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13 何をふざけた事を言っているのでしょうか?
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ケイン様は半信半疑でしたが、私の言う事を聞いてくださり、その日の内に髪をばっさり切られて、長髪のイケメンさんから、短髪のイケメンさんに変わられました。
ちなみにイケメンという言葉はミリー様に教えていただきました。
平民の間では普通に使う言葉らしく、平民のお友達が多いミリー様はよく使われるそうです。
「ケインに髪を切るように提案したのはリノアらしいな」
その日の晩、外出から戻られたラルフ様と一緒に夕食をとっていると、そう話しかけられました。
「そうなのです。余計なお世話かもしれませんでしたが、とても素敵だと思いませんか? もちろん、長い髪の時も素敵でしたが」
「…まあ、そうかもしれないな」
「どうかされましたか?」
ラルフ様が眉間にシワを寄せられたので、気になって聞いてみると、不機嫌そうな表情のまま言われます。
「リノアはケインの様な男が好みだったのか?」
「…何を仰ってるんですか」
もしかして、ケイン様に嫉妬していらっしゃる?
ケイン様がミリー様にしか興味がない事を一番よくわかっていらっしゃるはずですのに。
しかも、ケイン様はミリー様に告白する事を、先程、私達の前で宣言なさったばかりなのです。
「私がケイン様のような方が好みだと言ったら、どうなさるおつもりです?」
「どうにも出来ないかもしれないが、そうなる努力はする」
努力ってなんなのでしょう?
わからないですが、ラルフ様が可愛らしく思えて笑ってしまいます。
きっと、こういう話を好きでもない方にされても、なんとも思わないんでしょうけど…。
って、んん?
私、やっぱり、ラルフ様の事が好きなんですかね?
もちろん、このままですと結婚しないといけないのは確実です。
ですから、好きになった方が良いといえば良いのでしょうけれど、そうなってしまうと、私はラルフ様に甘くなってしまうのでは?
ラルフ様が暴走した場合、止められるのは私だけですのに!
「どうかしたのか?」
何も言わずに首を横に振ったり、縦に振ったりしていたからでしょうか、ラルフ様が心配げに私を見つめながら聞いてこられます。
「そ、そういえば、メイド達はどうされるのですか?」
「少し考えている。アンジェがやりすぎたのか、その辺はわからないが精神が壊れてしまって、話す事も出来ない」
「…そ、そうなのですか」
どんな幻覚を見せられたのでしょう。
怖い夢を見るだけでも恐ろしいのに、幻覚となりますとまた違ってくるでしょうから…。
突然、ラルフ様が顔を扉の方向に向けられました。
「どうかされたのですか?」
ラルフ様に尋ねると、スープをすくっていたスプーンをそのまま皿に戻すと、大きく息を吐いてから答えて下さいます。
「こんな時間に非常識だな」
「え?」
「来客だ」
ラルフ様が答えてくださってから少しして、廊下を誰かが走ってくる足音が聞こえました。
そして、すぐにダイニングルームの扉が叩かれ、ラルフ様の執事から来客が告げられました。
「トーディ嬢が来られていますが、どうされますか?」
「どうもこうもない。こんな時間にやって来るなんて、明らかに泊まるつもりで来ているだろう」
クラーク邸は人が多く住んでいる場所から離れた位置にあり、周りは森に囲まれています。
ですから、夜道はとても危険なのです。
「そうですわね。この時間にお帰りいただくのは御者の方が気の毒です。それに、パメル様は何をしに来られたのでしょう?」
「俺に用事なのか? それとも母上にか?」
「あ、いえ、その」
なぜか執事は言いにくそうにしたと思ったら、私の方を見ました。
「ま、まさか私に用事だと仰っているのですか?」
「トーディ嬢はリノア様にお会いしたいと仰られております」
「…そうですか。ですが、こんな時間です。緊急の用事以外はお会いしたくありません。お手数ですが、泊まる場所だけ用意していただき、そちらに案内願えますか」
なんの連絡もなしにやって来た上に、時間が時間です。
この国ではよっぽどの急用や夜会でもない限り、夕刻を過ぎた後に人様のお家を訪ねるのはマナー違反にあたります。
ですから、パメル様が私に急用なんてありえないので、確実にマナー違反です。
「かしこまりました。もし、トーディ嬢が急用だと申された場合はいかがいたしましょう?」
「そうなった場合は用件だけ聞いていただけますか。もし、私でなければ話さないとおっしゃるなら、それで結構です。お部屋にだけ案内してあげて下さい」
「本邸には入れるな。ウロウロされたらかなわん。わざわざ、彼女の為に人手を割くのももったいない」
「かしこまりました」
執事は深々と頭を下げて出ていくと、扉を閉めました。
「一体、なんの用事だと思います?」
「さあな。どうせくだらない話だろう」
「なら、明日になっても話したくないのです」
結局、パメル様は私に直接話をしたいという事で、何の用かわからないまま、次の日を迎えました。
朝食を食べてから、パメル様にお会いしようと思っていたのですが、その前にあちらから呼び出しを受けてしまいました。
「俺も一緒に行こうか?」
「大丈夫です。話をするだけですから」
パメル様は私を出せと、エントランスホールで叫んでいるらしく、他の方の迷惑にもなりますので、ラルフ様と軽く会話を交わしたあと、しょうがなく私が姿を見せると、パメル様は叫ばれました。
「お願いします! ランドン辺境伯と結婚してあげて下さい!」
朝から何をふざけた事を言っているのでしょうか?
