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第5話 常識知らずの2人
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ローブランシュのおかげで、わたしはパーティーまでの残りの日にちを思っていたよりもだいぶ快適に過ごす事ができた。
追い出された後の事を考えるとジッとはしていられないと思っていたけれど、ローブランシュからそちらについても安心してほしいと言われてしまったので何も動けずにいた。
それにしても、ジェレミー殿下がどうしてここまでしてくれるのかしら?
ヘイスト殿下がやった事だから申し訳ないと思ってくれているの?
ジェレミー殿下は、お優しい方だからきっとそうかもしれないわね。
ここまで気を遣っていただくなんて何だか申し訳ないわ。
そういえば、あの日は元気そうに見えたけれど、体調は良くなられたのかしら?
ハンカチを返す時に、お礼と体調の事を聞かなくちゃ。
そして、お別れの挨拶もしないとね。
ローブランシュの言い方だと、もしかしたらわたしがこの家を出された後の事も考えてくださっているのかもしれない。
そうだと助かるけれど、そこまでお世話になってもいいのかしら?
ジェレミー殿下にお手紙を書こうか迷ったけれど、現在のわたしはヘイスト殿下の婚約者。
相手が婚約者の兄で王太子殿下とはいえ、手紙を送っただなんて知られたら邪推されかねない。
ここまでしてくれている、ジェレミー殿下に迷惑をかける事だけは嫌だった。
そして、今のわたしには希望が少し見えていた。
ジェレミー殿下がわたしの事を信じてくれていて、ここまでしてくれているという事を、きっと国王陛下や王妃陛下も知っているはず。
普通ならいじめをする様な人間に、ここまでしなくても良いと考えそうなものだけれど、それに関して何も言わないでいてくれるのは、わたしの事を信じてくれているのだとポジティブに考える事にした。
そして、問題の日がやって来た。
ドレスに着替えさせてくれたり、メイクをしてくれたのはローブランシュと彼女が連れてきたメイド達だった。
部外者を屋敷に出入りさせる件に関しては、ちゃんと父に許可を取ってくれていて、父もわたしをパーティーに出席させなければいけない事はわかっていたから、部外者が入る事を許可してくれたそうだ。
ローブランシュという名前に聞き覚えはないんだけど、彼女とはどこかで会った気がする。
見覚えがある様な気がするのよね。
だけど、ローブランシュに聞いても会った事はないというから思い違いかもしれない。
もしくは社交場で顔を見たりした事があった?
でも、それならそうと言うわよね。
わたしは第2王子の婚約者で、目が赤いから目立っていただろうし。
あと何時間か後には婚約破棄されて家族からも縁を切られて、この先どうなるかわからない時なのに、そんな事を考えている場合じゃないという事を思い出したわたしは、父に確認して持っていっても良いと言われたものだけ詰めたトランクケースをローブランシュ達と一緒に馬車に積み込んだ。
出発する前に、お母様に遊んでもらった中庭などを目に焼き付けておく。
もう二度とここに来る事はないだろうから。
「おい! まだいたのか! とっとと出発しろ! 今日は俺達も行くんだからな!」
正装したフロイド様にベル様、そして父がポーチに出てきたので、深々と頭を下げる。
「今まで大変お世話になりました。もう二度とこちらには戻りません」
「当たり前だ! 二度と顔を見せるなよ!」
父は目に見えるくらい大きな唾を飛ばして叫ぶと、しっしっと言わんばかりに手を下に向けて振った。
わたしも最後に言わせてもらう。
「あなた方のお顔を見なくなると思うと、わたしも清々します」
「何だと!? この恩知らずが!?」
父とフロイド様が怒りの形相でわたしに向かってこようとしたけれど、ローブランシュ達が止めてくれた。
「アニエスお嬢様! 馬車にお乗り下さい!」
「でも、ローブランシュ達は…」
「私共の事はお気になさらないでくださいませ!」
わたしのせいでこんな事になったのだから、その事を思うと後ろ髪を引かれたけれど、御者に促されて馬車に乗り、わたしは慌ただしい形でロロアル邸を後にしたのだった。
