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後日談。
私が病室で目覚めた時には、全てが解決していた。
王城に侵入したラプラスの構成員は全員捕縛され、道を塞いでいた暴動も鎮圧された。
どうやら暴動に参加していた半数がラプラスに関わっている亜人種で、人間のフリをして騒ぎ立てていたらしい。
それに気づかず乗っかってしまった人間もマヌケだ。
「体中が痛い……」
目覚めたはいいものの、筋肉痛と疲労でまったく動けない。
無理に動こうとすると激痛が走る。
リミットブレイクの反動だ。
今回は特に激しく動いたし、相手も強敵だったから余計にきつい。
しばらくまともに動けそうにない。
「殿下たちは大丈夫かな……」
「病人は自分の心配をしていろ」
「そうですね……って! 殿下!」
ベッドの隣で、殿下が座っていたことに気づく。
驚きのあまり起き上がろうとして、全身に激痛が走って涙目になる。
「マヌケか? お前は……」
「どうして殿下がここに……?」
「見舞いに来てやったんだ。有難く思え」
「……前にも同じことを言われた気がします」
「言ったな。魔獣と戦った時だ。あの時と同じ、また倒れるなんて情けないぞ」
「うっ……」
言い返せない。
あの男は倒したけど、その後は何もできず気絶してしまったし。
私は殿下の騎士として、ちゃんと役目を果たせなかった。
「だがまぁ、あの頃よりは成長している」
「え?」
「一人でよく戦った。お前のおかげで、父上を守りきれた。心から感謝する」
「殿下……」
「なんだその顔は?」
「いえ、皮肉もなしに殿下が感謝してくれるなんて、珍しい痛い痛い痛い!」
殿下にほっぺをつねられてしまった。
筋肉痛も相まってすごく痛い。
「何するんですか!」
「主に不敬を働いた罰だ」
「不敬って! 思ったことを言っただけなのに」
「お前な? それを許すのは俺くらいだと思え。他国なら即刻クビだ」
「うっ……すみません」
「俺の専属騎士でよかったな?」
「そうですね……」
そこは同意する。
私がここまで強くなれたのは、殿下との出会いがあったから。
殿下という越えるべき目標が、すぐ近くにあるからだ。
「他の方はどうなりましたか?」
「皆無事だ。ミトスはリズたちが守ってくれたらしい」
「そうだったんですか! よかった」
「ああ。あの子を迎え入れた俺の判断は正しかったな」
「連れてきたのは私ですけど……」
「お前は引っ張ってきただけだろ? その後の面倒な手続きは全部俺がやったんだが?」
ぐうの音も出ない。
「まっ、これで多少はリズの評価も変わるだろう? 俺だけじゃなく、ミトスも救ったんだ」
「そうですね」
代わりに、人々の亜人種に対する反発は強まっている。
暴動と襲撃のことは、すでに王都中に広まっているらしい。
火種は大きくなってしまった。
これも、ラプラスの思惑通りなのだろうか。
「あの男は……」
「拘束し、投獄された。ラプラスについての情報を吐かせている最中だ」
「そうですか……」
「殺さなくてよかったのか? あれは父の敵なのだろう?」
「……いいんです。お父様は騎士として立派に勤めを果たしました。きっと恨んでいないと思います。なら私も、お父様のようにありたい。復讐者ではなく、騎士として」
怒りはあるし、恨みもある。
許すことはできないだろう……でも、これでいい。
お父様ならきっと、そう言ってくれる。
「強くなったな」
「殿下?」
褒めてくれた?
「だが、まだまだだ。俺の隣に立つには程遠い」
「……わかっています。精進します」
「そうしてくれ。いずれ俺が王になった時、弱いままじゃ格好がつかないぞ?」
「はい! はい? で、殿下……今……」
私は耳を疑った。
殿下の口から、王になると聞こえて。
「俺は王になるよ」
「……見つかったんですか? 王になる理由」
「ああ。俺は……この国に、亜人種の居場所を作ろうと思う」
「――!」
意外な決意に、私は目を丸くした。
驚きが冷めないうちに、私は尋ねる。
「理由を聞いてもいいでしょうか」
「簡単な話だ。彼らが求めているのは、居場所だ。強引なやり方だが、自分たちが自由に生きられる場所がほしいのだろう。なら俺が提供してやろう。そうすれば争う必要はない」
「それは……難しいことですね」
「簡単ではないな。反感はあるだろう。だが、亜人種の全てが悪ではない。リズが俺たちを助けたように、手を取り合える可能性は残されている」
それはきっと、細く短い可能性だ。
目に見えないほどに……。
殿下も理解しているだろう。
誰よりも聡明なお方だ。
「彼らを黙らせることのほうが簡単だろう。だが、それでは繰り返しだ。いずれまた歪みは生まれ、争いが起こる。重要なのは囚われないことだ。出自や種族が重要なのではなく、何をしたいか、何をしてきたのか……生き様に価値がある」
「生き様……」
「お前の父が、命を賭して貴族を守り、お前に繋げた。そういう者たちこそ誇らしく、賞賛されるべきだ」
「殿下……」
「そういう世界に俺はしたい。もしもあいつが……病気が治らなかったとしても」
そういう世界になれば、誰もミトス様を蔑んだり、見捨てたりはしないだろう。
根本は弟君への愛情だ。
そこに、彼自身の理想が色づいている。
「素敵だと思います!」
「他人事のように言うな。お前も手伝うんだぞ」
「もちろんです! 私は殿下の騎士ですから! 殿下が望むなら、どこまでもお供します」
「頼もしいな。それにはまず、身体を治せ」
「はい……」
もっと強くなろう。
私を認めてくれた殿下に、報いるために。
未熟者のままじゃ、大天才の隣は不釣り合いだ。
凡庸な私が彼の隣に立つためには、今の何十倍も努力するしかないのだから。
「明日からまた頑張ります! 殿下! お時間ある際に、剣の相手をしてくださいませんか?」
「ほどほどにな? お前が相手じゃ、俺も手加減できないぞ? 無論、勝つのは俺だが」
「嬉しいです! 全力でお願いします! 何度負けても、いつか勝ちますから!」
「まったく……前向きな奴め」
殿下は立ち上がり、私の頬に触れる。
「殿下……?」
「その性格は、変わらずいてくれよ? 見ていて元気が出るからな」
「へ……」
「じゃあな。明日から頼むぞ」
「は、はい!」
手を振り去って行く殿下を見つめる。
さっきの一言、あれはどういう意味だったのだろう。
心臓がドクドクとうるさい。
リミットブレイクの後遺症がまだ残っているのかもしれない。
「元気が出る……か」
そんな風に言ってもらえたのは初めてで、嬉しさに顔がにやける。
「っと! 気を引き締めないと!」
私はにやけた顔をパンと叩く。
殿下が王になると決めた。
私はそんな殿下を支える騎士として、これからも隣に立ち続ける。
大天才、ラインハルト王子の隣には、ブレイブ家の当主がいる。
そう、人々に見せつけるために。
それが私の、ブレイブ家の悲願だ。
今は……それだけじゃないけれど。
私が病室で目覚めた時には、全てが解決していた。
王城に侵入したラプラスの構成員は全員捕縛され、道を塞いでいた暴動も鎮圧された。
どうやら暴動に参加していた半数がラプラスに関わっている亜人種で、人間のフリをして騒ぎ立てていたらしい。
それに気づかず乗っかってしまった人間もマヌケだ。
「体中が痛い……」
目覚めたはいいものの、筋肉痛と疲労でまったく動けない。
無理に動こうとすると激痛が走る。
リミットブレイクの反動だ。
今回は特に激しく動いたし、相手も強敵だったから余計にきつい。
しばらくまともに動けそうにない。
「殿下たちは大丈夫かな……」
「病人は自分の心配をしていろ」
「そうですね……って! 殿下!」
ベッドの隣で、殿下が座っていたことに気づく。
驚きのあまり起き上がろうとして、全身に激痛が走って涙目になる。
「マヌケか? お前は……」
「どうして殿下がここに……?」
「見舞いに来てやったんだ。有難く思え」
「……前にも同じことを言われた気がします」
「言ったな。魔獣と戦った時だ。あの時と同じ、また倒れるなんて情けないぞ」
「うっ……」
言い返せない。
あの男は倒したけど、その後は何もできず気絶してしまったし。
私は殿下の騎士として、ちゃんと役目を果たせなかった。
「だがまぁ、あの頃よりは成長している」
「え?」
「一人でよく戦った。お前のおかげで、父上を守りきれた。心から感謝する」
「殿下……」
「なんだその顔は?」
「いえ、皮肉もなしに殿下が感謝してくれるなんて、珍しい痛い痛い痛い!」
殿下にほっぺをつねられてしまった。
筋肉痛も相まってすごく痛い。
「何するんですか!」
「主に不敬を働いた罰だ」
「不敬って! 思ったことを言っただけなのに」
「お前な? それを許すのは俺くらいだと思え。他国なら即刻クビだ」
「うっ……すみません」
「俺の専属騎士でよかったな?」
「そうですね……」
そこは同意する。
私がここまで強くなれたのは、殿下との出会いがあったから。
殿下という越えるべき目標が、すぐ近くにあるからだ。
「他の方はどうなりましたか?」
「皆無事だ。ミトスはリズたちが守ってくれたらしい」
「そうだったんですか! よかった」
「ああ。あの子を迎え入れた俺の判断は正しかったな」
「連れてきたのは私ですけど……」
「お前は引っ張ってきただけだろ? その後の面倒な手続きは全部俺がやったんだが?」
ぐうの音も出ない。
「まっ、これで多少はリズの評価も変わるだろう? 俺だけじゃなく、ミトスも救ったんだ」
「そうですね」
代わりに、人々の亜人種に対する反発は強まっている。
暴動と襲撃のことは、すでに王都中に広まっているらしい。
火種は大きくなってしまった。
これも、ラプラスの思惑通りなのだろうか。
「あの男は……」
「拘束し、投獄された。ラプラスについての情報を吐かせている最中だ」
「そうですか……」
「殺さなくてよかったのか? あれは父の敵なのだろう?」
「……いいんです。お父様は騎士として立派に勤めを果たしました。きっと恨んでいないと思います。なら私も、お父様のようにありたい。復讐者ではなく、騎士として」
怒りはあるし、恨みもある。
許すことはできないだろう……でも、これでいい。
お父様ならきっと、そう言ってくれる。
「強くなったな」
「殿下?」
褒めてくれた?