ちなみにイケメンという言葉はミリー様に教えていただきました。
平民の間では普通に使う言葉らしく、平民のお友達が多いミリー様はよく使われるそうです。
「ケインに髪を切るように提案したのはリノアらしいな」
その日の晩、外出から戻られたラルフ様と一緒に夕食をとっていると、そう話しかけられました。
「そうなのです。余計なお世話かもしれませんでしたが、とても素敵だと思いませんか? もちろん、長い髪の時も素敵でしたが」
「…まあ、そうかもしれないな」
「どうかされましたか?」
ラルフ様が眉間にシワを寄せられたので、気になって聞いてみると、不機嫌そうな表情のまま言われます。
「リノアはケインの様な男が好みだったのか?」
「…何を仰ってるんですか」
もしかして、ケイン様に嫉妬していらっしゃる?
ケイン様がミリー様にしか興味がない事を一番よくわかっていらっしゃるはずですのに。
しかも、ケイン様はミリー様に告白する事を、先程、私達の前で宣言なさったばかりなのです。
「私がケイン様のような方が好みだと言ったら、どうなさるおつもりです?」
「どうにも出来ないかもしれないが、そうなる努力はする」
努力ってなんなのでしょう?
わからないですが、ラルフ様が可愛らしく思えて笑ってしまいます。
きっと、こういう話を好きでもない方にされても、なんとも思わないんでしょうけど…。
って、んん?
私、やっぱり、ラルフ様の事が好きなんですかね?
もちろん、このままですと結婚しないといけないのは確実です。
ですから、好きになった方が良いといえば良いのでしょうけれど、そうなってしまうと、私はラルフ様に甘くなってしまうのでは?
ラルフ様が暴走した場合、止められるのは私だけですのに!
「どうかしたのか?」
何も言わずに首を横に振ったり、縦に振ったりしていたからでしょうか、ラルフ様が心配げに私を見つめながら聞いてこられます。
「そ、そういえば、メイド達はどうされるのですか?」
「少し考えている。アンジェがやりすぎたのか、その辺はわからないが精神が壊れてしまって、話す事も出来ない」
「…そ、そうなのですか」
どんな幻覚を見せられたのでしょう。
怖い夢を見るだけでも恐ろしいのに、幻覚となりますとまた違ってくるでしょうから…。
突然、ラルフ様が顔を扉の方向に向けられました。
「どうかされたのですか?」
ラルフ様に尋ねると、スープをすくっていたスプーンをそのまま皿に戻すと、大きく息を吐いてから答えて下さいます。
「こんな時間に非常識だな」
「え?」
「来客だ」
ラルフ様が答えてくださってから少しして、廊下を誰かが走ってくる足音が聞こえました。
そして、すぐにダイニングルームの扉が叩かれ、ラルフ様の執事から来客が告げられました。
「トーディ嬢が来られていますが、どうされますか?」
「どうもこうもない。こんな時間にやって来るなんて、明らかに泊まるつもりで来ているだろう」
クラーク邸は人が多く住んでいる場所から離れた位置にあり、周りは森に囲まれています。
ですから、夜道はとても危険なのです。
「そうですわね。この時間にお帰りいただくのは御者の方が気の毒です。それに、パメル様は何をしに来られたのでしょう?」
「俺に用事なのか? それとも母上にか?」
「あ、いえ、その」
なぜか執事は言いにくそうにしたと思ったら、私の方を見ました。
「ま、まさか私に用事だと仰っているのですか?」
「トーディ嬢はリノア様にお会いしたいと仰られております」
「…そうですか。ですが、こんな時間です。緊急の用事以外はお会いしたくありません。お手数ですが、泊まる場所だけ用意していただき、そちらに案内願えますか」
なんの連絡もなしにやって来た上に、時間が時間です。
この国ではよっぽどの急用や夜会でもない限り、夕刻を過ぎた後に人様のお家を訪ねるのはマナー違反にあたります。
ですから、パメル様が私に急用なんてありえないので、確実にマナー違反です。
「かしこまりました。もし、トーディ嬢が急用だと申された場合はいかがいたしましょう?」
「そうなった場合は用件だけ聞いていただけますか。もし、私でなければ話さないとおっしゃるなら、それで結構です。お部屋にだけ案内してあげて下さい」
「本邸には入れるな。ウロウロされたらかなわん。わざわざ、彼女の為に人手を割くのももったいない」
「かしこまりました」
執事は深々と頭を下げて出ていくと、扉を閉めました。
「一体、なんの用事だと思います?」
「さあな。どうせくだらない話だろう」
「なら、明日になっても話したくないのです」
結局、パメル様は私に直接話をしたいという事で、何の用かわからないまま、次の日を迎えました。
朝食を食べてから、パメル様にお会いしようと思っていたのですが、その前にあちらから呼び出しを受けてしまいました。
「俺も一緒に行こうか?」
「大丈夫です。話をするだけですから」
パメル様は私を出せと、エントランスホールで叫んでいるらしく、他の方の迷惑にもなりますので、ラルフ様と軽く会話を交わしたあと、しょうがなく私が姿を見せると、パメル様は叫ばれました。
「お願いします! ランドン辺境伯と結婚してあげて下さい!」
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