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24 ワガママなのでしょうか
明らかな色仕掛けにひっかかるヒウロにアンジェリカが呆れていると、祭壇に神父が現れた。立ち襟で踝丈の黒いローブを着た老年の神父は、眉尻を下げてヒウロを見つめる。
「ライキ伯爵、あなたはまだ反省していないようですね」
「聞いてください! 僕はアンジェリカに酷いことをしたかもしれません。ですが、そんな行動をとった理由があります! ここにいるワミーに騙されたからです!」
ヒウロが訴えると、ワミーは自分の胸に手を当てて話し始める。
「神父様、聞いてください。私の行動によってアンジェリカ様を傷つけたことは確かです。ですが、私は兄に体調が悪い、こうしたいと希望を伝えただけで、アンジェリカ様よりも自分を優先してほしいなんて一言も口に出したことはありません」
神父は神妙な面持ちでうなずくと、無言でアンジェリカに目を向けた。自分に間違いはないか確認しているのだとわかり、アンジェリカは立ち上がって発言する。
「本心で言っているかはわかりませんが、ワミーさんは私に申し訳ないというような言葉を口にしていました」
「アンジェ、どうしてワミーを庇うんだよ!? 僕たちが揉めるきっかけを作ったのは彼女なんだぞ?」
「たとえワミーがきっかけを作ったのだとしても、あなたが相手にしなければ良かっただけでしょう」
「僕は兄だ。妹を守らなければならないって
、父上から言われているんだ!」
「なら、守ってあげなさいよ」
アンジェリカは冷ややかな口調で続ける。
「妹を守る兄って素敵だと思うわ。だけど、あなたのやっていることは兄妹の域を越えている。ワミー、あなたもそう思うわよね?」
「ええ。お兄様が私のことばかり優先するから、私のことを好きなのだと誤解してしまいました。でもっ、お兄様はいつも優しくてっ! 結婚式の晩だって、ずっと私に付いていてくれたんです! 二日目の晩も、一人では眠れない私に添い寝をしてくれて……」
泣き真似をしながら話すワミーを見て、ギャラリーはひそひそと話を始める。
今日集まっているのは、ルマやルマの友人たち。そして、結婚式に出席していた一部の貴族である。
初夜を迎えなかっただけでなく、二日目も妹に付いていて、新妻を一人にしていたという事実を聞き、一気にヒウロの印象は悪くなった。
「結婚式も散々だったのに、初夜もすっぽかされ、いつだって妹優先。私が離婚を望んでもおかしくないわよね?」
「人間、誰だって過ちを犯すことがある! 反省すると言っているのに聞き入れずに、すぐに別れようとするのは違うだろう!? 君のワガママだ」
「ワガママですって?」
カチンときたアンジェリカは聞き返した後、ヒウロを睨みつける。
「ヒウロ、私がワガママを言っているかどうか、皆さんに確認しましょう。もし、私がワガママではないという意見が多かった場合、大人しく離婚して」
「……どうしてそんなことを」
「あなたは自分が間違っていないという自信があるのでしょう?」
厳しい口調で問われたヒウロは、苦虫を噛み潰したような顔でうなずく。
「わかったよ。だけど、僕を支持してくれる人が多かった場合、君は大人しく家に戻るんだ」
「わかったわ」
アンジェリカはくるりと向きを変え、後方に座っている人たちに問いかける。
「皆さまにお尋ねしたいことがございます。
私は普通の結婚生活を送れているのでしょうか。そして、離婚したいと思う私はワガママなのでしょうか」
アンジェリカの質問に教会内はざわついたのだった。
「ライキ伯爵、あなたはまだ反省していないようですね」
「聞いてください! 僕はアンジェリカに酷いことをしたかもしれません。ですが、そんな行動をとった理由があります! ここにいるワミーに騙されたからです!」
ヒウロが訴えると、ワミーは自分の胸に手を当てて話し始める。
「神父様、聞いてください。私の行動によってアンジェリカ様を傷つけたことは確かです。ですが、私は兄に体調が悪い、こうしたいと希望を伝えただけで、アンジェリカ様よりも自分を優先してほしいなんて一言も口に出したことはありません」
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「たとえワミーがきっかけを作ったのだとしても、あなたが相手にしなければ良かっただけでしょう」
「僕は兄だ。妹を守らなければならないって
、父上から言われているんだ!」
「なら、守ってあげなさいよ」
アンジェリカは冷ややかな口調で続ける。
「妹を守る兄って素敵だと思うわ。だけど、あなたのやっていることは兄妹の域を越えている。ワミー、あなたもそう思うわよね?」
「ええ。お兄様が私のことばかり優先するから、私のことを好きなのだと誤解してしまいました。でもっ、お兄様はいつも優しくてっ! 結婚式の晩だって、ずっと私に付いていてくれたんです! 二日目の晩も、一人では眠れない私に添い寝をしてくれて……」
泣き真似をしながら話すワミーを見て、ギャラリーはひそひそと話を始める。
今日集まっているのは、ルマやルマの友人たち。そして、結婚式に出席していた一部の貴族である。
初夜を迎えなかっただけでなく、二日目も妹に付いていて、新妻を一人にしていたという事実を聞き、一気にヒウロの印象は悪くなった。
「結婚式も散々だったのに、初夜もすっぽかされ、いつだって妹優先。私が離婚を望んでもおかしくないわよね?」
「人間、誰だって過ちを犯すことがある! 反省すると言っているのに聞き入れずに、すぐに別れようとするのは違うだろう!? 君のワガママだ」
「ワガママですって?」
カチンときたアンジェリカは聞き返した後、ヒウロを睨みつける。
「ヒウロ、私がワガママを言っているかどうか、皆さんに確認しましょう。もし、私がワガママではないという意見が多かった場合、大人しく離婚して」
「……どうしてそんなことを」
「あなたは自分が間違っていないという自信があるのでしょう?」
厳しい口調で問われたヒウロは、苦虫を噛み潰したような顔でうなずく。
「わかったよ。だけど、僕を支持してくれる人が多かった場合、君は大人しく家に戻るんだ」
「わかったわ」
アンジェリカはくるりと向きを変え、後方に座っている人たちに問いかける。
「皆さまにお尋ねしたいことがございます。
私は普通の結婚生活を送れているのでしょうか。そして、離婚したいと思う私はワガママなのでしょうか」
アンジェリカの質問に教会内はざわついたのだった。
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