドラゴンとか! そいつは最高だな。ってことは今のお前は、ドラゴンと殴り合ったそいつと同じってことか」
「そういうことです」
幻想の怪物、ドラゴン。
誰もが知る物語の強敵と殴り合った経験が僕の中に入ってくる。
今なら……どれだけ分厚い壁だって打ち破れる気がするよ。
「いいね、相手にとって不足なしだ! さっさと始めようぜ!」
「はい!」
地面を蹴る。
一直線に正面へ、狙う場所も決まっている。
力強く握った拳がぶつかり合う。
勉強会も休憩を挟みつつ続けていた。
「二人とも午後の授業はいいの?」
「大丈夫だよ。受けたい授業は午前中に済ませてきたから」
「オレもだ。つか授業とか聞いてもよくわかんねーし」
「あんたは寝てるからでしょうが」
好きを見つけては文句を言い合う二人だけど、さっきの話を聞いた後では微笑ましく見える。
これが二人にとっての交流なのだろう、と。
ただ、会話が増えてきたのは集中力が途切れている証拠だ。
僕は二人に提案する。
「一旦休憩にしましょうか」
「さんせーい」
「はぁ、疲れたぁ~ なんでこんなこと覚えなきゃなんねーんだよ。計算とか歴史とかさぁ~ ギフトと関係ねーじゃん」
「ホントよね。あんたと同じ意見とかムカつくけど」
二人とも大きなため息をこぼす。
本当に苦手、というか嫌いなんだろうね。
進級試験に筆記があるのは一年生だけだ。
一年では各ギフトに関することとは別に、一般教養や基礎知識を教わる。
筆記試験で問われる内容がまさにそれだった。
「二人ともしっかりして! 学園は学ぶところなんだよ?」
「わかってるっつの」
「優等生だよね。ニナって」
「私だって別に勉強が得意ってわけじゃないんだよ。むしろ苦手だからよくブランに教えてもらってるんだから。フレンダさんは得意そうだよね」
「私は……苦手ではないです。運動は苦手なので頭を使うほうが得意、だと思います」
フレンダさんはイメージ通りだ。
僕が二人を教えている間、ついでに勉強していたニナに質問され答えている場面があった。
「オレは戦ってるほうが楽だなぁー。あーあ、身体動かしてぇ」
「一人で走り回ってきたらいいじゃん」
「それじゃつまんねーだろ。相手がいねーとさ。学園の外だったら適当に魔獣でも探しに行くんだけどな」
「魔獣? 魔獣と戦っていたの?」
僕は驚いて思わず尋ねてしまった。
ジーク君はそれに答える。
「おう。森とかに入ってなんどか戦ったぜ。あいつら普通の猛獣より強いからな。つっても大型の魔獣とは戦ったことねーよ」
「そ、それでもすごいよ」
「そうか? なんか照れるな」
「ブランも戦ってことあるよね? とっても強い大型の魔物と」
そう言ったのはニナだった。
なぜかジーク君に張り合うように。
それを聞いたジーク君は身を乗り出して――
「本当かそれ! すげーなお前!」
「あ、えっと、ありがとう」
「なぁ! だったらオレと手合わせしてくれねーか! 勉強続きで身体がなまりそうなんだよ!」
「手合わせって」
いきなりそんなことを言われても困る。
戸惑う僕に、フィオさんが言う。
「嫌なら断ってもいいよ。こいつの思いつきだし」
「思いつきじゃねーよ! オレは強くなりねえーんだ。そのためには強いやつと戦うのが一番なんだよ!」
「まーた始まった」
呆れるフィオさん。
だけど僕は、ジーク君の意見に共感していた。
強くなりたいという気持ちは僕も同じだ。
「わかりました」
「いいのか!」
「はい。僕も……強くなりたいですから」
「いいね。その目が気に入ったぜ!」
◇◇◇
僕たちは場所を移した。
以前に魔獣と戦った訓練室は修繕中だったから、その隣を使う。
中の構造は同じだ。
向かい合う僕たちと、それを離れた場所から見守る三人。
「んじゃ始めようぜ。得物はなに使っても構わねーからな」
「ジーク君の武器は?」
「オレはこいつだ」
そう言って彼が見せたのは、硬く握られた拳だった。
つまり、彼の武器は素手。
「オレは『超身体』と『鋼鉄化』を持ってんだよ。こいつは殴り合いに特化してる。つーわけで俺の身体が武器なんだよ」
「わかりました。なら僕も――」
彼の戦い方に合わせよう。
肉弾戦、拳での戦いが得意な主人公はすぐ思いついた。
僕は本のタイトルを口にする。
「【竜拳道】」
ギフトの効果によって本が開かれる。
僕の両手には黒いグローブが装着された。
「お、なんだそれ? 本からグローブが出てきやがったぞ」
「これが僕のギフト『司書』の力です。本を開いている間だけ、僕は物語の主人公と同じ力を扱えます」
「主人公の力? そのグローブがそうだっていうのか?」
「はい。これが僕の武器です。この本の主人公なら、ジーク君とも気が合うと思いますよ」
僕は力強く拳を握る。
ギフトの効果を発動させたことで、今の僕は主人公と同じ状態にある。
彼の目からきっと、僕が戦う人に見えているはずだ。
「へぇ。ちなみに聞くけど、その本の主人公ってどんなやつなんだ?」
「世界で一番強い男になりたい。そう願って拳一つでいろんな強敵と戦った人ですよ。小さな獣から、最後には自分の何十倍もあるドラゴンと殴り合っていました」
「ははっ! ドラゴンとか! そいつは最高だな。ってことは今のお前は、ドラゴンと殴り合ったそいつと同じってことか」
「そういうことです」
幻想の怪物、ドラゴン。
誰もが知る物語の強敵と殴り合った経験が僕の中に入ってくる。
今なら……どれだけ分厚い壁だって打ち破れる気がするよ。
「いいね、相手にとって不足なしだ! さっさと始めようぜ!」
「はい!」
地面を蹴る。
一直線に正面へ、狙う場所も決まっている。
力強く握った拳がぶつかり合う。
1
あなたにおすすめの小説
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
追放された俺の木工スキルが実は最強だった件 ~森で拾ったエルフ姉妹のために、今日も快適な家具を作ります~
☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺は、異世界の伯爵家の三男・ルークとして生を受けた。
しかし、五歳で授かったスキルは「創造(木工)」。戦闘にも魔法にも役立たない外れスキルだと蔑まれ、俺はあっさりと家を追い出されてしまう。
前世でDIYが趣味だった俺にとっては、むしろ願ってもない展開だ。
貴族のしがらみから解放され、自由な職人ライフを送ろうと決意した矢先、大森林の中で衰弱しきった幼いエルフの姉妹を発見し、保護することに。
言葉もおぼつかない二人、リリアとルナのために、俺はスキルを駆使して一夜で快適なログハウスを建て、温かいベッドと楽しいおもちゃを作り与える。
これは、不遇スキルとされた木工技術で最強の職人になった俺が、可愛すぎる義理の娘たちとのんびり暮らす、ほのぼの異世界ライフ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる