3 / 38
2 落ちこぼれ令嬢に味方はいない?
しおりを挟む
叩かれた衝撃で一瞬、頭が真っ白になった私だったけれど、我に返って言い返す。
「わ、私のせいってどういうこと? 私が落ちこぼれだからポメラが浮気したとでも言うつもり!?」
叩かれた頬を押さえて睨みつける。ゼッシュに叩かれたことなんて今までに一度もなかった。それだけポメラが浮気していたことがショックだということはわかる。だからって、私の頬を叩く理由がわからないわ! 浮気したほうが良くないでしょう! そんなことは考えなくてもわかるはずなのに、ここまで冷静な判断ができなくなっているゼッシュを見るのは初めてだ。
混乱している私にゼッシュが唾をまき散らしながら答える。
「そうだよ! ずっとずっと思ってた! お前がもっとしっかりしてくれていれば、僕は苦労せずに済んだのにって!」
「苦労ですって? 私のせいであなたがどんな苦労をしたって言うの!?」
「落ちこぼれのお前と優等生の僕。僕は優れた力を持っているが上に色々と求められた。良い顔をするのはもううんざりだったんだ! お前はポメラと仲が良かったから使い道があると思って仲良くしてやっていたのに!」
「意味がわからないわ。私だって一生懸命やって来たつもりよ! それにあなたはそんな理由で私に優しくしてくれていたの!?」
「一生懸命やって来ただって? その結果がこれかよ!」
ゼッシュは我を忘れてしまっているらしく、勢いよく近づいてきたかと思うと、私の顔を何度も拳で殴ってくる。
「やめて! やめてよっ!」
「くそっ、くそっ、くそっ! 僕はまだポメラと手を握るしかしていなかったのにっ! お前のせいで、お前のせいで!」
私が自分の顔を腕で防御すると、子供が駄々をこねているかのようにゼッシュは乱暴に腕を振り回す。
「や、やめろ! 怪我をしていると分かれば問題になるぞ!」
慌ててシドロフェス殿下が止めに入ったけれど、ゼッシュはその手を振り払う。
「僕を誰だと思っているんですか。傷なんて死ななければ治せますよ」
「そ……そういう問題じゃないだろう」
ゼッシュがシドロフェス殿下に気を取られている内に、私は鼻から垂れてきた血を止めようと、自分の鼻に触れた。癒しの力を使うには触れる必要があるからだ。
鼻に少し触れただけでも痛みが走る。腕で防御していたし、ゼッシュの力がそう強くなかったからか、鼻の骨が折れるまではいっていないようだ。私の力でも癒やせるような怪我だったので痛みはすぐに消えた。
生ぬるい感触があり、鼻と口の間を白いハンカチで拭くと、血がべったりと付いた。ドレスに滴り落ちた血はどうしようもない。でも、ゼッシュを庇う必要もないので、ハンカチとドレスの血のシミや顔についている血を証拠に暴力をふるわれたとパーティー会場で叫んでやろうかと思った。
「わあ……、痛そう。ほんと、なんか、可哀想。アビー、ポメラのせいでごめんね?」
ポメラは両手を合わせて首を横に傾けた。私には謝っているようにはまったく思えないのだけれど、この仕草に男性たちは骨抜きになってしまう。
「アビーだなんて愛称でもう二度と私のことを呼ばないで」
「アビ―! 冷たいことを言わないでよ。シドロフェス殿下がポメラを好きになったのは、ポメラのせいじゃないわ」
「そうだ! ポメラのせいじゃない!」
ゼッシュが声を荒らげて、また私に殴りかかってきた時だった。
「一体何をしているのだ!」
「ゼッシュ! どうしたの、何があったの!?」
付き添いとして一緒にやって来ていた両親が騒ぎを聞きつけたのかやって来た。
「父様、母様聞いてください! ポメラとシドロフェス殿下が僕を裏切ったんです! しかも、アビゲイルはシドロフェス殿下に婚約破棄されたんです!」
ゼッシュは泣きながら両親に訴え続ける。
「アビゲイルが悪いんです! アビゲイルが一人前の働きをしてくれていたら、こんなことにならなかったのに!」
泣きじゃくるゼッシュをお母様がなだめている間に、シドロフェス殿下とポメラがお父様に状況を説明した。すると案の定、お父様は私が悪いと言い始める。
「アビゲイルが無能なために、シドロフェス殿下に不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。全てアビゲイルの責任でございます」
ここに私の味方はいない。これからどうなるのか、いやどうしようか考えていると、ポメラが話しかけてきた。
「本当にごめんねぇ。でも、アビーは強い人だもの。みんなに嫌われても強く生きていけるわよね?」