城に着くと、御者はパーティーが終わるまで待機場で待ってくれると言ったので、荷物は馬車の中に置いて会場に向かった。
いつもならばヘイスト殿下が家まで迎えに来てくれて、一緒に会場に向かっていた。
でも、今日は違う。
わたし1人だ。
ジェレミー殿下にお返しする為のハンカチは小さなポーチに入れて持ってきている。
怖い気持ちはあるけれど、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせて受付を済ませた。
会場内には人が集まっていて、私のように1人だけでいる人はいない。
男女ペアではなくても、家族や友人など誰かと一緒にいて、なぜかわたしを見ると小声で何か話し始める。
婚約破棄の事が知れ渡っているのかもしれない。
普通ならばそんな事はありえないのだけれど、キャロラインが口を滑らせたというふりをして誰かに話をしたに違いない。
あの子はとてもお喋りだったから。
誰にも言わないでね、とお願いしても、次の日には誰かに話しているような子だったから、最近は秘密の話をしなくなってはいた。
けれど、それを知らないヘイスト殿下は彼女に口止めもしていないんでしょうね。
とにかくパーティーが始まって、ヘイスト殿下に婚約破棄を告げられるまでは大人しくしていようと思い、端の方に向かって歩いていくと、わたしの目の前に立ちはだかった人物達がいた。
わたしが友人だと思っていた令嬢2人だった。
「……わたしに何か用なの?」
「はい。アニエス様がとてもお気の毒だと思いまして、慰めてさしあげようかと」
「お気の毒?」
元友人の1人に聞き返すと、赤毛の元友人はニヤニヤしながら答える。
「キャロライン様に意地悪をしてでも渡したくなかったヘイスト殿下が今日、キャロライン様のものになるんですもの。アニエス様の気持ちを考えたら、とても心が痛みますわ」
「ちょっと、もう、止めておきなさいよ」
止めるふりをしつつも、もう1人も笑みを隠せない様子でニヤニヤしている。
わたし、どうしてこんな性格の悪い人達の事を友人だと思っていたのかしら。
それとも、家族が変だったから彼女達がマシなように思えてしまっていた?
もう、そんな事はどうでもいいわ。
「あなた達のキャロライン様へのアシストのおかげで、わたしはヘイスト殿下の事を好きではなくなったし、友人選びも間違えていた事がわかりました。本当にありがとう」
「そんな負け惜しみみたいな…!」
「アニエス様、口は謹んだ方がよろしくてよ? あなたが婚約破棄された時点で平民になる事はヘイスト殿下から聞いて知っておりますから!」
あの方、そんな事までキャロラインに話をしたの!?
というよりも、ヘイスト殿下がどうしてその事を知っているのかしら。
「ヘイスト殿下はあなたが平民になるのは可哀想だと国王陛下に何度も仰ったようですが、陛下はロロアル侯爵があなたとの縁を切るという事をお認めになったそうです。あなたは国王陛下からも見捨てられたのです!」
元友人がわたしを指差して叫んだ。
今までなら、彼女の言う通りに考えていたかもしれない。
けれど、今のわたしには陛下には違う考えがある様な気がした。
「教えてくれてありがとう」
微笑んで言うと、元友人は驚いた顔で聞いてくる。
「ど、どうして余裕なんですか!? あなたには身内は他におられませんよね!?」
「身内がいないという事はないけれど、一切連絡をとってはいないわね」
父方の家系はわたしの事を嫌っているから論外として、お母様の方の祖父母は辺境伯だった。
今は、お母様のお兄様である、わたしの伯父様にあたる方に家督が譲られている。
お祖父様とお祖母様、伯父様にはお母様が生きていらっしゃった頃に一度だけ会った事がある。
なぜ、一度だけかというと遠すぎて、すぐに行ける距離ではないからだ。
しかも、いつからか手紙を送っても返事が来なくなった。
お母様がいなくなったら、わたしは祖父母にとって必要な子ではなくなったのだと悲しみに暮れた時もあった。
今は立ち直れているけれど、わたしに頼れる身内がいない事は確かだ。
――ちょっと待って。もしかして、ローブランシュは…!
