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5 落ちこぼれ令嬢、自分の力を知る ①
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サーキス殿下には年子の妹がいて、名をジルラナと言う。ジルラナ殿下の体形が私と変わらないため、寝間着や普段着のドレスなどは全て新品のものを用意してもらえた。ジルラナ殿下が何らかの理由でドレスなどを汚すことがあっても、すぐに着替えができるように予備が用意されているらしい。
普通の貴族もそんなものかもしれないけれど、私の場合はそこまで買い与えてもらえなかったから、人のものをもらうことは申し訳なく感じた。しかも、オブラン王国に迎えられて初めての夜なのだから、興奮してしまい、ほとんど眠ることはできなかった。
「おはよう、アビゲイル!」
次の日の朝、メイドに手伝ってもらいながら身支度を整えていると、ジルラナ殿下が部屋にやって来た。
「ジルラナ殿下、おはようございます」
カーテシーをすると、ジルラナ殿下は不満そうな顔をする。
「顔色が良くないわ。あまりよく眠れていないようですわね。ベッドをもっと良いものに変更してもらいましょう!」
「い、いえ! 心地良いベッドでしたので変更してもらわなくても結構です! お気持ちだけいただいておきます」
「遠慮しなくても良いんですのよ?」
「眠れなかったのは、オブラン王国の方に受け入れてもらえたことが嬉しかったからです。ジルラナ殿下にも本当に感謝しています」
「そうなの? それなら良いのですけれど、もし、あなたに嫌なことを言ってくる人がいたら、いつでも言ってくださいね!」
ジルラナ殿下は十七歳の私よりも一つ年上なのだが、童顔で声も可愛らしく十五歳くらいにしか見えない。ダークブラウンの長くてゆるやかなウェーブのかかった髪に透き通るような白い肌。ダークパープルの瞳の大きな目。ポメラと同じく男性の庇護欲をかき立てるような見た目だけれど、ポメラに感じるような嫌悪感はまったくない。
「ありがとうございます。あまりにも酷い場合は相談させていただきます」
「遠慮なく言ってくださいませね」
私にそう念押しすると、ジルラナ殿下は話題を変える。
「一緒に朝食をとりましょう! それから」
そこまで言い終えたところで、ジルラナ殿下が突然咳き込み始めた。
「ど、どうかされましたか!?」
「ご……っ、げほっ……、ごめ……」
咳が止まらないようで、ジルラナ殿下はその場に座り込んでしまう。むせただけなのか病気なのかは分からない。病弱だという話も聞いたことがないので焦ってしまう。
「ジルラナ殿下! 興奮なさるからです!」
「ご、ごめ……っ」
ゲホゲホと咳き込むジルラナ殿下を侍女らしき女性が介抱しはじめた。咳は中々おさまらず、結局、朝食を一緒にとることはできなくなり、ジルラナ殿下は部屋に帰っていった。
朝食が部屋に運ばれたところで、昨日から私に付いてくれているメイドのティーシャに話しかける。
「ジルラナ殿下は大丈夫かしら。どこかお体が悪いの?」
「薬を飲めば咳は止まるのですが、ここ最近、城の庭で飼育している薬草の育ちが悪くて薬が手に入らないのです」
「そうだったのね。その薬草や薬を他国から輸入することはできないの?」
「オブラン王国のみでしか栽培されていないのです。挿し木をしたり、種を他の国に販売したり譲渡することは禁止されておりまして、薬草や種の転売が見つかった場合、悪質な場合は処刑されます」
詳しい話を聞いてみると、その薬草の名前はリブランと言い、薬になっているものは国外に出しても良いけれど、そうでないものは持ち出し厳禁なのだそうだ。
リブランは咳止め薬になるらしく、気管支炎などの時に飲むと驚くくらいにぴたりと咳が止まるらしい。リブランは王家が管理していて、国民には無償で譲るため転売も多く見られるそうだが、他国の国民から得る利益で国内が潤うのは悪いことでもないとして、そこまで厳しく取り締まっていないらしい。
ちなみに、リブランで作られた咳止め薬以外の転売は国内外でも禁止されている。
「もしよろしれば、お食事後に見に行ってみますか?」
「私が見に行っても良いの?」
「もちろんでございます。プライベートなお部屋でない限り、アビゲイル様は城内を自由に出入りできることになっています」
