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第15話 第二王子の言い訳
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「その話をする事はどうしても必要だとは言わない。アニエスにわざわざ会いに来て話す必要でもないだろう?」
ジェレミー殿下がため息を吐いてから言うと、ヘイスト殿下は必死になって訴える。
「それは兄上がアニエスを必要とされていないから言える事なんです。アニエスが関わる事は僕にとって人生の最優先事項なんです!」
「……その割には婚約破棄はしたんだね?」
ジェレミー殿下が苦笑すると、ヘイスト殿下は焦った顔になって言い訳を始める。
「あの事に関しては僕は被害者なんです! 今回の事で自分が騙されやすい人間だという事に気付きました。二度と同じ様な間違いはしません! 人を疑ってかかる事にします!」
「そういう問題なのかどうかはわからないが…。とにかくヘイスト、もうアニエスには近付かないでくれ。私との婚約が正式に決まったんだ」
「でも、そうなると遠距離恋愛になりませんか!?」
ヘイスト殿下がジェレミー殿下に向かって強い口調で続ける。
「アニエスの心は傷付いています。友人に裏切られて家族にも捨てられて…、そんな時に婚約者が近くにいてあげないのはおかしいと思います!」
「ヘイスト、アニエスの心を傷付けた人物の中に、どうして、ヘイストの名前が入ってこないんだ?」
「……え?」
ジェレミー殿下に呆れ顔で聞かれて、ヘイスト殿下は目をキョトンとさせた。
え?
じゃないでしょう?
黙っていられなくなって、ヘイスト殿下に語りかける。
「ヘイスト殿下、わたしが何に一番傷付いたかと聞かれましたら、あなたに信じてもらえなかった事です。ですから、昨日もお伝えしまししたが、もう一度お伝えします。あなたに未練などありません」
「アニエス…、信じてあげられなかった事に関しては、本当に悪かったと思っているよ。だけど、僕も被害者なんだ。キャロがあんな嘘をつかなければ、僕と君は今も婚約者同士だったんだよ」
「ヘイスト殿下、あなたが最初からわたしを信じてくださっていれば良かっただけです。それから、女子校に通う件ですが、殿下に意見される問題ではございません!」
「そ、そんな…」
ヘイスト殿下は後ろによろよろと後退った後、わたしに尋ねる。
「騙した方が悪いのに、アニエスは僕が悪いと言うのか?」
「もちろん、キャロライン達も悪いです。騙された事に関してはお気の毒だと思いますが、わたしを信じてくださらなかった事とは別です」
「アニエス、相手にするだけ無駄かもしれない。行こう」
ジェレミー殿下は私を促してから、ヘイスト殿下に向かって言う。
「ヘイスト、後でゆっくり話をしよう。ただ、これだけ言っておく。もう君はアニエスの婚約者じゃない。叔父上に何を言われたのかわからないが諦めるんだ。大体、婚約破棄したのはヘイストなんだから」
「そ、それはそうかもしれませんが…。アニエス! いいのかい!? 僕なら君と一緒に遠い地でもどこへでも行ってあげられる! 兄上は君と離れたら、他に女性を作るかもしれないよ!?」
「ヘイスト、君と一緒にしないでくれ」
ジェレミー殿下が呆れた表情で言うと、ヘイスト殿下は首を何度も横に振る。
「僕は浮気なんてしていません!」
「セバン子爵令嬢との件は浮気にちかいだろう?」
「浮気ではありません! 責任を取ろうとしただけです!」
「駄目だな。話が長くなりそうだから本当に無視して行こう」
「そうですわね。ここまで会話が通じないと、会話をする意味もないような気がしてきました」
後からジェレミー殿下はヘイスト殿下と改めて話をするようだけれど、しなくてもいい様な気がすると言ってしまったらヘイスト殿下に失礼かしら?
そんな事を思いながら、ジェレミー殿下と一緒にヘイスト殿下に背を向けて歩き出す。
「ま、待って! アニエス、1つだけ聞かせてほしい!」
「相手にしなくていいよ」
ヘイスト殿下に叫ばれて足を止めると、ジェレミー殿下が首を横に振った。
私もそうしたい所だけれど、ヘイスト殿下は諦めてくれなさそうだわ。
「答えておかないといつまでも追いかけてきそうな気がしますので、1つだけお答えします」
苦笑してジェレミー殿下に言うと、渋々といった感じで頷いてくれた。
距離は縮めずにヘイスト殿下に体だけ向けて問いかける。
「わたしに何をお聞きになりたいのですか?」
「女子校の件だよ」
「それがどうかしましたか?」
「さっきも聞いたけど、どうして女子校になんか行くんだよ!?」
「わたしは女性ですから女子校に行くんですが?」
本当はあなたが追いかけてきそうなので、新しい家族や伯父様達が配慮して女子校にしてくださったとは、さすがに言えない。
「僕が通えないじゃないか!」
「意味がわかりません。どうしてヘイスト殿下がわたしと同じ学校に通わないといけないのですか?」
「意味がわからないって、どうして、そんな事もわからないんだよ? 僕は男なんだよ?」
「存じております」
「僕は君と一緒の学園に通うと言ったじゃないか!」
ヘイスト殿下の瞳が潤んでいるのがわかって、少しだけ引いてしまう。
そんな事くらいで泣かないでほしい。
「それはヘイスト殿下が勝手に考えて勝手に決められただけですから、わたしには何の関係もございません。はっきり言わせていただきますが、わたしにはもうジェレミー殿下という婚約者がいますので、ヘイスト殿下のお気持ちは迷惑なのです」
王族相手にここまで言ってもいいのかと、言い終えてからひやりとしたけれど、ジェレミー殿下が心配ないと言わんばかり微笑んでくれたので心強い。
「どうしたら…、どうしたら、アニエスは許してくれるんだよ。僕はこんなに反省しているのに…!」
ヘイスト殿下は膝から床に崩れ落ちると、わあわあと泣き始めてしまった。
こういうところ、キャロラインとそっくりだわ。
似た者同士でやっぱりお似合いなんじゃないかしら?
婚約破棄してもらえて本当に良かったわ!
ジェレミー殿下がため息を吐いてから言うと、ヘイスト殿下は必死になって訴える。
「それは兄上がアニエスを必要とされていないから言える事なんです。アニエスが関わる事は僕にとって人生の最優先事項なんです!」
「……その割には婚約破棄はしたんだね?」
ジェレミー殿下が苦笑すると、ヘイスト殿下は焦った顔になって言い訳を始める。
「あの事に関しては僕は被害者なんです! 今回の事で自分が騙されやすい人間だという事に気付きました。二度と同じ様な間違いはしません! 人を疑ってかかる事にします!」
「そういう問題なのかどうかはわからないが…。とにかくヘイスト、もうアニエスには近付かないでくれ。私との婚約が正式に決まったんだ」
「でも、そうなると遠距離恋愛になりませんか!?」
ヘイスト殿下がジェレミー殿下に向かって強い口調で続ける。
「アニエスの心は傷付いています。友人に裏切られて家族にも捨てられて…、そんな時に婚約者が近くにいてあげないのはおかしいと思います!」
「ヘイスト、アニエスの心を傷付けた人物の中に、どうして、ヘイストの名前が入ってこないんだ?」
「……え?」
ジェレミー殿下に呆れ顔で聞かれて、ヘイスト殿下は目をキョトンとさせた。
え?
じゃないでしょう?
黙っていられなくなって、ヘイスト殿下に語りかける。
「ヘイスト殿下、わたしが何に一番傷付いたかと聞かれましたら、あなたに信じてもらえなかった事です。ですから、昨日もお伝えしまししたが、もう一度お伝えします。あなたに未練などありません」
「アニエス…、信じてあげられなかった事に関しては、本当に悪かったと思っているよ。だけど、僕も被害者なんだ。キャロがあんな嘘をつかなければ、僕と君は今も婚約者同士だったんだよ」
「ヘイスト殿下、あなたが最初からわたしを信じてくださっていれば良かっただけです。それから、女子校に通う件ですが、殿下に意見される問題ではございません!」
「そ、そんな…」
ヘイスト殿下は後ろによろよろと後退った後、わたしに尋ねる。
「騙した方が悪いのに、アニエスは僕が悪いと言うのか?」
「もちろん、キャロライン達も悪いです。騙された事に関してはお気の毒だと思いますが、わたしを信じてくださらなかった事とは別です」
「アニエス、相手にするだけ無駄かもしれない。行こう」
ジェレミー殿下は私を促してから、ヘイスト殿下に向かって言う。
「ヘイスト、後でゆっくり話をしよう。ただ、これだけ言っておく。もう君はアニエスの婚約者じゃない。叔父上に何を言われたのかわからないが諦めるんだ。大体、婚約破棄したのはヘイストなんだから」
「そ、それはそうかもしれませんが…。アニエス! いいのかい!? 僕なら君と一緒に遠い地でもどこへでも行ってあげられる! 兄上は君と離れたら、他に女性を作るかもしれないよ!?」
「ヘイスト、君と一緒にしないでくれ」
ジェレミー殿下が呆れた表情で言うと、ヘイスト殿下は首を何度も横に振る。
「僕は浮気なんてしていません!」
「セバン子爵令嬢との件は浮気にちかいだろう?」
「浮気ではありません! 責任を取ろうとしただけです!」
「駄目だな。話が長くなりそうだから本当に無視して行こう」
「そうですわね。ここまで会話が通じないと、会話をする意味もないような気がしてきました」
後からジェレミー殿下はヘイスト殿下と改めて話をするようだけれど、しなくてもいい様な気がすると言ってしまったらヘイスト殿下に失礼かしら?
そんな事を思いながら、ジェレミー殿下と一緒にヘイスト殿下に背を向けて歩き出す。
「ま、待って! アニエス、1つだけ聞かせてほしい!」
「相手にしなくていいよ」
ヘイスト殿下に叫ばれて足を止めると、ジェレミー殿下が首を横に振った。
私もそうしたい所だけれど、ヘイスト殿下は諦めてくれなさそうだわ。
「答えておかないといつまでも追いかけてきそうな気がしますので、1つだけお答えします」
苦笑してジェレミー殿下に言うと、渋々といった感じで頷いてくれた。
距離は縮めずにヘイスト殿下に体だけ向けて問いかける。
「わたしに何をお聞きになりたいのですか?」
「女子校の件だよ」
「それがどうかしましたか?」
「さっきも聞いたけど、どうして女子校になんか行くんだよ!?」
「わたしは女性ですから女子校に行くんですが?」
本当はあなたが追いかけてきそうなので、新しい家族や伯父様達が配慮して女子校にしてくださったとは、さすがに言えない。
「僕が通えないじゃないか!」
「意味がわかりません。どうしてヘイスト殿下がわたしと同じ学校に通わないといけないのですか?」
「意味がわからないって、どうして、そんな事もわからないんだよ? 僕は男なんだよ?」
「存じております」
「僕は君と一緒の学園に通うと言ったじゃないか!」
ヘイスト殿下の瞳が潤んでいるのがわかって、少しだけ引いてしまう。
そんな事くらいで泣かないでほしい。
「それはヘイスト殿下が勝手に考えて勝手に決められただけですから、わたしには何の関係もございません。はっきり言わせていただきますが、わたしにはもうジェレミー殿下という婚約者がいますので、ヘイスト殿下のお気持ちは迷惑なのです」
王族相手にここまで言ってもいいのかと、言い終えてからひやりとしたけれど、ジェレミー殿下が心配ないと言わんばかり微笑んでくれたので心強い。
「どうしたら…、どうしたら、アニエスは許してくれるんだよ。僕はこんなに反省しているのに…!」
ヘイスト殿下は膝から床に崩れ落ちると、わあわあと泣き始めてしまった。
こういうところ、キャロラインとそっくりだわ。
似た者同士でやっぱりお似合いなんじゃないかしら?
婚約破棄してもらえて本当に良かったわ!
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