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7 何を忘れているのでしょう?
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水色のひざ丈のワンピースドレスに着替え、ヒールのある靴ではなく、ぺたんこの歩きやすい靴を履いて、朝食前に、まずはラルフ様にご挨拶する事にしました。
「おはようございます、ラルフ様」
「おはよう、リノア」
「おはようございます、リノア様」
「ケイン様! おはようございます!」
ラルフ様の部屋に行くと、すぐに部屋の中に入らせて下さったのですが、護衛中なのか、騎士姿のケイン様も中にいらっしゃり、笑顔で話しかける。
「お仕事中ですか?」
「はい。夜勤だったんで、もうすぐ交代です。リノア様は旅のお疲れはとれましたか?」
「はい! その証拠にお腹も減っておりますもの。疲れていたら食欲は出ませんから」
ケイン・アトラス様は茶色の長いストレートの髪を後ろに一つにまとめた、見た目は可愛らしく、人懐っこい方なのですが、ラルフ様に仕える、とても優秀な騎士なのです。
私も彼にはここに来る前にお世話になっていて、仲良くなっていたのでお話をしてますと、ラルフ様が私の腕をつかんで言いました。
「俺に用事があって来たんじゃないのか?」
「そうなのです。今、お時間よろしいでしょうか?」
「かまわない」
頷いて、ラルフ様はケイン様に視線を送りました。
すると、ケイン様は笑いをこらえるような顔をしたあと、頭を下げられます。
「部屋の外におります」
「そうしてくれ」
ラルフ様はなぜかケイン様が出ていくまで、彼の背中を睨んでおられましたが、私の視線に気付くと、笑顔で振り向かれます。
「リノアは朝が早いな。俺も朝食はまだなんだ。一緒に食べないか?」
「ご迷惑でなければ」
「で、その前に昨日の話か?」
一人がけの大きなソファーに座るよう、ラルフ様に促されたので座ってみると、私がいつも座ってるソファーよりもふかふかで、リラックスできる感じがします。
ラルフ様もお疲れの際に、ここでゆっくりされているのかもしれません。
ですが、ソファーは一つしかないので、ラルフ様は立たれたままです。
「あの、私が立って話をしますので、ラルフ様がお座りになって下さい」
「気にしなくていい。で、昨日の話だが、母から何を言われたんだ?」
ラルフ様は私の前に跪いて目線を合わせてくださったあと、真剣な表情で尋ねてこられたので、素直に答えます。
「正直にお話したいのですが、口止めをされております。これからの関係性の事もありますし、ラルフ様がうまく理解してくだされば助かるのですけれど」
「何を言ったか言えないが、反応で理解して欲しいといったところか?」
「まあ、そんな所でしょうか。昨日、あのお食事の場でお話したのもわざとではありますし」
「リノアは気が強いものな」
苦笑されるラルフ様に、私は昨日から気になっていた事を聞いてみる。
「ラルフ様、どうして私が濃い緑の野菜が苦手な事やお酒が好きな事を知ってらっしゃるんです? それに、今だって、私が気が強いとおっしゃいましたよね? ラルフ様の前で、そんな態度をとっていたようには見えないのですが…」
元婚約者のディーンの時でさえ、相手にするのが面倒で、私自身は無視したり、聞き流したりしているばかりで、気が強いと思われるような態度を見せたことがありません。
なのに、ラルフ様はすでに知っておられるような感じです。
もちろん、人を使って私の性格や嗜好を調べたというのもあるのでしょうけど、人から聞いたという訳ではなく、ラルフ様自信が知っておられるような感じなのです。
「もしかして、ラルフ様が私に隠していらっしゃる事と関わってきますか?」
「そ、それは…」
ラルフ様は以前、私に話さなければいけないけれど、今は話せない話があると言われておられました。
しかも、結婚してからでないと話せないとも。
でも、やっぱり気になります。
「お聞かせ願えませんでしょうか。どうせ、婚約解消も破棄もしていただけないのでしたら、一緒ではないですか」
軽く睨むようにして言うと、ラルフ様は大きく息を吐いてから言いました。
「あの時のあなたの言葉を信じる事にしよう」
「…どういう事です?」
「リノアと俺は会話を交わした事がある」
「はい?」
意味がわからなくて聞き返すと、ラルフ様は跪いたまま頭を抱えられました。
「俺は部下に頼んで、あなたに忘却の魔法をかけてもらった」
忘却の魔法って、とても高度な魔法で使える人が中々いないと聞くのですが?
それよりも、私は何を忘れているのでしょう?
