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22 会いに行く事に致しましょう
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私が囮になってカーミラ様を罠にかけるという話をすると、ラルフ様は危険だと猛反対されました。
けれど、私にしてみれば、いつまでもカーミラ様とこんな状態を続けるわけにもいきません。
出来れば穏便に済ませて、私ののんびりライフを邪魔しない形に持っていきたいのですが、そう上手くはいかないのもわかっています。
ですが、どっちにしてもこのままでは一緒なのです。
「ご家族を罠にはめようとするのですから、不快な気持ちになられるのはよくわかりますが」
「そういう意味じゃない」
「このままでは、カーミラ様は逃げ回るだけです。私が直接対決した方が早いのです!」
「母が何をするかわからないんだぞ!?」
ラルフ様は少し怒っておられるようです。
気持ちはわかりますが、これ以上、彼女に踊らされる被害者を増やす訳にはいきません。
パメル様もある意味、被害者の様なものです。
私への態度は許し難いですが、カーミラ様にされた事は結婚詐欺の様なものです。
ラルフ様と結婚させてあげるといって、自分の言うことをきかせるくせに、かといって、結婚させる気は全くないのですから。
パメル様に関してもお父さまの方が動いて下さっていますし、彼女も重くはないでしょうけれど、多少の罰は科せられるはずです。
なのに、カーミラ様だけ安全圏にいるのが納得できません。
「このままではいつまでたっても解決しません。カーミラ様の狙いは私です。1人では無理ですが、ラルフ様達が協力して下さるならなんとかなると思うのです」
「もし」
「何でしょう?」
「手違いがあって、リノアが」
「死んでしまったり、とかですか?」
首を傾げて尋ねると、ラルフ様は軽く私を睨まれました。
「想像するだけで恐ろしいから口にしないでくれ」
「大丈夫ですよ、ラルフ様。私にはラルフ様や騎士の方々という味方がおります。楽観的かもしれません。無傷では済まないかもしれませんが、上手くいくと思うのです。いえ、上手くいくように致します!」
根拠のないポジティブ思考かもしれませんが、私はまどろっこしい事が嫌いなのです。
「このまま、何が起きるかわからないと心配しながら生きていくのは嫌なのです。ですから、お願いいたします」
「…どうせ駄目だと言ってもやるんだろう?」
「はい」
「なら、協力するしかない」
「ありがとうございます、ラルフ様」
怒っていらっしゃるのか、ラルフ様は私に背を向けられたままなので、お礼になるかはわかりませんが、後ろから抱きつくと、大きなため息を吐かれつつも、私の手を優しく握って下さいました。
そして、次の日から私はわざと一人になる時間を作る事にしました。
まず、誰かが聞いているかはわかりませんが、ソラとこんな会話をしました。
「もうずっと誰かに監視されている気がするのです。少しは一人になりたいのです」
「お部屋では一人じゃありませんか」
「外でゆっくりしたいのです」
「駄目です、危険です」
「この庭園の中のガゼボでゆっくりするくらいは良いじゃないですか。知らない方は勝手にこの敷地内には入ってこれないのですから安全です」
「…わかりましたよ。ですが、1日15分が限度です。いいですね? 本当は一人にするなんて絶対にしてはいけない事なんですから」
そうして、私は同じ時間、雨ではない日にだけ、毎日、庭園のガゼボに1人になる時間を作りました。
最初の方は緊張してしまい、本をめくる手が震えたり、カップを持つ手が震えたりで苦労はしましたが、何日か立つと、警戒心も薄れてきてしまいます。
だからこそ、自然な演技が出来る様になってきました。
そして、2週間ほどたった頃、やっと動きがありました。
「リノア様。お願いがございます!」
「どうかしましたか?」
顔見知り程度ではありますが、ラルフ様の屋敷で働いているメイドの1人が私に近寄ってきて、私の足元で跪いてから、1枚の手紙を手渡してきました。
手紙を読んでみると、どうやら彼女への脅迫状のようでした。
実家にいる家族の命を預かっているから、助けてほしければ、誰にも気付かれぬように私を別邸に連れて来いという内容です。
やっと、カーミラ様が動き出してくれたようです。
誰も巻き込みたくないと思って、自分から囮になったのですが、結局は、人を巻き込んでしまいました。
「ごめんなさいね」
「いいえ。私こそ、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。あの、リノア様」
「何でしょう?」
「別邸はリノア様には危険だと聞いております。ですから…」
彼女は私が囮になろうとしている事を知りませんから、自分の家族の為に、私を危険な目に合わせてはいけないと思ってくれているようです。
私は跪いている彼女の手を取って言う。
「大丈夫です。あなたは悪くありません。ですが、連れて来いという事は、あなたが私を連れて行かなければいけないようです。あなたにも危険がありますよ?」
「大丈夫です。一応、メイド仲間にはリノア様の事は話せていないのですが、私はこれから別邸に行くという話をしております。ある程度の時間がたって私が戻らなければ探しに来てくれるそうです」
「そうですか」
彼女の手は震えていて、自分が殺されてしまうかもしれないと感じているようでした。