ある考えが浮かんだ時、入り口の方が騒がしくなり、そちらに目をやった。
それと同時に入場を知らせる声が上がる。
「第2王子殿下ヘイスト様とセバン子爵令嬢のご入場です!」
呆れることにヘイスト殿下は、わたしとの婚約破棄前からキャロラインをパートナーにして入場してきたのだった。
追い出された後の事を考えるとジッとはしていられないと思っていたけれど、ローブランシュからそちらについても安心してほしいと言われてしまったので何も動けずにいた。
それにしても、ジェレミー殿下がどうしてここまでしてくれるのかしら?
ヘイスト殿下がやった事だから申し訳ないと思ってくれているの?
ジェレミー殿下は、お優しい方だからきっとそうかもしれないわね。
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相手が婚約者の兄で王太子殿下とはいえ、手紙を送っただなんて知られたら邪推されかねない。
ここまでしてくれている、ジェレミー殿下に迷惑をかける事だけは嫌だった。
そして、今のわたしには希望が少し見えていた。
ジェレミー殿下がわたしの事を信じてくれていて、ここまでしてくれているという事を、きっと国王陛下や王妃陛下も知っているはず。
普通ならいじめをする様な人間に、ここまでしなくても良いと考えそうなものだけれど、それに関して何も言わないでいてくれるのは、わたしの事を信じてくれているのだとポジティブに考える事にした。
そして、問題の日がやって来た。
ドレスに着替えさせてくれたり、メイクをしてくれたのはローブランシュと彼女が連れてきたメイド達だった。
部外者を屋敷に出入りさせる件に関しては、ちゃんと父に許可を取ってくれていて、父もわたしをパーティーに出席させなければいけない事はわかっていたから、部外者が入る事を許可してくれたそうだ。
ローブランシュという名前に聞き覚えはないんだけど、彼女とはどこかで会った気がする。
見覚えがある様な気がするのよね。
だけど、ローブランシュに聞いても会った事はないというから思い違いかもしれない。
もしくは社交場で顔を見たりした事があった?
でも、それならそうと言うわよね。
わたしは第2王子の婚約者で、目が赤いから目立っていただろうし。
あと何時間か後には婚約破棄されて家族からも縁を切られて、この先どうなるかわからない時なのに、そんな事を考えている場合じゃないという事を思い出したわたしは、父に確認して持っていっても良いと言われたものだけ詰めたトランクケースをローブランシュ達と一緒に馬車に積み込んだ。
出発する前に、お母様に遊んでもらった中庭などを目に焼き付けておく。
もう二度とここに来る事はないだろうから。
「おい! まだいたのか! とっとと出発しろ! 今日は俺達も行くんだからな!」
正装したフロイド様にベル様、そして父がポーチに出てきたので、深々と頭を下げる。
「今まで大変お世話になりました。もう二度とこちらには戻りません」
「当たり前だ! 二度と顔を見せるなよ!」
父は目に見えるくらい大きな唾を飛ばして叫ぶと、しっしっと言わんばかりに手を下に向けて振った。
わたしも最後に言わせてもらう。
「あなた方のお顔を見なくなると思うと、わたしも清々します」
「何だと!? この恩知らずが!?」
父とフロイド様が怒りの形相でわたしに向かってこようとしたけれど、ローブランシュ達が止めてくれた。
「アニエスお嬢様! 馬車にお乗り下さい!」
「でも、ローブランシュ達は…」
「私共の事はお気になさらないでくださいませ!」
わたしのせいでこんな事になったのだから、その事を思うと後ろ髪を引かれたけれど、御者に促されて馬車に乗り、わたしは慌ただしい形でロロアル邸を後にしたのだった。
城に着くと、御者はパーティーが終わるまで待機場で待ってくれると言ったので、荷物は馬車の中に置いて会場に向かった。
いつもならばヘイスト殿下が家まで迎えに来てくれて、一緒に会場に向かっていた。
でも、今日は違う。
わたし1人だ。