本当はフレイ様についての話をしたかったのですが、どちらを優先したら良いのか困ってしまいます。
「おはようございます、ラルフ様」
「おはよう、リノア」
「おはようございます、リノア様」
「ケイン様! おはようございます!」
ラルフ様の部屋に行くと、すぐに部屋の中に入らせて下さったのですが、護衛中なのか、騎士姿のケイン様も中にいらっしゃり、笑顔で話しかける。
「お仕事中ですか?」
「はい。夜勤だったんで、もうすぐ交代です。リノア様は旅のお疲れはとれましたか?」
「はい! その証拠にお腹も減っておりますもの。疲れていたら食欲は出ませんから」
ケイン・アトラス様は茶色の長いストレートの髪を後ろに一つにまとめた、見た目は可愛らしく、人懐っこい方なのですが、ラルフ様に仕える、とても優秀な騎士なのです。
私も彼にはここに来る前にお世話になっていて、仲良くなっていたのでお話をしてますと、ラルフ様が私の腕をつかんで言いました。
「俺に用事があって来たんじゃないのか?」
「そうなのです。今、お時間よろしいでしょうか?」
「かまわない」
頷いて、ラルフ様はケイン様に視線を送りました。
すると、ケイン様は笑いをこらえるような顔をしたあと、頭を下げられます。
「部屋の外におります」
「そうしてくれ」
ラルフ様はなぜかケイン様が出ていくまで、彼の背中を睨んでおられましたが、私の視線に気付くと、笑顔で振り向かれます。
「リノアは朝が早いな。俺も朝食はまだなんだ。一緒に食べないか?」
「ご迷惑でなければ」
「で、その前に昨日の話か?」
一人がけの大きなソファーに座るよう、ラルフ様に促されたので座ってみると、私がいつも座ってるソファーよりもふかふかで、リラックスできる感じがします。
ラルフ様もお疲れの際に、ここでゆっくりされているのかもしれません。
ですが、ソファーは一つしかないので、ラルフ様は立たれたままです。
「あの、私が立って話をしますので、ラルフ様がお座りになって下さい」
「気にしなくていい。で、昨日の話だが、母から何を言われたんだ?」
ラルフ様は私の前に跪いて目線を合わせてくださったあと、真剣な表情で尋ねてこられたので、素直に答えます。
「正直にお話したいのですが、口止めをされております。これからの関係性の事もありますし、ラルフ様がうまく理解してくだされば助かるのですけれど」
「何を言ったか言えないが、反応で理解して欲しいといったところか?」
「まあ、そんな所でしょうか。昨日、あのお食事の場でお話したのもわざとではありますし」
「リノアは気が強いものな」
苦笑されるラルフ様に、私は昨日から気になっていた事を聞いてみる。
「ラルフ様、どうして私が濃い緑の野菜が苦手な事やお酒が好きな事を知ってらっしゃるんです? それに、今だって、私が気が強いとおっしゃいましたよね? ラルフ様の前で、そんな態度をとっていたようには見えないのですが…」
元婚約者のディーンの時でさえ、相手にするのが面倒で、私自身は無視したり、聞き流したりしているばかりで、気が強いと思われるような態度を見せたことがありません。
なのに、ラルフ様はすでに知っておられるような感じです。
もちろん、人を使って私の性格や嗜好を調べたというのもあるのでしょうけど、人から聞いたという訳ではなく、ラルフ様自信が知っておられるような感じなのです。
「もしかして、ラルフ様が私に隠していらっしゃる事と関わってきますか?」
「そ、それは…」
ラルフ様は以前、私に話さなければいけないけれど、今は話せない話があると言われておられました。
しかも、結婚してからでないと話せないとも。
でも、やっぱり気になります。
「お聞かせ願えませんでしょうか。どうせ、婚約解消も破棄もしていただけないのでしたら、一緒ではないですか」
軽く睨むようにして言うと、ラルフ様は大きく息を吐いてから言いました。
「あの時のあなたの言葉を信じる事にしよう」
「…どういう事です?」
「リノアと俺は会話を交わした事がある」
「はい?」
意味がわからなくて聞き返すと、ラルフ様は跪いたまま頭を抱えられました。
「俺は部下に頼んで、あなたに忘却の魔法をかけてもらった」
忘却の魔法って、とても高度な魔法で使える人が中々いないと聞くのですが?
それよりも、私は何を忘れているのでしょう?
本当はフレイ様についての話をしたかったのですが、どちらを優先したら良いのか困ってしまいます。
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