ティーシャに促され、私は朝食後にリブランという薬草を見に行くことになった。リブランは複数のビニールハウスの中で栽培されており、関係者以外が入れないように鍵がかけられていた。
「水やりの管理だけすれば育ちやすい植物なのですが、虫がついてしまったせいで育ちにくくなってしまったんです」
リブランは二十センチくらいの高さの枝がある草で、黄色の5枚の花弁を持つ花が咲いてはいるけれど、どこか元気がなく、葉はぐったりとしているように見える。
担当者に確認を取ってから触らせてもらうと、葉の裏に白くて小さなものがびっしりと付いているのがわかった。ダンゴムシをかなり小さくした見た目で、動いている様子はない。
「……これはカイガラムシ?」
「ご存じなのですね! そうなんです。気がついた時には大量発生していまして、駆除剤をまいたりこそぎ落としたりしてはいるのですが、いたちごっこなんです。そうしている内に栄養を奪われてしまったようで……」
「虫も生きるために必死なんでしょうけれど、これは困りますね」
私が言うと、担当者の人は暗い表情で頷いた。
カイガラムシは名前の通り、カイガラの様に硬い殻で覆われていて駆除剤が効きにくい上に、カイガラムシに合う駆除剤が必要だ。
「アビゲイル様は植物にお詳しいのですか?」
「詳しいというか、乳母から教えてもらったの」
もう亡くなってしまったけれど、乳母は園芸が好きな人で私に色々と教えてくれたのだ。
すでに虫を駆除済みのリブランを見せてもらうと、栄養剤をあげても無駄のようで葉が茶色くなっている。枯れているとはいかないまでも、明らかに病気にかかって弱っていることがわかった。
「可哀想に」
身を屈めて茶色くなってしまった葉先に触れると、突然、垂れていた花が顔を上げ、茶色くなっていた葉は緑に変わり、まるで背筋を伸ばしたかのようにしゃっきりした。
「ど、どういうこと?」
振り返って担当者に尋ねると、目を輝かせて叫ぶ。
「す、すすす、すす、すごいです! リ、リブ、リブ、リブランが元気になっています!」
興奮して飛び跳ねる担当者に呆気に取られていると、ティーシャが真剣な表情で言う。
「アビゲイル様、よろしければ、他の植物にも触れていただけませんか」
促されるまま隣に植えられていたリブランに触れると、同じように元気を取り戻したのだった。
※
リブランという植物は想像のものです。
普通の貴族もそんなものかもしれないけれど、私の場合はそこまで買い与えてもらえなかったから、人のものをもらうことは申し訳なく感じた。しかも、オブラン王国に迎えられて初めての夜なのだから、興奮してしまい、ほとんど眠ることはできなかった。
「おはよう、アビゲイル!」
次の日の朝、メイドに手伝ってもらいながら身支度を整えていると、ジルラナ殿下が部屋にやって来た。
「ジルラナ殿下、おはようございます」
カーテシーをすると、ジルラナ殿下は不満そうな顔をする。
「顔色が良くないわ。あまりよく眠れていないようですわね。ベッドをもっと良いものに変更してもらいましょう!」
「い、いえ! 心地良いベッドでしたので変更してもらわなくても結構です! お気持ちだけいただいておきます」
「遠慮しなくても良いんですのよ?」
「眠れなかったのは、オブラン王国の方に受け入れてもらえたことが嬉しかったからです。ジルラナ殿下にも本当に感謝しています」
「そうなの? それなら良いのですけれど、もし、あなたに嫌なことを言ってくる人がいたら、いつでも言ってくださいね!」
ジルラナ殿下は十七歳の私よりも一つ年上なのだが、童顔で声も可愛らしく十五歳くらいにしか見えない。ダークブラウンの長くてゆるやかなウェーブのかかった髪に透き通るような白い肌。ダークパープルの瞳の大きな目。ポメラと同じく男性の庇護欲をかき立てるような見た目だけれど、ポメラに感じるような嫌悪感はまったくない。
「ありがとうございます。あまりにも酷い場合は相談させていただきます」
「遠慮なく言ってくださいませね」
私にそう念押しすると、ジルラナ殿下は話題を変える。
「一緒に朝食をとりましょう! それから」
そこまで言い終えたところで、ジルラナ殿下が突然咳き込み始めた。
「ど、どうかされましたか!?」
「ご……っ、げほっ……、ごめ……」