「強くは生きていくわよ」
冷たく答えると、シドロフェス殿下がポメラを抱きしめる。
「ポメラが謝る必要はない。私が勝手に君を愛してしまっただけだ。国に帰ったら父上に報告して、私たちの仲を認めてもらおう」
「僕はどうなるんですか!」
お母様になぐさめてもらっていたゼッシュが叫ぶと、シドロフェス殿下はうーんと唸ったあとに答える。
「そうだな、こうしようじゃないか。ポメラのみ二重結婚ができるように君が父上に頼んでくれ。君の言うことなら父上も聞き入れてくれるだろう」
シドロフェス殿下は気の毒に思えるくらいに頭が悪い。そんな提案を陛下が了承するとは思えない。
「それは名案ですぅ! ポメラは二人とも大好きですからっ! 仲良く三人で結婚しましょっ!」
自分の顎に両拳を当ててぶりっ子ポーズを取るポメラに苛つきを覚えたのは私だけだった。前々からこの口調で女子に嫌われていたポメラを助けてから、彼女は私になついてきた。彼女と友達になりたくがないという理由で、私の周りには女性が集まらなくなり、友達と呼べるのはポメラしかいなかった。
でもそれは、友達がいない自分が恥ずかしいと思っていたから、ポメラを親友だと思い込んでいただけで、心の中ではきっと、彼女と遠ざかりたいと思っていた。
こんなことになったのは、私のせいでもあるのでしょうけれど、それってシドロフェス殿下たちが浮気をしても良い理由にはならないのよね。
お母様がゼッシュを抱きしめながら私に言う。
「ゼッシュに悪影響を与えるあなたには家から出ていってもらうわ。二度と会うことのないように僻地に行ってもらいましょう。自給自足でもして暮らしなさい!」
「王家に連絡もせずに私を追い出して良いんですか」
強い口調で問いかけると、お父様が答える。
「ゼッシュがいればお前など必要ない。ゼッシュを苦しめたショックで家出をしたとでも言っておいてやる」
どう考えても普通の人なら私を手放すことは考えないと思う。この人たちと話をしても無駄ね。……僻地か。人が住んでいない地域ということはわかるけれど、せめて暮らす家くらいは用意してくれるのかしら。
ため息を吐いた時、背後から声がかかる。
「面白い話をしているな。僕も混ぜてくれ」
この場にいた全員がその声に驚き、一斉に声のした方向に振り返った。
「わ、私のせいってどういうこと? 私が落ちこぼれだからポメラが浮気したとでも言うつもり!?」
叩かれた頬を押さえて睨みつける。ゼッシュに叩かれたことなんて今までに一度もなかった。それだけポメラが浮気していたことがショックだということはわかる。だからって、私の頬を叩く理由がわからないわ! 浮気したほうが良くないでしょう! そんなことは考えなくてもわかるはずなのに、ここまで冷静な判断ができなくなっているゼッシュを見るのは初めてだ。
混乱している私にゼッシュが唾をまき散らしながら答える。
「そうだよ! ずっとずっと思ってた! お前がもっとしっかりしてくれていれば、僕は苦労せずに済んだのにって!」
「苦労ですって? 私のせいであなたがどんな苦労をしたって言うの!?」
「落ちこぼれのお前と優等生の僕。僕は優れた力を持っているが上に色々と求められた。良い顔をするのはもううんざりだったんだ! お前はポメラと仲が良かったから使い道があると思って仲良くしてやっていたのに!」
「意味がわからないわ。私だって一生懸命やって来たつもりよ! それにあなたはそんな理由で私に優しくしてくれていたの!?」
「一生懸命やって来ただって? その結果がこれかよ!」
ゼッシュは我を忘れてしまっているらしく、勢いよく近づいてきたかと思うと、私の顔を何度も拳で殴ってくる。
「やめて! やめてよっ!」
「くそっ、くそっ、くそっ! 僕はまだポメラと手を握るしかしていなかったのにっ! お前のせいで、お前のせいで!」
私が自分の顔を腕で防御すると、子供が駄々をこねているかのようにゼッシュは乱暴に腕を振り回す。
「や、やめろ! 怪我をしていると分かれば問題になるぞ!」
慌ててシドロフェス殿下が止めに入ったけれど、ゼッシュはその手を振り払う。
「僕を誰だと思っているんですか。傷なんて死ななければ治せますよ」
「そ……そういう問題じゃないだろう」
ゼッシュがシドロフェス殿下に気を取られている内に、私は鼻から垂れてきた血を止めようと、自分の鼻に触れた。癒しの力を使うには触れる必要があるからだ。
鼻に少し触れただけでも痛みが走る。腕で防御していたし、ゼッシュの力がそう強くなかったからか、鼻の骨が折れるまではいっていないようだ。私の力でも癒やせるような怪我だったので痛みはすぐに消えた。
