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8 落ちこぼれ令嬢は兄を許さない
シドロフェス殿下からの手紙の内容も酷いものだったけれど、その後に来たゼッシュからの手紙の内容も酷かった。
「ゼッシュ氏からの手紙には何が書いてあったの?」
なぜかサーキス殿下が手紙を届けてくれたので、その場で開けて読んでみたところ、私の顔がしかめっ面になったので内容が気になったらしい。立ち話も何なので、部屋の中に入ってもらって話をする。
「ブツノ王国には複数の有名な庭園があるんですけれど、その中の一つがとても人気なんです。一時期は人であふれ返ってしまい、立ち入り禁止エリアに入る人や、花を荒らす人がいて予約制になったんです」
昔は平民も自由に出入りできていたため、一部の子供が立ち入り禁止エリアに入って走り回って踏み荒らしたり、咲いている花を摘み取ったりしたらしい。注意をしても次から次へと、そのような子供が新たに現れるため、高い入園料を取るようになり、最終的には予約制になったのだ。
マナーを守って利用していた平民にしてみれば、とばっちりのようなものなので反感もあったけれど、植物を育てるにもお金はかかるので、今は有料、予約制が浸透している。
「子供が走り回るのは仕方がないと言えば仕方がないし、注意をしない親が一番駄目だよね」
「子供がやったことなので許せと逆切れしたそうですよ。庭園の管理側も子供のやったことだということはわかっていますし、子供の親の対応に腹を立てたのかもしれませんね」
貴族の場合は子供の躾ができていなければ、親の品位が疑われてしまう。高位貴族でなくとも平民とは違い、貴族には自分の代わりに子育てをしてくれる人がいるからだ。
話がズレてしまったので戻すことにする。
「ゼッシュはその庭園にポメラと行くつもりだったみたいですが、花の一部が病気になってしまい行けなくなったみたいです。だから、植物を癒やせると言うのであれば、私に癒やしに来いとのことでした」
「どうするつもり?」
「断ります」
私は迷うことなく答えた。
ゼッシュからの手紙は人に頼んでいる文章ではなかった。最初から頼まれても断るつもりだったけれど偉そうにされていたら、余計に断りたくなる。
「確認してみたところ、ブツノ王国以外でも栽培されている花で絶滅危惧種などではありません。一応、庭園側には連絡を入れて、どのような状況かは確認しますが、ゼッシュには断りの連絡を入れます」
「そうだね。庭園の手入れをしている人間が助けを求めてきたら別だけど、ゼッシュ氏の場合は自分が婚約者と庭園に行きたいだけだからね」
庭園側がどうしてもという場合は考えなければならないのかもしれないが、他の国からも助けてほしいと言う連絡は来ているから、そちらを優先する。
まずはゼッシュが植物に癒しの力を使えるのか、それを試してもらうことにしましょうか。挑戦する前から助けを求めるなんて都合が良すぎるもの。
「そういえば、シドロフェス殿下はなんて言ってきていたの?」
「……再婚約したいなんて馬鹿なことを言ってきているのですが、ブツノ王国の国王陛下の命令でしょうか」
質問に質問で返すと、サーキス殿下は苦笑する。
「さすがにブツノ王国の国王陛下の命令ではないんじゃないかな。そこまで馬鹿な人ではないと思う」
「さすがにそうですよね」
というか、シドロフェスの勝手な判断であってほしいとも思う。
「僕とジルラナは父上から君のサポートに回るように言われているんだ。女性にしか話しにくいことならジルラナに。それ以外に何かあればいつでも遠慮なく僕に相談してほしい」
「ありがとうございます」
今でさえ本当に助けてもらっているのに、これ以上頼るなんて、とも思うけれど、ここは素直にお言葉に甘えることにした。
「では、早速お願いしたいことがあるのですが……」
その後はシドロフェス殿下に再婚約はお断りすること。ゼッシュには自分で花を癒すようにと、私からではなく、オブラン王国の王家側から連絡を入れるようにしてもらったのだった。
