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26 可能性があるならお願いします
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それと同時に地上と地下をつなぐ階段を駆け下りてくる複数の足音が聞こえ、騎士の方が数人、狭い廊下にやって来られました。
「ラルフ! フレイを助けて頂戴!」
「フレイを助ける?」
ラルフ様はすがりつくカーミラ様を押しやってから、私の方を見られたので、苦しまれているフレイ様を指差す。
「刃に毒を塗っておられた様です。どんな毒を塗っておられたかはわかりませんが、魔法での解毒なら何にでも対応できるでしょう?」
「一体、何があった」
ラルフ様は私に問われましたが、ミリー様が代わりに答えてくれます。
「カーミラ様がリノア様をあのナイフで狙っておられたので、お守りしたまでは良かったんですが、ナイフを叩き落さなかったが為に、鉄格子の隙間に刃が入り、フレイ様の腕をかすめたんです」
ミリー様の言葉を聞いて、ダラス様が落ちていたナイフを拾われ、持っておられた白いハンカチを刃の部分に巻き付けました。
そんな話をしている内に、ケイン様の肩にかつがれて、アンジェ様が到着されました。
紺色の長い髪をポニーテールにしたアンジェ様は、折れそうなくらい細い体型をされていますが、表情はいつも明るくて元気溌剌なイメージで、この場の空気には似合わない今日も明るい感じです。
「ご飯を食べてたとこだったんですよ」
アンジェ様はケイン様に床におろされると、文句をいってから辺りを見回し、意識のないフレイ様を見て言います。
「あれ? どうしたんです? フレイ様、やばそうじゃないですか」
「お願い。フレイを助けて!」
「え~、どうしよっかな~」
「お願いよ! どうか、どうか!」
カーミラ様がアンジェ様のローブを引っ張りながら懇願します。
「えー、面倒くさいですね」
「アンジェ様、助けられる可能性があるならお願いします」
カーミラ様にはふざけたような態度をとられていましたが、私がお願いすると、アンジェ様は真剣な表情で頷いてくれます。
「リノア様のお願いでしたら協力しましょう。でも、もう手遅れかもしれませんよ?」
「出来る範囲でかまいません。お願いできませんか?」
「了解です!」
助けられるかもしれない命をわざと助けないという行為は、私達がしてしまうと、ただの人殺しの様に感じてしまうのです。
考える事は人によって違うとは思いますが、彼への罰を決めていいのは、本当に彼に辛い思いをさせられた令嬢だけだと、私は考えているから。
解毒魔法と回復魔法をフレイ様にかけて下さっているアンジェ様を見ていると、一気に気が抜けたのか、足の痛みがぶり返したのもあり、立っていられなくなって座り込みそうになったのをラルフ様が支えて下さりました。
「大丈夫か?」
「大丈夫なのです」
私を優しく抱きしめて下さったラルフ様の腕の中で、そんな状況ではないとわかっていながらも、カーミラ様の泣き叫ぶ声を少しでも聞こえないようにするため、耳をふさいで、私は目を閉じた。
「ラルフ! フレイを助けて頂戴!」
「フレイを助ける?」
ラルフ様はすがりつくカーミラ様を押しやってから、私の方を見られたので、苦しまれているフレイ様を指差す。
「刃に毒を塗っておられた様です。どんな毒を塗っておられたかはわかりませんが、魔法での解毒なら何にでも対応できるでしょう?」
「一体、何があった」
ラルフ様は私に問われましたが、ミリー様が代わりに答えてくれます。
「カーミラ様がリノア様をあのナイフで狙っておられたので、お守りしたまでは良かったんですが、ナイフを叩き落さなかったが為に、鉄格子の隙間に刃が入り、フレイ様の腕をかすめたんです」
ミリー様の言葉を聞いて、ダラス様が落ちていたナイフを拾われ、持っておられた白いハンカチを刃の部分に巻き付けました。
そんな話をしている内に、ケイン様の肩にかつがれて、アンジェ様が到着されました。
紺色の長い髪をポニーテールにしたアンジェ様は、折れそうなくらい細い体型をされていますが、表情はいつも明るくて元気溌剌なイメージで、この場の空気には似合わない今日も明るい感じです。
「ご飯を食べてたとこだったんですよ」
アンジェ様はケイン様に床におろされると、文句をいってから辺りを見回し、意識のないフレイ様を見て言います。
「あれ? どうしたんです? フレイ様、やばそうじゃないですか」
「お願い。フレイを助けて!」
「え~、どうしよっかな~」
「お願いよ! どうか、どうか!」
カーミラ様がアンジェ様のローブを引っ張りながら懇願します。
「えー、面倒くさいですね」
「アンジェ様、助けられる可能性があるならお願いします」
カーミラ様にはふざけたような態度をとられていましたが、私がお願いすると、アンジェ様は真剣な表情で頷いてくれます。
「リノア様のお願いでしたら協力しましょう。でも、もう手遅れかもしれませんよ?」
「出来る範囲でかまいません。お願いできませんか?」
「了解です!」
助けられるかもしれない命をわざと助けないという行為は、私達がしてしまうと、ただの人殺しの様に感じてしまうのです。
考える事は人によって違うとは思いますが、彼への罰を決めていいのは、本当に彼に辛い思いをさせられた令嬢だけだと、私は考えているから。
解毒魔法と回復魔法をフレイ様にかけて下さっているアンジェ様を見ていると、一気に気が抜けたのか、足の痛みがぶり返したのもあり、立っていられなくなって座り込みそうになったのをラルフ様が支えて下さりました。
「大丈夫か?」
「大丈夫なのです」
私を優しく抱きしめて下さったラルフ様の腕の中で、そんな状況ではないとわかっていながらも、カーミラ様の泣き叫ぶ声を少しでも聞こえないようにするため、耳をふさいで、私は目を閉じた。
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