ジェレミー殿下にお返しする為のハンカチは小さなポーチに入れて持ってきている。
怖い気持ちはあるけれど、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせて受付を済ませた。
会場内には人が集まっていて、私のように1人だけでいる人はいない。
男女ペアではなくても、家族や友人など誰かと一緒にいて、なぜかわたしを見ると小声で何か話し始める。
婚約破棄の事が知れ渡っているのかもしれない。
普通ならばそんな事はありえないのだけれど、キャロラインが口を滑らせたというふりをして誰かに話をしたに違いない。
あの子はとてもお喋りだったから。
誰にも言わないでね、とお願いしても、次の日には誰かに話しているような子だったから、最近は秘密の話をしなくなってはいた。
けれど、それを知らないヘイスト殿下は彼女に口止めもしていないんでしょうね。
とにかくパーティーが始まって、ヘイスト殿下に婚約破棄を告げられるまでは大人しくしていようと思い、端の方に向かって歩いていくと、わたしの目の前に立ちはだかった人物達がいた。
わたしが友人だと思っていた令嬢2人だった。
「……わたしに何か用なの?」
「はい。アニエス様がとてもお気の毒だと思いまして、慰めてさしあげようかと」
「お気の毒?」
元友人の1人に聞き返すと、赤毛の元友人はニヤニヤしながら答える。
「キャロライン様に意地悪をしてでも渡したくなかったヘイスト殿下が今日、キャロライン様のものになるんですもの。アニエス様の気持ちを考えたら、とても心が痛みますわ」
「ちょっと、もう、止めておきなさいよ」
止めるふりをしつつも、もう1人も笑みを隠せない様子でニヤニヤしている。
わたし、どうしてこんな性格の悪い人達の事を友人だと思っていたのかしら。
それとも、家族が変だったから彼女達がマシなように思えてしまっていた?
もう、そんな事はどうでもいいわ。
「あなた達のキャロライン様へのアシストのおかげで、わたしはヘイスト殿下の事を好きではなくなったし、友人選びも間違えていた事がわかりました。本当にありがとう」
「そんな負け惜しみみたいな…!」
「アニエス様、口は謹んだ方がよろしくてよ? あなたが婚約破棄された時点で平民になる事はヘイスト殿下から聞いて知っておりますから!」
あの方、そんな事までキャロラインに話をしたの!?
というよりも、ヘイスト殿下がどうしてその事を知っているのかしら。
「ヘイスト殿下はあなたが平民になるのは可哀想だと国王陛下に何度も仰ったようですが、陛下はロロアル侯爵があなたとの縁を切るという事をお認めになったそうです。あなたは国王陛下からも見捨てられたのです!」
元友人がわたしを指差して叫んだ。
今までなら、彼女の言う通りに考えていたかもしれない。
けれど、今のわたしには陛下には違う考えがある様な気がした。
「教えてくれてありがとう」
微笑んで言うと、元友人は驚いた顔で聞いてくる。
「ど、どうして余裕なんですか!? あなたには身内は他におられませんよね!?」
「身内がいないという事はないけれど、一切連絡をとってはいないわね」
父方の家系はわたしの事を嫌っているから論外として、お母様の方の祖父母は辺境伯だった。
今は、お母様のお兄様である、わたしの伯父様にあたる方に家督が譲られている。
お祖父様とお祖母様、伯父様にはお母様が生きていらっしゃった頃に一度だけ会った事がある。
なぜ、一度だけかというと遠すぎて、すぐに行ける距離ではないからだ。
しかも、いつからか手紙を送っても返事が来なくなった。
お母様がいなくなったら、わたしは祖父母にとって必要な子ではなくなったのだと悲しみに暮れた時もあった。
今は立ち直れているけれど、わたしに頼れる身内がいない事は確かだ。
――ちょっと待って。もしかして、ローブランシュは…!
ある考えが浮かんだ時、入り口の方が騒がしくなり、そちらに目をやった。
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