生ぬるい感触があり、鼻と口の間を白いハンカチで拭くと、血がべったりと付いた。ドレスに滴り落ちた血はどうしようもない。でも、ゼッシュを庇う必要もないので、ハンカチとドレスの血のシミや顔についている血を証拠に暴力をふるわれたとパーティー会場で叫んでやろうかと思った。
「わあ……、痛そう。ほんと、なんか、可哀想。アビー、ポメラのせいでごめんね?」
ポメラは両手を合わせて首を横に傾けた。私には謝っているようにはまったく思えないのだけれど、この仕草に男性たちは骨抜きになってしまう。
「アビーだなんて愛称でもう二度と私のことを呼ばないで」
「アビ―! 冷たいことを言わないでよ。シドロフェス殿下がポメラを好きになったのは、ポメラのせいじゃないわ」
「そうだ! ポメラのせいじゃない!」
ゼッシュが声を荒らげて、また私に殴りかかってきた時だった。
「一体何をしているのだ!」
「ゼッシュ! どうしたの、何があったの!?」
付き添いとして一緒にやって来ていた両親が騒ぎを聞きつけたのかやって来た。
「父様、母様聞いてください! ポメラとシドロフェス殿下が僕を裏切ったんです! しかも、アビゲイルはシドロフェス殿下に婚約破棄されたんです!」
ゼッシュは泣きながら両親に訴え続ける。
「アビゲイルが悪いんです! アビゲイルが一人前の働きをしてくれていたら、こんなことにならなかったのに!」
泣きじゃくるゼッシュをお母様がなだめている間に、シドロフェス殿下とポメラがお父様に状況を説明した。すると案の定、お父様は私が悪いと言い始める。
「アビゲイルが無能なために、シドロフェス殿下に不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。全てアビゲイルの責任でございます」
ここに私の味方はいない。これからどうなるのか、いやどうしようか考えていると、ポメラが話しかけてきた。
「本当にごめんねぇ。でも、アビーは強い人だもの。みんなに嫌われても強く生きていけるわよね?」
「強くは生きていくわよ」
冷たく答えると、シドロフェス殿下がポメラを抱きしめる。
「ポメラが謝る必要はない。私が勝手に君を愛してしまっただけだ。国に帰ったら父上に報告して、私たちの仲を認めてもらおう」
「僕はどうなるんですか!」
お母様になぐさめてもらっていたゼッシュが叫ぶと、シドロフェス殿下はうーんと唸ったあとに答える。
「そうだな、こうしようじゃないか。ポメラのみ二重結婚ができるように君が父上に頼んでくれ。君の言うことなら父上も聞き入れてくれるだろう」
シドロフェス殿下は気の毒に思えるくらいに頭が悪い。そんな提案を陛下が了承するとは思えない。
「それは名案ですぅ! ポメラは二人とも大好きですからっ! 仲良く三人で結婚しましょっ!」
自分の顎に両拳を当ててぶりっ子ポーズを取るポメラに苛つきを覚えたのは私だけだった。前々からこの口調で女子に嫌われていたポメラを助けてから、彼女は私になついてきた。彼女と友達になりたくがないという理由で、私の周りには女性が集まらなくなり、友達と呼べるのはポメラしかいなかった。
でもそれは、友達がいない自分が恥ずかしいと思っていたから、ポメラを親友だと思い込んでいただけで、心の中ではきっと、彼女と遠ざかりたいと思っていた。
こんなことになったのは、私のせいでもあるのでしょうけれど、それってシドロフェス殿下たちが浮気をしても良い理由にはならないのよね。
お母様がゼッシュを抱きしめながら私に言う。
「ゼッシュに悪影響を与えるあなたには家から出ていってもらうわ。二度と会うことのないように僻地に行ってもらいましょう。自給自足でもして暮らしなさい!」
「王家に連絡もせずに私を追い出して良いんですか」
強い口調で問いかけると、お父様が答える。
「ゼッシュがいればお前など必要ない。ゼッシュを苦しめたショックで家出をしたとでも言っておいてやる」
どう考えても普通の人なら私を手放すことは考えないと思う。この人たちと話をしても無駄ね。……僻地か。人が住んでいない地域ということはわかるけれど、せめて暮らす家くらいは用意してくれるのかしら。
ため息を吐いた時、背後から声がかかる。
「面白い話をしているな。僕も混ぜてくれ」
この場にいた全員がその声に驚き、一斉に声のした方向に振り返った。
994
あなたにおすすめの小説
【完結】欲をかいて婚約破棄した結果、自滅した愚かな婚約者様の話、聞きます?
