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3.5 自己評価が高すぎる令嬢の胸の内 (ポメラ視点)
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ゼッシュ様ったら本当に余計なことをしてくれたわ! アビーの親友だと言うだけで皆がちやほやしてくれたのに、これじゃあ意味がないじゃない!
「ゼッシュ様ったら酷い! アビーとポメラは親友なんですよ!? 仲の良い友人二人の仲を引き裂くなんて許せません!」
ポメラが責めると、ゼッシュ様は近寄って来て訴える。
「そんなことを言わないでくれよ。アビゲイルがしっかりしていないから、シドロフェス殿下は君のことを好きになったんだ。ただでさえ癒しの力がまともに使えなくて役立たずなんだ。あれくらい言ってもいいだろう」
「言うのと他国に渡しちゃうのは違います!」
「僕がいればアビゲイルは必要ない! それよりもどういうことなんだ!? ポメラは僕を好きでいてくれたんだろ!?」
「好きですよ! ゼッシュ様もシドロフェス殿下も好きです!」
「そ、そんな問題じゃないんだよ! 君は僕の恋人じゃないか! 二股をかけていたって言うのか!?」
ゼッシュ様は涙目でポメラを見つめる。
ほんと困るわあ。この人、癒しの力がなければ本当に泣き虫で便りのない男なのよね。まあ、ちょっと容姿が人より良いからまだマシなんだけど! ゼッシュ様のことは癒しの力を持っているから相手をしてあげているだけなのに、自分のことを愛してくれていると思い込んでいるのが困るわあ。
って、ふふっ!
ポメラがそうなるようにしたんだけどね! ポメラってば本当に悪い子! だけどポメラは悪くないわ! ポメラを好きになるかならないかを決めるのはポメラじゃないもの! この調子で、サーキス殿下を誘惑するのも有りかも! そうしたら、アビーは私と一緒にいられるものね。
「ポメラ、聞いているのか!?」
「聞いてますよ! でもね、ゼッシュ様。ポメラにも選ぶ権利はあるんです」
「ど、どういうことだよ」
「恋人がいても他の人を好きになっちゃいけないなんて法律はないんですよ! それに、国王陛下にお許しいただけたら、ポメラはゼッシュ様とシドロフェス殿下とも結婚出来ちゃいます! だから心配せずに国王陛下にお願いしてくださいね!」
「待ってくれポメラ。僕は……っ」
ゼッシュ様が何か言おうとしていたけれど、ポメラはシドロフェス殿下の腕を取って言う。
「ゼッシュ様がうるさいのでポメラは戻ります。シドロフェス殿下はアビーがいないから寂しいですよね。でも、それってゼッシュ様のせいですよ? あ、元はと言えば、ゼッシュ様のお母様が追い出すとか言うから悪いんですよねー」
笑ってゼッシュ様のお母様を見ると、忌々しそうな顔をしてポメラを睨んできた。昔は美人だったらしいけれど、やっぱりおばさんは駄目ね。ポメラのほうが可愛い!
「やだ、怖い! シドロフェス殿下、助けてください!」
「ポメラを怖がらせる奴は許さないぞ!」
シドロフェス殿下が一喝すると、ゼッシュ様のお母様はポメラから視線を逸らして、ゼッシュ様に話しかける。
「ゼッシュ、とにかく今日はお暇させていただきましょう。アビゲイルの話をブツノ王国の国王陛下にお話ししなければなりませんからね」
「ああ、くそ! こんなことになるなんて、どう話せば良いのか……」
この時、ゼッシュ様のお父様は頭を抱えていた。
どうしてそんなに暗いのかしら。ゼッシュ様が国王陛下にお願いしたら、何でも聞いてくれるはずなのに。
ポメラの考えが間違っていたことに気が付くのは、ブツノ王国に戻り、国王陛下に謁見した時のことだった。
「ゼッシュ様ったら酷い! アビーとポメラは親友なんですよ!? 仲の良い友人二人の仲を引き裂くなんて許せません!」
ポメラが責めると、ゼッシュ様は近寄って来て訴える。
「そんなことを言わないでくれよ。アビゲイルがしっかりしていないから、シドロフェス殿下は君のことを好きになったんだ。ただでさえ癒しの力がまともに使えなくて役立たずなんだ。あれくらい言ってもいいだろう」
「言うのと他国に渡しちゃうのは違います!」
「僕がいればアビゲイルは必要ない! それよりもどういうことなんだ!? ポメラは僕を好きでいてくれたんだろ!?」
「好きですよ! ゼッシュ様もシドロフェス殿下も好きです!」
「そ、そんな問題じゃないんだよ! 君は僕の恋人じゃないか! 二股をかけていたって言うのか!?」
ゼッシュ様は涙目でポメラを見つめる。
ほんと困るわあ。この人、癒しの力がなければ本当に泣き虫で便りのない男なのよね。まあ、ちょっと容姿が人より良いからまだマシなんだけど! ゼッシュ様のことは癒しの力を持っているから相手をしてあげているだけなのに、自分のことを愛してくれていると思い込んでいるのが困るわあ。
って、ふふっ!
ポメラがそうなるようにしたんだけどね! ポメラってば本当に悪い子! だけどポメラは悪くないわ! ポメラを好きになるかならないかを決めるのはポメラじゃないもの! この調子で、サーキス殿下を誘惑するのも有りかも! そうしたら、アビーは私と一緒にいられるものね。
「ポメラ、聞いているのか!?」
「聞いてますよ! でもね、ゼッシュ様。ポメラにも選ぶ権利はあるんです」
「ど、どういうことだよ」
「恋人がいても他の人を好きになっちゃいけないなんて法律はないんですよ! それに、国王陛下にお許しいただけたら、ポメラはゼッシュ様とシドロフェス殿下とも結婚出来ちゃいます! だから心配せずに国王陛下にお願いしてくださいね!」
「待ってくれポメラ。僕は……っ」
ゼッシュ様が何か言おうとしていたけれど、ポメラはシドロフェス殿下の腕を取って言う。
「ゼッシュ様がうるさいのでポメラは戻ります。シドロフェス殿下はアビーがいないから寂しいですよね。でも、それってゼッシュ様のせいですよ? あ、元はと言えば、ゼッシュ様のお母様が追い出すとか言うから悪いんですよねー」
笑ってゼッシュ様のお母様を見ると、忌々しそうな顔をしてポメラを睨んできた。昔は美人だったらしいけれど、やっぱりおばさんは駄目ね。ポメラのほうが可愛い!
「やだ、怖い! シドロフェス殿下、助けてください!」
「ポメラを怖がらせる奴は許さないぞ!」
シドロフェス殿下が一喝すると、ゼッシュ様のお母様はポメラから視線を逸らして、ゼッシュ様に話しかける。
「ゼッシュ、とにかく今日はお暇させていただきましょう。アビゲイルの話をブツノ王国の国王陛下にお話ししなければなりませんからね」
「ああ、くそ! こんなことになるなんて、どう話せば良いのか……」
この時、ゼッシュ様のお父様は頭を抱えていた。
どうしてそんなに暗いのかしら。ゼッシュ様が国王陛下にお願いしたら、何でも聞いてくれるはずなのに。
ポメラの考えが間違っていたことに気が付くのは、ブツノ王国に戻り、国王陛下に謁見した時のことだった。
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