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第13話 モナウ家の養女になる理由
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「ヘイスト、偉いぞ? 気持ちを素直に伝える事は良い事だ」
ヘイスト殿下の背後にある階段から現れたのは、国王陛下の弟君でヘイスト殿下の叔父にあたる、ファブロー公爵だった。
ファブロー侯爵は金色の長い髪を後ろに1つにまとめた中肉中背の男性で、高い鼻の下には髭をたくわえている。
ヘイスト殿下はとてもファブロー公爵の事を慕っていて、彼の事を悪く言っている事を聞いたことがなかった。
「叔父上! アニエスが僕の気持ちをわかってくれないんです!」
「ヘイスト、何度も言ったろう? 赤い瞳の人間は変わっている者が多い。アニエス嬢もそうだという事だ。一度や二度の告白では振り向いてもらえるはずがない」
「そ、そういう事ですか!」
そういう事じゃないです。
口に出しても一緒だろうから、心の中で呟いた後、どうしたら良いか困っているメイドに声を掛ける。
「ファブロー公爵に挨拶を終えたら、部屋に案内してもらえる?」
「はい! かしこまりました!」
メイドが首を縦に振ったのを確認した後、ローニャ達と一緒に、ファブロー公爵に挨拶をした。
「パーティー会場でヘイストに紹介してもらうつもりだったんだが、ジェレミーに紹介してもらわなければならなくなったようだね?」
ファブロー公爵は嫌な笑みを浮かべて、値踏みするように青い瞳をわたしに向けてきた。
先程のパーティー会場では招待客がどんな人間か把握できる時間がなかったけれど、ファブロー公爵が招待されていない訳はないわよね。
陛下の弟なんだもの。
「叔父上、酷いです! アニエスの事は僕から叔父上に紹介すると決めていたんです」
「そうか。では紹介してくれるかな?」
ローニャもエッカートお兄様も、かなり緊張している感じだった。
ファブロー公爵が自分達より格上だからというわけではなく、また違った緊張感のように見える。
けれど、エッカートお兄様も次期辺境伯という事もあるからか、すぐに冷静になって笑顔でファブロー公爵に言う。
「私から紹介いたしましょう。彼女は妹のアニエス・モナウです」
「はじめまして、アニエス・モナウと申します」
ヘイスト殿下は自分が紹介しようと思ったのに、エッカートお兄様に邪魔されて納得いかない顔をしているけれど、わたしはそれを無視して自分自身でも挨拶をし、先程もしたけれど、改めてファブロー公爵にカーテシーをした。
なぜ、ファブロー公爵と今まで会った事がないかというと、わたしはこの人に今まであからさまに避けられていたから。
パーティーで出会う度に、ヘイスト殿下がわたしを紹介しようとすると、別の人と話さないといけないと言って、その場からいなくなるという事が何度も続いたせいで、わたしも挨拶する事を諦めたのだ。
それなのに、わたしに挨拶を求めてきたという事は、何か裏があるに違いないわよね。
「元ロロアル侯爵家のお嬢さんだな。ヘイストから話は聞いていたよ。赤い瞳が印象的なお嬢さんだとね」
「……ありがとうございます」
何と答えたら良いのかわからず、礼だけ述べると、ファブロー公爵は笑顔を作り、なぜかわたしの方に近付いてくると身を屈め耳元で囁く。
「褒めたわけじゃあない。本来なら赤い瞳を持つ人間なんて今すぐ殺してやりたいくらいだ。でも、お前は使えそうだから生かしておいてやる」
「――!」
慌てて後ろに飛び退くと、エッカートお兄様がわたしの肩をつかんで聞いてくる。
「どうかしたのか?」
「いえ…」
「これからよろしくお願いすると伝えたんだ」
エッカートお兄様に向かってファブロー公爵は笑顔を向けると、わたしに言う。
「君はすぐに嘘をつくようだから、私に対しての嘘はつかないように。どうせ、すぐに君の発言は嘘だってわかるんだから」
わたしが今の発言をエッカートお兄様達に伝えて訴えたとしても、最終的にはわたしが嘘をついたという事にされるんだと言いたいようだった。
悪い人に権力があると本当に厄介だわ。
それにわたしもわざわざ喧嘩するつもりもない。
とにかく、挨拶を終えたのだから離れた方が良さそうね。
「では、夜も遅いですので、本日は失礼させていただきます」
カーテシーをすると、ヘイスト殿下が言う。
「アニエス、君はまた学園に通うんだよね?」
「……」
モナウ家の方がどう考えているのかわからないので、エッカートお兄様を見ると、お兄様が代わりに答えてくれる。
「はい。我が家から通える範囲内にある学園に通わせるつもりです」
「では、僕もそちらに転園する事にする!」
ヘイスト殿下が子供みたいな事を言い出した。
どんどん、この人に対する評価が下がっていく。
もう、どん底まできたと思っていたのに…。
底なしだったりしないわよね?
というか、モナウ辺境伯領は王都からだいぶ離れているから、王城から通える距離ではないと思うんだけど?
そう思ったので、一応伝えておく事にする。
「ヘイスト殿下、城から通う事なんて無理です」
「わ、わかってるよ! だけど何とかしてみせる!」
「よく言った、ヘイスト! 私が手助けしてやろう。兄上を説得してやる」
「本当ですか!?」
ヘイスト殿下はファブロー公爵の言葉を聞いて瞳を輝かせた。
ファブロー公爵なわたしとヘイスト殿下をどうしたいのかしら?
結婚させたいの…?
「申し訳ございませんが、本日は色々な事がありましてアニエスは疲れておりますので、ここで失礼させていただきます」
ローニャが相手は公爵だというのに有無を言わせぬ口調で言って、わたしを促す。
「行きましょう」
「うん…!」
ヘイスト殿下もファブロー公爵に促されて帰っていく。
その姿を振り返って確認してから大きなため息を吐いた。
部屋に向かう途中で、ローニャ達に話しかける。
「本当に新しい学園にまで追いかけてくるつもりかしら?」
「アニエス、学園の事は心配しなくていい」
エッカートお兄様がきっぱりと言うので、小首をかしげる。
「どういう事ですか?」
「そんな事を言い出すんじゃないかというのは、両陛下もジェレミー殿下も予想しておられたんだ。だから、モナウ家の養女になると決まったという事もある」
「……どういう事です?」
「あのね、アニエスの通う予定の学園は女性しか通えないの」
エッカートお兄様の代わりにローニャが微笑んで答えてくれたので聞き返す。
「女子校、という事?」
「そう。陛下から女子校に通わせてやってほしいと言われたんだけど、私の実家から通える女子校はなかったの。寮生活となると、せっかく家族になったのに意味がないんじゃないかって考えていたみたい。そこでモナウ家からの申し出があって、モナウ家から通える場所に女子校があるなら、その方が良いんじゃないかという話になったの。私もいるし、アニエスには家族の温かさを知ってほしいからって」
「そうなのね…」
わたしの知らない間に、たくさんの人がわたしの事を考えて動いてくれていたとわかって、とても温かな気持ちになった。
それに、ヘイスト殿下がわたしが女子校に通うと知ったら、ショックを受けるだろうと思うと、何だか楽しくなってしまった。
ヘイスト殿下の背後にある階段から現れたのは、国王陛下の弟君でヘイスト殿下の叔父にあたる、ファブロー公爵だった。
ファブロー侯爵は金色の長い髪を後ろに1つにまとめた中肉中背の男性で、高い鼻の下には髭をたくわえている。
ヘイスト殿下はとてもファブロー公爵の事を慕っていて、彼の事を悪く言っている事を聞いたことがなかった。
「叔父上! アニエスが僕の気持ちをわかってくれないんです!」
「ヘイスト、何度も言ったろう? 赤い瞳の人間は変わっている者が多い。アニエス嬢もそうだという事だ。一度や二度の告白では振り向いてもらえるはずがない」
「そ、そういう事ですか!」
そういう事じゃないです。
口に出しても一緒だろうから、心の中で呟いた後、どうしたら良いか困っているメイドに声を掛ける。
「ファブロー公爵に挨拶を終えたら、部屋に案内してもらえる?」
「はい! かしこまりました!」
メイドが首を縦に振ったのを確認した後、ローニャ達と一緒に、ファブロー公爵に挨拶をした。
「パーティー会場でヘイストに紹介してもらうつもりだったんだが、ジェレミーに紹介してもらわなければならなくなったようだね?」
ファブロー公爵は嫌な笑みを浮かべて、値踏みするように青い瞳をわたしに向けてきた。
先程のパーティー会場では招待客がどんな人間か把握できる時間がなかったけれど、ファブロー公爵が招待されていない訳はないわよね。
陛下の弟なんだもの。
「叔父上、酷いです! アニエスの事は僕から叔父上に紹介すると決めていたんです」
「そうか。では紹介してくれるかな?」
ローニャもエッカートお兄様も、かなり緊張している感じだった。
ファブロー公爵が自分達より格上だからというわけではなく、また違った緊張感のように見える。
けれど、エッカートお兄様も次期辺境伯という事もあるからか、すぐに冷静になって笑顔でファブロー公爵に言う。
「私から紹介いたしましょう。彼女は妹のアニエス・モナウです」
「はじめまして、アニエス・モナウと申します」
ヘイスト殿下は自分が紹介しようと思ったのに、エッカートお兄様に邪魔されて納得いかない顔をしているけれど、わたしはそれを無視して自分自身でも挨拶をし、先程もしたけれど、改めてファブロー公爵にカーテシーをした。
なぜ、ファブロー公爵と今まで会った事がないかというと、わたしはこの人に今まであからさまに避けられていたから。
パーティーで出会う度に、ヘイスト殿下がわたしを紹介しようとすると、別の人と話さないといけないと言って、その場からいなくなるという事が何度も続いたせいで、わたしも挨拶する事を諦めたのだ。
それなのに、わたしに挨拶を求めてきたという事は、何か裏があるに違いないわよね。
「元ロロアル侯爵家のお嬢さんだな。ヘイストから話は聞いていたよ。赤い瞳が印象的なお嬢さんだとね」
「……ありがとうございます」
何と答えたら良いのかわからず、礼だけ述べると、ファブロー公爵は笑顔を作り、なぜかわたしの方に近付いてくると身を屈め耳元で囁く。
「褒めたわけじゃあない。本来なら赤い瞳を持つ人間なんて今すぐ殺してやりたいくらいだ。でも、お前は使えそうだから生かしておいてやる」
「――!」
慌てて後ろに飛び退くと、エッカートお兄様がわたしの肩をつかんで聞いてくる。
「どうかしたのか?」
「いえ…」
「これからよろしくお願いすると伝えたんだ」
エッカートお兄様に向かってファブロー公爵は笑顔を向けると、わたしに言う。
「君はすぐに嘘をつくようだから、私に対しての嘘はつかないように。どうせ、すぐに君の発言は嘘だってわかるんだから」
わたしが今の発言をエッカートお兄様達に伝えて訴えたとしても、最終的にはわたしが嘘をついたという事にされるんだと言いたいようだった。
悪い人に権力があると本当に厄介だわ。
それにわたしもわざわざ喧嘩するつもりもない。
とにかく、挨拶を終えたのだから離れた方が良さそうね。
「では、夜も遅いですので、本日は失礼させていただきます」
カーテシーをすると、ヘイスト殿下が言う。
「アニエス、君はまた学園に通うんだよね?」
「……」
モナウ家の方がどう考えているのかわからないので、エッカートお兄様を見ると、お兄様が代わりに答えてくれる。
「はい。我が家から通える範囲内にある学園に通わせるつもりです」
「では、僕もそちらに転園する事にする!」
ヘイスト殿下が子供みたいな事を言い出した。
どんどん、この人に対する評価が下がっていく。
もう、どん底まできたと思っていたのに…。
底なしだったりしないわよね?
というか、モナウ辺境伯領は王都からだいぶ離れているから、王城から通える距離ではないと思うんだけど?
そう思ったので、一応伝えておく事にする。
「ヘイスト殿下、城から通う事なんて無理です」
「わ、わかってるよ! だけど何とかしてみせる!」
「よく言った、ヘイスト! 私が手助けしてやろう。兄上を説得してやる」
「本当ですか!?」
ヘイスト殿下はファブロー公爵の言葉を聞いて瞳を輝かせた。
ファブロー公爵なわたしとヘイスト殿下をどうしたいのかしら?
結婚させたいの…?
「申し訳ございませんが、本日は色々な事がありましてアニエスは疲れておりますので、ここで失礼させていただきます」
ローニャが相手は公爵だというのに有無を言わせぬ口調で言って、わたしを促す。
「行きましょう」
「うん…!」
ヘイスト殿下もファブロー公爵に促されて帰っていく。
その姿を振り返って確認してから大きなため息を吐いた。
部屋に向かう途中で、ローニャ達に話しかける。
「本当に新しい学園にまで追いかけてくるつもりかしら?」
「アニエス、学園の事は心配しなくていい」
エッカートお兄様がきっぱりと言うので、小首をかしげる。
「どういう事ですか?」
「そんな事を言い出すんじゃないかというのは、両陛下もジェレミー殿下も予想しておられたんだ。だから、モナウ家の養女になると決まったという事もある」
「……どういう事です?」
「あのね、アニエスの通う予定の学園は女性しか通えないの」
エッカートお兄様の代わりにローニャが微笑んで答えてくれたので聞き返す。
「女子校、という事?」
「そう。陛下から女子校に通わせてやってほしいと言われたんだけど、私の実家から通える女子校はなかったの。寮生活となると、せっかく家族になったのに意味がないんじゃないかって考えていたみたい。そこでモナウ家からの申し出があって、モナウ家から通える場所に女子校があるなら、その方が良いんじゃないかという話になったの。私もいるし、アニエスには家族の温かさを知ってほしいからって」
「そうなのね…」
わたしの知らない間に、たくさんの人がわたしの事を考えて動いてくれていたとわかって、とても温かな気持ちになった。
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