水月 潮
恋愛
ルシア・ローレル伯爵令嬢はある日、婚約者であるイアン・バルデ伯爵令息から婚約破棄を突きつけられる。
正直に言うとローレル伯爵家にとっては特に旨みのない婚約で、ルシアは父親からも嫌になったら婚約は解消しても良いと言われていた為、それをあっさり承諾する。
その1ヶ月後。
ルシアの母の実家のシャンタル公爵家にて次期公爵家当主就任のお披露目パーティーが主催される。
ルシアは家族と共に出席したが、ルシアが夢にも思わなかったとんでもない出来事が起きる。
※設定は緩いので、物語としてお楽しみ頂けたらと思います
*HOTランキング10位(2021.5.29)
読んで下さった読者の皆様に感謝*.*
HOTランキング1位(2021.5.31)
やめてくれないか?ですって?それは私のセリフです。
あおくん
恋愛
公爵令嬢のエリザベートはとても優秀な女性だった。
そして彼女の婚約者も真面目な性格の王子だった。だけど王子の初めての恋に2人の関係は崩れ去る。
貴族意識高めの主人公による、詰問ストーリーです。
設定に関しては、ゆるゆる設定でふわっと進みます。
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。
ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。
屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。
家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
(完結)伯爵家嫡男様、あなたの相手はお姉様ではなく私です
青空一夏
恋愛
私はティベリア・ウォーク。ウォーク公爵家の次女で、私にはすごい美貌のお姉様がいる。妖艶な体つきに色っぽくて綺麗な顔立ち。髪は淡いピンクで瞳は鮮やかなグリーン。
目の覚めるようなお姉様の容姿に比べて私の身体は小柄で華奢だ。髪も瞳もありふれたブラウンだし、鼻の頭にはそばかすがたくさん。それでも絵を描くことだけは大好きで、家族は私の絵の才能をとても高く評価してくれていた。
私とお姉様は少しも似ていないけれど仲良しだし、私はお姉様が大好きなの。
ある日、お姉様よりも早く私に婚約者ができた。相手はエルズバー伯爵家を継ぐ予定の嫡男ワイアット様。初めての顔あわせの時のこと。初めは好印象だったワイアット様だけれど、お姉様が途中で同席したらお姉様の顔ばかりをチラチラ見てお姉様にばかり話しかける。まるで私が見えなくなってしまったみたい。
あなたの婚約相手は私なんですけど? 不安になるのを堪えて我慢していたわ。でも、お姉様も曖昧な態度をとり続けて少しもワイアット様を注意してくださらない。
(お姉様は味方だと思っていたのに。もしかしたら敵なの? なぜワイアット様を注意してくれないの? お母様もお父様もどうして笑っているの?)
途中、タグの変更や追加の可能性があります。ファンタジーラブコメディー。
※異世界の物語です。ゆるふわ設定。ご都合主義です。この小説独自の解釈でのファンタジー世界の生き物が出てくる場合があります。他の小説とは異なった性質をもっている場合がありますのでご了承くださいませ。
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる