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第25話 予想外の出来事 (ヘイストside)
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アニエスに会えない日が続いていて、とても辛い。
彼女は今頃はどうしているんだろう。
もしかして、兄上とイチャイチャしていたりするのかな?
そんなの絶対に許せない!
だって、アニエスはずっと、僕の婚約者だったのに、突然現れた兄上に盗られるだなんて、そんなの納得できるわけがない…!
自分の部屋に閉じ込められて、アニエスへの手紙も書けず、僕は兄上からいじめられている。
病弱だと思っていた兄上は仮病で、赤い瞳を持っていた。
兄弟である僕にまで嘘をついていた。
なんて酷い兄なんだろう!
その上に、アニエスまで奪うなんて!
これだから赤い瞳を持つ人間は嫌いなんだ…。
そういえば、アニエスも赤い瞳を持っていたっけ。
それはそれだ。
アニエスは少なくとも、僕に嘘なんてついていない。
赤い瞳にもマシな人間がいるという事なんだろうな。
アニエスは良い子だから、兄上の外面にコロリと騙されてしまった。
僕がキャロラインに騙されてしまったのと同じだ。
アニエスが目を覚ましてくれたら、僕は笑顔で許してあげなくちゃいけない。
だって、アニエスに冷たい態度を取られた時に、僕は本当に辛かったから。
そんな思いを彼女に味合わせるわけにはいかない。
それが僕なりの優しさで、その時にアニエスも僕の愛を改めて感じてくれるはずだ。
そんな事を考えていた時に、父上と母上と叔父上が揃って僕の部屋にやって来た。
今までは部屋から一歩も外に出られなかったけれど、学園に通う事は許してくれるという。
そして、父上は衝撃的な事を口にした。
ファブロー家の養子になりたいかと僕に聞いてきたんだ。
「父上は…、僕を捨てるつもりなんですか?」
「そういうつもりじゃない。お前が望まないのであれば、この話は無しにする」
「……」
苦しげな顔をしている父上と悲しげな顔をしている母上を見て、やはり、僕は2人に愛されているのだと思った。
兄上は王太子としてふさわしくないという事も感じた。
だって、僕はこんなにも両親に愛されているんだから、僕が王太子になるべきだ。
だから、養子の話はお断りしようと口を開こうとした時、叔父上が言った。
「ヘイスト、お前が私の家に来るというのであれば、アニエスがこれから住む事になるモナウ領のすぐ近くの学園に転入させてあげよう」
「ほ、本当ですか!?」
アニエスがこれから行く場所は王都からだとかなり遠い。
王族のままでいれば、アニエスと会う機会がなくなるけれど、公爵家の息子になれば、アニエスと会える様になる!
少なくとも、兄上とアニエスが会うよりもアニエスが僕と会う時間の方が、かなり多くなるはずだ。
そうしたらきっと、アニエスも僕との愛を思い出してくれるはず…。
「それなら、僕は叔父上の養子になります!」
公爵家の養子になったとしたら、僕はファブロー家を継ぐんだから、王子じゃなくても次期公爵だし、アニエスもきっと喜んでくれるはずだ。
叔父上は優しいし、父上と母上の様に口うるさく言う事もないから、良い事ばかりじゃないか!
「本当にそれでいいのね…?」
母上の目から涙がこぼれた。
だけど、もう決めたんだ。
男に二言はない。
「もちろんです!」
頷いた僕を見て、父上が残念そうな顔で言う。
「……ヘイスト、お前が通う学園については、こちらで決めさせてもらう。それがお前が養子にいく際の条件の一つだ」
「そんな…! 僕はアニエスのいる所に行きたいんです!」
「わかっている。アニエスが通う学園に近い学園にする事は約束する」
父上が難しい顔をして言った。
僕が息子じゃなくなる事が本当に辛いみたいだ。
申し訳ない気持ちにもなるけれど、僕とアニエスの仲が壊れたのは、父上と母上のせいでもある。
責任をとってもらわないといけない事は確かだ。
「父上と母上には申し訳ございませんが、愛を貫かせていただきます。そして、叔父上、僕に力を貸して下さい」
「もちろんだ。アニエスとの事を周りが反対したとしても、お前は気にしなくていい。いつかきっと、アニエスにはお前の思いが届くはずだ」
「叔父上…、ありがとうございます!」
僕の言葉を聞いた母上は、とうとう声を上げて泣き出してしまった。
しょうがない。
こうなる運命だったんだ。
養子縁組の手続きをしている期間中は部屋と学園の行き来しか出来なかった。
アニエスが旅立ったら、僕も後を追って旅立とうと思う。
偶然を装って旅の途中で会うのも良いかもしれない。
僕が追いかけてきたと知ったら、アニエスはどんな顔をするんだろう。
それを考えるだけでもワクワクした。
数日経ったある日、叔父上が部屋に入ってきて頭を下げてきた。
「すまないヘイスト。兄上にやられた…」
「兄上というのは父上の事ですよね? 一体何があったんです?」
尋ねると、叔父上は苦虫を噛み潰したような顔をして答えてくれる。
「お前が新しく通う学園の話だが…」
「もう決まったんですね!」
喜んでいると、叔父上は言う。
「お前が行く学園は全寮制の男子校だ」
男子校…?
しかも全寮制…?
「卒業するまでは、長期間の休み以外は学園の敷地内にある寮からは原則は出てはいけないらしい」
「そ…、そんな…、それじゃあ、アニエスに会えないじゃないですか!」
「しっかり確認しておかなかった私が悪い…。いや、兄上の性格が悪いんだ」
叔父上、いや、新しい父上は悔しそうな顔をして、唇を噛みしめた。
そんな、ありえない…。
もちろん、こんな事で諦めたりはしない。
だけど、僕とアニエスが仲直りできる日が急に遠ざかった様な気がした。
彼女は今頃はどうしているんだろう。
もしかして、兄上とイチャイチャしていたりするのかな?