「だが、まだまだだ。俺の隣に立つには程遠い」
「……わかっています。精進します」
「そうしてくれ。いずれ俺が王になった時、弱いままじゃ格好がつかないぞ?」
「はい! はい? で、殿下……今……」
私は耳を疑った。
殿下の口から、王になると聞こえて。
「俺は王になるよ」
「……見つかったんですか? 王になる理由」
「ああ。俺は……この国に、亜人種の居場所を作ろうと思う」
「――!」
意外な決意に、私は目を丸くした。
驚きが冷めないうちに、私は尋ねる。
「理由を聞いてもいいでしょうか」
「簡単な話だ。彼らが求めているのは、居場所だ。強引なやり方だが、自分たちが自由に生きられる場所がほしいのだろう。なら俺が提供してやろう。そうすれば争う必要はない」
「それは……難しいことですね」
「簡単ではないな。反感はあるだろう。だが、亜人種の全てが悪ではない。リズが俺たちを助けたように、手を取り合える可能性は残されている」
それはきっと、細く短い可能性だ。
目に見えないほどに……。
殿下も理解しているだろう。
誰よりも聡明なお方だ。
「彼らを黙らせることのほうが簡単だろう。だが、それでは繰り返しだ。いずれまた歪みは生まれ、争いが起こる。重要なのは囚われないことだ。出自や種族が重要なのではなく、何をしたいか、何をしてきたのか……生き様に価値がある」
「生き様……」
「お前の父が、命を賭して貴族を守り、お前に繋げた。そういう者たちこそ誇らしく、賞賛されるべきだ」
「殿下……」
「そういう世界に俺はしたい。もしもあいつが……病気が治らなかったとしても」
そういう世界になれば、誰もミトス様を蔑んだり、見捨てたりはしないだろう。
根本は弟君への愛情だ。
そこに、彼自身の理想が色づいている。
「素敵だと思います!」
「他人事のように言うな。お前も手伝うんだぞ」
「もちろんです! 私は殿下の騎士ですから! 殿下が望むなら、どこまでもお供します」
「頼もしいな。それにはまず、身体を治せ」
「はい……」
もっと強くなろう。
私を認めてくれた殿下に、報いるために。
未熟者のままじゃ、大天才の隣は不釣り合いだ。
凡庸な私が彼の隣に立つためには、今の何十倍も努力するしかないのだから。
「明日からまた頑張ります! 殿下! お時間ある際に、剣の相手をしてくださいませんか?」
「ほどほどにな? お前が相手じゃ、俺も手加減できないぞ? 無論、勝つのは俺だが」
「嬉しいです! 全力でお願いします! 何度負けても、いつか勝ちますから!」
「まったく……前向きな奴め」
殿下は立ち上がり、私の頬に触れる。
「殿下……?」
「その性格は、変わらずいてくれよ? 見ていて元気が出るからな」
「へ……」
「じゃあな。明日から頼むぞ」
「は、はい!」
手を振り去って行く殿下を見つめる。
さっきの一言、あれはどういう意味だったのだろう。
心臓がドクドクとうるさい。
リミットブレイクの後遺症がまだ残っているのかもしれない。
「元気が出る……か」
そんな風に言ってもらえたのは初めてで、嬉しさに顔がにやける。
「っと! 気を引き締めないと!」
私はにやけた顔をパンと叩く。
殿下が王になると決めた。
私はそんな殿下を支える騎士として、これからも隣に立ち続ける。
大天才、ラインハルト王子の隣には、ブレイブ家の当主がいる。
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今は……それだけじゃないけれど。
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