咳が止まらないようで、ジルラナ殿下はその場に座り込んでしまう。むせただけなのか病気なのかは分からない。病弱だという話も聞いたことがないので焦ってしまう。
「ジルラナ殿下! 興奮なさるからです!」
「ご、ごめ……っ」
ゲホゲホと咳き込むジルラナ殿下を侍女らしき女性が介抱しはじめた。咳は中々おさまらず、結局、朝食を一緒にとることはできなくなり、ジルラナ殿下は部屋に帰っていった。
朝食が部屋に運ばれたところで、昨日から私に付いてくれているメイドのティーシャに話しかける。
「ジルラナ殿下は大丈夫かしら。どこかお体が悪いの?」
「薬を飲めば咳は止まるのですが、ここ最近、城の庭で飼育している薬草の育ちが悪くて薬が手に入らないのです」
「そうだったのね。その薬草や薬を他国から輸入することはできないの?」
「オブラン王国のみでしか栽培されていないのです。挿し木をしたり、種を他の国に販売したり譲渡することは禁止されておりまして、薬草や種の転売が見つかった場合、悪質な場合は処刑されます」
詳しい話を聞いてみると、その薬草の名前はリブランと言い、薬になっているものは国外に出しても良いけれど、そうでないものは持ち出し厳禁なのだそうだ。
リブランは咳止め薬になるらしく、気管支炎などの時に飲むと驚くくらいにぴたりと咳が止まるらしい。リブランは王家が管理していて、国民には無償で譲るため転売も多く見られるそうだが、他国の国民から得る利益で国内が潤うのは悪いことでもないとして、そこまで厳しく取り締まっていないらしい。
ちなみに、リブランで作られた咳止め薬以外の転売は国内外でも禁止されている。
「もしよろしれば、お食事後に見に行ってみますか?」
「私が見に行っても良いの?」
「もちろんでございます。プライベートなお部屋でない限り、アビゲイル様は城内を自由に出入りできることになっています」
ティーシャに促され、私は朝食後にリブランという薬草を見に行くことになった。リブランは複数のビニールハウスの中で栽培されており、関係者以外が入れないように鍵がかけられていた。
「水やりの管理だけすれば育ちやすい植物なのですが、虫がついてしまったせいで育ちにくくなってしまったんです」
リブランは二十センチくらいの高さの枝がある草で、黄色の5枚の花弁を持つ花が咲いてはいるけれど、どこか元気がなく、葉はぐったりとしているように見える。
担当者に確認を取ってから触らせてもらうと、葉の裏に白くて小さなものがびっしりと付いているのがわかった。ダンゴムシをかなり小さくした見た目で、動いている様子はない。
「……これはカイガラムシ?」
「ご存じなのですね! そうなんです。気がついた時には大量発生していまして、駆除剤をまいたりこそぎ落としたりしてはいるのですが、いたちごっこなんです。そうしている内に栄養を奪われてしまったようで……」
「虫も生きるために必死なんでしょうけれど、これは困りますね」
私が言うと、担当者の人は暗い表情で頷いた。
カイガラムシは名前の通り、カイガラの様に硬い殻で覆われていて駆除剤が効きにくい上に、カイガラムシに合う駆除剤が必要だ。
「アビゲイル様は植物にお詳しいのですか?」
「詳しいというか、乳母から教えてもらったの」
もう亡くなってしまったけれど、乳母は園芸が好きな人で私に色々と教えてくれたのだ。
すでに虫を駆除済みのリブランを見せてもらうと、栄養剤をあげても無駄のようで葉が茶色くなっている。枯れているとはいかないまでも、明らかに病気にかかって弱っていることがわかった。
「可哀想に」
身を屈めて茶色くなってしまった葉先に触れると、突然、垂れていた花が顔を上げ、茶色くなっていた葉は緑に変わり、まるで背筋を伸ばしたかのようにしゃっきりした。
「ど、どういうこと?」
振り返って担当者に尋ねると、目を輝かせて叫ぶ。
「す、すすす、すす、すごいです! リ、リブ、リブ、リブランが元気になっています!」
興奮して飛び跳ねる担当者に呆気に取られていると、ティーシャが真剣な表情で言う。
「アビゲイル様、よろしければ、他の植物にも触れていただけませんか」
促されるまま隣に植えられていたリブランに触れると、同じように元気を取り戻したのだった。
※
リブランという植物は想像のものです。
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