そんなの絶対に許せない!
だって、アニエスはずっと、僕の婚約者だったのに、突然現れた兄上に盗られるだなんて、そんなの納得できるわけがない…!
自分の部屋に閉じ込められて、アニエスへの手紙も書けず、僕は兄上からいじめられている。
病弱だと思っていた兄上は仮病で、赤い瞳を持っていた。
兄弟である僕にまで嘘をついていた。
なんて酷い兄なんだろう!
その上に、アニエスまで奪うなんて!
これだから赤い瞳を持つ人間は嫌いなんだ…。
そういえば、アニエスも赤い瞳を持っていたっけ。
それはそれだ。
アニエスは少なくとも、僕に嘘なんてついていない。
赤い瞳にもマシな人間がいるという事なんだろうな。
アニエスは良い子だから、兄上の外面にコロリと騙されてしまった。
僕がキャロラインに騙されてしまったのと同じだ。
アニエスが目を覚ましてくれたら、僕は笑顔で許してあげなくちゃいけない。
だって、アニエスに冷たい態度を取られた時に、僕は本当に辛かったから。
そんな思いを彼女に味合わせるわけにはいかない。
それが僕なりの優しさで、その時にアニエスも僕の愛を改めて感じてくれるはずだ。
そんな事を考えていた時に、父上と母上と叔父上が揃って僕の部屋にやって来た。
今までは部屋から一歩も外に出られなかったけれど、学園に通う事は許してくれるという。
そして、父上は衝撃的な事を口にした。
ファブロー家の養子になりたいかと僕に聞いてきたんだ。
「父上は…、僕を捨てるつもりなんですか?」
「そういうつもりじゃない。お前が望まないのであれば、この話は無しにする」
「……」
苦しげな顔をしている父上と悲しげな顔をしている母上を見て、やはり、僕は2人に愛されているのだと思った。
兄上は王太子としてふさわしくないという事も感じた。
だって、僕はこんなにも両親に愛されているんだから、僕が王太子になるべきだ。
だから、養子の話はお断りしようと口を開こうとした時、叔父上が言った。
「ヘイスト、お前が私の家に来るというのであれば、アニエスがこれから住む事になるモナウ領のすぐ近くの学園に転入させてあげよう」
「ほ、本当ですか!?」
アニエスがこれから行く場所は王都からだとかなり遠い。
王族のままでいれば、アニエスと会う機会がなくなるけれど、公爵家の息子になれば、アニエスと会える様になる!
少なくとも、兄上とアニエスが会うよりもアニエスが僕と会う時間の方が、かなり多くなるはずだ。
そうしたらきっと、アニエスも僕との愛を思い出してくれるはず…。
「それなら、僕は叔父上の養子になります!」
公爵家の養子になったとしたら、僕はファブロー家を継ぐんだから、王子じゃなくても次期公爵だし、アニエスもきっと喜んでくれるはずだ。
叔父上は優しいし、父上と母上の様に口うるさく言う事もないから、良い事ばかりじゃないか!
「本当にそれでいいのね…?」
母上の目から涙がこぼれた。
だけど、もう決めたんだ。
男に二言はない。
「もちろんです!」
頷いた僕を見て、父上が残念そうな顔で言う。
「……ヘイスト、お前が通う学園については、こちらで決めさせてもらう。それがお前が養子にいく際の条件の一つだ」
「そんな…! 僕はアニエスのいる所に行きたいんです!」
「わかっている。アニエスが通う学園に近い学園にする事は約束する」
父上が難しい顔をして言った。
僕が息子じゃなくなる事が本当に辛いみたいだ。
申し訳ない気持ちにもなるけれど、僕とアニエスの仲が壊れたのは、父上と母上のせいでもある。
責任をとってもらわないといけない事は確かだ。
「父上と母上には申し訳ございませんが、愛を貫かせていただきます。そして、叔父上、僕に力を貸して下さい」
「もちろんだ。アニエスとの事を周りが反対したとしても、お前は気にしなくていい。いつかきっと、アニエスにはお前の思いが届くはずだ」
「叔父上…、ありがとうございます!」
僕の言葉を聞いた母上は、とうとう声を上げて泣き出してしまった。
しょうがない。
こうなる運命だったんだ。
養子縁組の手続きをしている期間中は部屋と学園の行き来しか出来なかった。
アニエスが旅立ったら、僕も後を追って旅立とうと思う。
偶然を装って旅の途中で会うのも良いかもしれない。
僕が追いかけてきたと知ったら、アニエスはどんな顔をするんだろう。
それを考えるだけでもワクワクした。
数日経ったある日、叔父上が部屋に入ってきて頭を下げてきた。
「すまないヘイスト。兄上にやられた…」
「兄上というのは父上の事ですよね? 一体何があったんです?」
尋ねると、叔父上は苦虫を噛み潰したような顔をして答えてくれる。
「お前が新しく通う学園の話だが…」
「もう決まったんですね!」
喜んでいると、叔父上は言う。
「お前が行く学園は全寮制の男子校だ」
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しかも全寮制…?
「卒業するまでは、長期間の休み以外は学園の敷地内にある寮からは原則は出てはいけないらしい」
「そ…、そんな…、それじゃあ、アニエスに会えないじゃないですか!」
「しっかり確認しておかなかった私が悪い…。いや、兄上の性格が悪いんだ」
叔父上、いや、新しい父上は悔しそうな顔をして、唇を噛みしめた。
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もちろん、こんな事で諦めたりはしない。
だけど、僕とアニエスが仲直りできる日が急に遠ざかった様な気がした。
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