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25 理解したらどう?
ワミーはアンジェリカを後押しするようにギャラリーに訴える。
「私だって、お兄様に迷惑だと言われていればそんな甘えるような行動はしていませんでした! アンジェリカ様がお兄様を見限る気持ちは理解できます!」
「なら、どうして甘えることをやめなかったんだよ!?」
「お兄様がアンジェリカ様と別れるつもりだと思ったからです」
はっきりと言われ、ヒウロは忌々しげにワミーを見つめた。
アンジェリカはワミーがここまで自分の味方をしてくれるとは思っていなかったので、内心驚いていた。
だが、これは嬉しい誤算でもある。
(ワミー、あなたが私を利用しているように、私もありがたくそうさせてもらうわ)
普通ならば、ヒウロのような男はやめておいたほうがいいと止めるべきだが、ワミーが相手なら、アンジェリカも配慮する必要はなかった。
「ワガママだとは思わないわ。あんなに酷い結婚式を見たことがないわ。私なら、あの場で離婚しかないわ」
一番に声を上げたのは、兄の元婚約者だった。それを機に、女性たちはアンジェリカを擁護し始める。
「妹だからってやりすぎよ! 妹を可愛がる兄として微笑ましいどころか、気持ち悪いレベルだわ」
ルマの友人の一人が叫び、アンジェリカ優勢のムードが漂う。
だが、この場にはヒウロの友人たちも来ていた。類は友を呼ぶという言葉があるように、彼らはヒウロと似た価値観の持ち主だった。
「離婚はやりすぎだよ」
「決めるのは早すぎる。彼にもチャンスを与えてやってくれよ」
デイルが座っている場所から通路を挟んだチャーチチェアに、三人の若い男が並んで座っていた。その内の二人がヒウロに加勢したのだ。もう一人は場の空気を読んでいるのか、控えめな口調で話す。
「話を聞いている限り、ヒウロが悪いと思うけど、それなら結婚式をボイコットすれば良かったんじゃないか?」
アンジェリカは苦笑して答える。
「そう言われてみればそうかもしれません。ですが、あの時の私はボイコットした後の慰謝料や費用を払うお金どころか、行く当てもない状態でしたから無理だったんです」
(お父様も人質にとられていたしね)
何も知らない青年は不満げな顔をする。
「実家には戻れなかったんですか? 伯爵家なんだからお金が支払えないなんてことはないでしょう」
「あなたに妹がいらっしゃるかはわかりませんが、いない場合はいると考えて答えてください。妹の結婚相手が嫌な相手だとわかっていた場合、妹を大事に思っているのなら、最初から嫁には出していないはずです。ということは、妹よりも自分の利益を優先したわけです。そんな妹が結婚式当日に出戻ったらどう思いますか?」
アンジェリカに問い返された青年は眉尻を下げるだけで、答えは返さなかった。不利になったと感じたヒウロは泣き落としにかかる。
「アンジェ! 僕たちは何年一緒にいた? そんなに簡単に切れる関係じゃないだろう? 僕を捨てないでくれ!」
「長年一緒にいたにもかかわらず、あなたは私がどんなことで嫌がるかわかっていなかったのよね。だから、私の心に深い傷を与えても何とも思わなかった」
「僕の気持ちをわかってくれていると思っていたからだ。自慢の婚約者だと思っていたんだ」
「勝手な言い分ね。なら、あなたも私の気持ちを理解したらどうなの? あんなことをされて、私の愛があなたにいつまでも向けられると思うの?」
アンジェリカはヒウロに冷たく言い放ち、神父に問いかける。
「神父様、私は間違ったことを言っているでしょうか」
「間違っている、いないかの判断を私がすべきではないと思っています」
そう前置きしてから、神父は温和な表情を厳しいものに変えて続ける。
「ただ、ライキ伯爵の結婚式の態度は許されるものではありません。愛を誓えなかった時点で、婚姻を無効にしても良いのではないかと考えています」
「なんだって!?」
予想外の話に、ヒウロは目を見開いて聞き返した。
「私だって、お兄様に迷惑だと言われていればそんな甘えるような行動はしていませんでした! アンジェリカ様がお兄様を見限る気持ちは理解できます!」
「なら、どうして甘えることをやめなかったんだよ!?」
「お兄様がアンジェリカ様と別れるつもりだと思ったからです」
はっきりと言われ、ヒウロは忌々しげにワミーを見つめた。
アンジェリカはワミーがここまで自分の味方をしてくれるとは思っていなかったので、内心驚いていた。
だが、これは嬉しい誤算でもある。
(ワミー、あなたが私を利用しているように、私もありがたくそうさせてもらうわ)
普通ならば、ヒウロのような男はやめておいたほうがいいと止めるべきだが、ワミーが相手なら、アンジェリカも配慮する必要はなかった。
「ワガママだとは思わないわ。あんなに酷い結婚式を見たことがないわ。私なら、あの場で離婚しかないわ」
一番に声を上げたのは、兄の元婚約者だった。それを機に、女性たちはアンジェリカを擁護し始める。
「妹だからってやりすぎよ! 妹を可愛がる兄として微笑ましいどころか、気持ち悪いレベルだわ」
ルマの友人の一人が叫び、アンジェリカ優勢のムードが漂う。
だが、この場にはヒウロの友人たちも来ていた。類は友を呼ぶという言葉があるように、彼らはヒウロと似た価値観の持ち主だった。
「離婚はやりすぎだよ」
「決めるのは早すぎる。彼にもチャンスを与えてやってくれよ」
デイルが座っている場所から通路を挟んだチャーチチェアに、三人の若い男が並んで座っていた。その内の二人がヒウロに加勢したのだ。もう一人は場の空気を読んでいるのか、控えめな口調で話す。
「話を聞いている限り、ヒウロが悪いと思うけど、それなら結婚式をボイコットすれば良かったんじゃないか?」
アンジェリカは苦笑して答える。
「そう言われてみればそうかもしれません。ですが、あの時の私はボイコットした後の慰謝料や費用を払うお金どころか、行く当てもない状態でしたから無理だったんです」
(お父様も人質にとられていたしね)
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「実家には戻れなかったんですか? 伯爵家なんだからお金が支払えないなんてことはないでしょう」
「あなたに妹がいらっしゃるかはわかりませんが、いない場合はいると考えて答えてください。妹の結婚相手が嫌な相手だとわかっていた場合、妹を大事に思っているのなら、最初から嫁には出していないはずです。ということは、妹よりも自分の利益を優先したわけです。そんな妹が結婚式当日に出戻ったらどう思いますか?」
アンジェリカに問い返された青年は眉尻を下げるだけで、答えは返さなかった。不利になったと感じたヒウロは泣き落としにかかる。
「アンジェ! 僕たちは何年一緒にいた? そんなに簡単に切れる関係じゃないだろう? 僕を捨てないでくれ!」
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「僕の気持ちをわかってくれていると思っていたからだ。自慢の婚約者だと思っていたんだ」
「勝手な言い分ね。なら、あなたも私の気持ちを理解したらどうなの? あんなことをされて、私の愛があなたにいつまでも向けられると思うの?」
アンジェリカはヒウロに冷たく言い放ち、神父に問いかける。
「神父様、私は間違ったことを言っているでしょうか」
「間違っている、いないかの判断を私がすべきではないと思っています」
そう前置きしてから、神父は温和な表情を厳しいものに変えて続ける。
「ただ、ライキ伯爵の結婚式の態度は許されるものではありません。愛を誓えなかった時点で、婚姻を無効にしても良いのではないかと考えています」
「なんだって!?」
予想外の話に、ヒウロは目を見開いて聞き返した。
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