そんな事は絶対にさせません。
彼女の手を握りしめて誓う。
「行きましょうか」
さあ、ラスボスに会いに行く事に致しましょう。
けれど、私にしてみれば、いつまでもカーミラ様とこんな状態を続けるわけにもいきません。
出来れば穏便に済ませて、私ののんびりライフを邪魔しない形に持っていきたいのですが、そう上手くはいかないのもわかっています。
ですが、どっちにしてもこのままでは一緒なのです。
「ご家族を罠にはめようとするのですから、不快な気持ちになられるのはよくわかりますが」
「そういう意味じゃない」
「このままでは、カーミラ様は逃げ回るだけです。私が直接対決した方が早いのです!」
「母が何をするかわからないんだぞ!?」
ラルフ様は少し怒っておられるようです。
気持ちはわかりますが、これ以上、彼女に踊らされる被害者を増やす訳にはいきません。
パメル様もある意味、被害者の様なものです。
私への態度は許し難いですが、カーミラ様にされた事は結婚詐欺の様なものです。
ラルフ様と結婚させてあげるといって、自分の言うことをきかせるくせに、かといって、結婚させる気は全くないのですから。
パメル様に関してもお父さまの方が動いて下さっていますし、彼女も重くはないでしょうけれど、多少の罰は科せられるはずです。
なのに、カーミラ様だけ安全圏にいるのが納得できません。
「このままではいつまでたっても解決しません。カーミラ様の狙いは私です。1人では無理ですが、ラルフ様達が協力して下さるならなんとかなると思うのです」
「もし」
「何でしょう?」
「手違いがあって、リノアが」
「死んでしまったり、とかですか?」
首を傾げて尋ねると、ラルフ様は軽く私を睨まれました。
「想像するだけで恐ろしいから口にしないでくれ」
「大丈夫ですよ、ラルフ様。私にはラルフ様や騎士の方々という味方がおります。楽観的かもしれません。無傷では済まないかもしれませんが、上手くいくと思うのです。いえ、上手くいくように致します!」
根拠のないポジティブ思考かもしれませんが、私はまどろっこしい事が嫌いなのです。
「このまま、何が起きるかわからないと心配しながら生きていくのは嫌なのです。ですから、お願いいたします」
「…どうせ駄目だと言ってもやるんだろう?」
「はい」
「なら、協力するしかない」
「ありがとうございます、ラルフ様」
怒っていらっしゃるのか、ラルフ様は私に背を向けられたままなので、お礼になるかはわかりませんが、後ろから抱きつくと、大きなため息を吐かれつつも、私の手を優しく握って下さいました。
そして、次の日から私はわざと一人になる時間を作る事にしました。
まず、誰かが聞いているかはわかりませんが、ソラとこんな会話をしました。
「もうずっと誰かに監視されている気がするのです。少しは一人になりたいのです」
「お部屋では一人じゃありませんか」
「外でゆっくりしたいのです」
「駄目です、危険です」
「この庭園の中のガゼボでゆっくりするくらいは良いじゃないですか。知らない方は勝手にこの敷地内には入ってこれないのですから安全です」
「…わかりましたよ。ですが、1日15分が限度です。いいですね? 本当は一人にするなんて絶対にしてはいけない事なんですから」
そうして、私は同じ時間、雨ではない日にだけ、毎日、庭園のガゼボに1人になる時間を作りました。
最初の方は緊張してしまい、本をめくる手が震えたり、カップを持つ手が震えたりで苦労はしましたが、何日か立つと、警戒心も薄れてきてしまいます。
だからこそ、自然な演技が出来る様になってきました。
そして、2週間ほどたった頃、やっと動きがありました。
「リノア様。お願いがございます!」
「どうかしましたか?」
顔見知り程度ではありますが、ラルフ様の屋敷で働いているメイドの1人が私に近寄ってきて、私の足元で跪いてから、1枚の手紙を手渡してきました。
手紙を読んでみると、どうやら彼女への脅迫状のようでした。
実家にいる家族の命を預かっているから、助けてほしければ、誰にも気付かれぬように私を別邸に連れて来いという内容です。
やっと、カーミラ様が動き出してくれたようです。
誰も巻き込みたくないと思って、自分から囮になったのですが、結局は、人を巻き込んでしまいました。
「ごめんなさいね」
「いいえ。私こそ、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。あの、リノア様」
「何でしょう?」
「別邸はリノア様には危険だと聞いております。ですから…」
彼女は私が囮になろうとしている事を知りませんから、自分の家族の為に、私を危険な目に合わせてはいけないと思ってくれているようです。
私は跪いている彼女の手を取って言う。
「大丈夫です。あなたは悪くありません。ですが、連れて来いという事は、あなたが私を連れて行かなければいけないようです。あなたにも危険がありますよ?」
「大丈夫です。一応、メイド仲間にはリノア様の事は話せていないのですが、私はこれから別邸に行くという話をしております。ある程度の時間がたって私が戻らなければ探しに来てくれるそうです」
「そうですか」
彼女の手は震えていて、自分が殺されてしまうかもしれないと感じているようでした。
そんな事は絶対にさせません。
彼女の手を握りしめて誓う。
「行きましょうか」
さあ、ラスボスに会いに行く事に致しましょう。
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