「ゼッシュ氏からの手紙には何が書いてあったの?」
なぜかサーキス殿下が手紙を届けてくれたので、その場で開けて読んでみたところ、私の顔がしかめっ面になったので内容が気になったらしい。立ち話も何なので、部屋の中に入ってもらって話をする。
「ブツノ王国には複数の有名な庭園があるんですけれど、その中の一つがとても人気なんです。一時期は人であふれ返ってしまい、立ち入り禁止エリアに入る人や、花を荒らす人がいて予約制になったんです」
昔は平民も自由に出入りできていたため、一部の子供が立ち入り禁止エリアに入って走り回って踏み荒らしたり、咲いている花を摘み取ったりしたらしい。注意をしても次から次へと、そのような子供が新たに現れるため、高い入園料を取るようになり、最終的には予約制になったのだ。
マナーを守って利用していた平民にしてみれば、とばっちりのようなものなので反感もあったけれど、植物を育てるにもお金はかかるので、今は有料、予約制が浸透している。
「子供が走り回るのは仕方がないと言えば仕方がないし、注意をしない親が一番駄目だよね」
「子供がやったことなので許せと逆切れしたそうですよ。庭園の管理側も子供のやったことだということはわかっていますし、子供の親の対応に腹を立てたのかもしれませんね」
貴族の場合は子供の躾ができていなければ、親の品位が疑われてしまう。高位貴族でなくとも平民とは違い、貴族には自分の代わりに子育てをしてくれる人がいるからだ。
話がズレてしまったので戻すことにする。
「ゼッシュはその庭園にポメラと行くつもりだったみたいですが、花の一部が病気になってしまい行けなくなったみたいです。だから、植物を癒やせると言うのであれば、私に癒やしに来いとのことでした」
「どうするつもり?」
「断ります」
私は迷うことなく答えた。
ゼッシュからの手紙は人に頼んでいる文章ではなかった。最初から頼まれても断るつもりだったけれど偉そうにされていたら、余計に断りたくなる。
「確認してみたところ、ブツノ王国以外でも栽培されている花で絶滅危惧種などではありません。一応、庭園側には連絡を入れて、どのような状況かは確認しますが、ゼッシュには断りの連絡を入れます」
「そうだね。庭園の手入れをしている人間が助けを求めてきたら別だけど、ゼッシュ氏の場合は自分が婚約者と庭園に行きたいだけだからね」
庭園側がどうしてもという場合は考えなければならないのかもしれないが、他の国からも助けてほしいと言う連絡は来ているから、そちらを優先する。
まずはゼッシュが植物に癒しの力を使えるのか、それを試してもらうことにしましょうか。挑戦する前から助けを求めるなんて都合が良すぎるもの。
「そういえば、シドロフェス殿下はなんて言ってきていたの?」
「……再婚約したいなんて馬鹿なことを言ってきているのですが、ブツノ王国の国王陛下の命令でしょうか」
質問に質問で返すと、サーキス殿下は苦笑する。
「さすがにブツノ王国の国王陛下の命令ではないんじゃないかな。そこまで馬鹿な人ではないと思う」
「さすがにそうですよね」
というか、シドロフェスの勝手な判断であってほしいとも思う。
「僕とジルラナは父上から君のサポートに回るように言われているんだ。女性にしか話しにくいことならジルラナに。それ以外に何かあればいつでも遠慮なく僕に相談してほしい」
「ありがとうございます」
今でさえ本当に助けてもらっているのに、これ以上頼るなんて、とも思うけれど、ここは素直にお言葉に甘えることにした。
「では、早速お願いしたいことがあるのですが……」
その後はシドロフェス殿下に再婚約はお断りすること。ゼッシュには自分で花を癒すようにと、私からではなく、オブラン王国の王家側から連絡を入れるようにしてもらったのだった。
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