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第32話 相談と初めての事
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城に帰ってすぐに、いきなりお願いする事は失礼だとわかっていながらも、ジェレミー殿下に謁見を求めた。
朝早い時間だというのにも関わらず、すでの起きていたジェレミー殿下は嫌な顔ひとつせずに、わたしを彼の部屋に招き入れてくれた。
ジェレミー殿下の部屋に入るのは初めてで、こんな時だというのにドキドキしてしまう。
と、そんな事を考えている場合ではないわね…。
広い部屋だからか、それとも家具が少ないからか、どこか殺風景なジェレミー殿下の部屋の一角にある、黒のソファーにすすめられて、大人しくそこに座ると、メイドがお茶を入れてくれてから部屋を出て行った。
ジェレミー殿下がわたしの横に座られたので、突然の来訪を詫びる事にする。
「あの、朝から突然、お伺いしてしまい申し訳ございませんでした。ただ、ご報告しておきたい事がありまして…」
そう言ってから、今日の朝の出来事をお伝えすると、ジェレミー殿下は申し訳ない顔をして謝ってくる。
「そんな事があったのか…。嫌な思いをさせてしまって悪かった。言い訳にしかならないが、ミシェル嬢がヘイストの婚約者になってからは、彼女が任せてくれと言うので、ヘイストの動きをそこまで追っていなかったんだ」
「私がジェレミー殿下の立場でしたら同じ様にしていたと思いますから、その事は気になさらないで下さい。ただ、一体、ミシェルはヘイスト様に何をしているんでしょうか…」
「彼女が来てから、ヘイストが大人しくなっているだけじゃなく、ファブロー公爵の動きまでもが鈍くなっている気がする」
「ファブロー公爵までですか?」
「ああ。ミシェル嬢がヘイストの婚約者に決まり、彼女が少しでも長くヘイストの傍にいたいからとファブロー公爵家に住む様になってからだな」
「ファブロー公爵が大人しくなってくれたのは有り難いですけれど、ヘイスト様のあの様子ですと、ミシェルが普通にお説教をしているだけとは思えませんでした…」
積極的にヘイスト様を助けてあげたいと思うわけではないけれど、あんな姿を見た以上、放っておくのも人としてどうかと思ってしまう。
もちろん、ヘイスト様が大げさに言っているだけの可能性もあるから何とも言えないところもあるのだけれど、ただ、ファブロー公爵の動きも変わってきたと言われると、良いことなのだろうけれど、やはり何かあるのかと気になってしまう。
「私は私でファブロー家の状況に探りを入れる事にしよう。君は君で、聞けるようならミシェル嬢に、ヘイストを好きになったきっかけや、家での様子などを聞いてくれないか? パーティーでの一目惚れなのか、そうだとしたらいつの誰の主催のパーティーなのかわかるようなら教えてほしい」
「…わかりました。あの、ジェレミー殿下…」
「何かな?」
「ミシェルは王家にとっては敵なのでしょうか? それとも…?」
「……今の状況でははっきりとは答えられないんだ。ミシェル嬢の家はファブロー公爵家の派閥だから、あまり王家の事をよく思っていないのは確かだろうね。だが、ミシェル嬢に親の事情など関係ないとしたら…?」
ミシェルのわたしに対する態度は、最初は嫌な時もあったけれど、今は打ち解けたからか、どちらかというと優しくなっている気がするし、わたしがムッとした事がわかると、「嫌わないでほしい」と謝ってきたりする。
甘い考えかもしれないけれど、ミシェルはわたしの敵だとは思えない。
だから、わたしが聞いたら、ミシェルは今、ファブロー公爵家でどんな事をしているのか素直に教えてくれるかしら?
重い表情でいたからか、ジェレミー殿下は膝の上に置いていた私の両手に、自分の両手を重ねて微笑む。
「不安なら何もしなくていい。ただ、君がミシェル嬢と仲が良いようだから聞けるなら聞いてくれれば良いと思っただけだよ」
「いいえ、大丈夫です。わたしも気になるので自分で聞いてみる事にします」
その後は急な来訪だったにも関わらず、わたしの分の朝食とジェレミー殿下の朝食をメイド達が部屋に運んでくれたので、初めて2人で朝食をとった。
「何だか緊張しますね」
「少しずつ慣れていこうね」
ジェレミー殿下の余裕の微笑みがわたしには眩しくて、この時は何を食べても味がしなかった。
そして次の日、ティータイムの時間にミシェルにヘイスト様についての話を聞く事にした。
というよりか、ミシェルはわたしとヘイスト様が昨日会っていた事を知っていたから、ミシェルの方から話し出してくれた。
「昨日はヘイスト様がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
「いいえ。ただ、びっくりしたわ。こんな事を聞くのもなんだけれど、あなたとヘイスト様の関係を教えてくれない? あなたはヘイスト様の事が本当に好きみたいだけど、それだけじゃない気がするわ」
「お話いたしますが、長くなってもよろしいでしょうか?」
「かまわないわ」
今日は特に予定があるわけではなかったから頷くと、ミシェルは話し始めてくれる。
「わたくしがヘイスト様を好きな気持ちは、ただ純粋な気持ちですわ。パーティーでお見かけして、わたくしが勝手に恋をしただけです。婚約者を募集していると聞いた時は嬉しくて小躍りしたくらいですのよ?」
ふふ、とミシェルは笑ってから続ける。
「ただ、ヘイスト様はファブロー公爵に洗脳されておられます。ですから、わたくしが洗脳からといてさしあげようとしているのです」
ミシェルはそこで言葉を区切ってから、彼女がファブロー公爵家に入ってから感じた話をしてくれたのだった。
朝早い時間だというのにも関わらず、すでの起きていたジェレミー殿下は嫌な顔ひとつせずに、わたしを彼の部屋に招き入れてくれた。
ジェレミー殿下の部屋に入るのは初めてで、こんな時だというのにドキドキしてしまう。
と、そんな事を考えている場合ではないわね…。
広い部屋だからか、それとも家具が少ないからか、どこか殺風景なジェレミー殿下の部屋の一角にある、黒のソファーにすすめられて、大人しくそこに座ると、メイドがお茶を入れてくれてから部屋を出て行った。
ジェレミー殿下がわたしの横に座られたので、突然の来訪を詫びる事にする。
「あの、朝から突然、お伺いしてしまい申し訳ございませんでした。ただ、ご報告しておきたい事がありまして…」
そう言ってから、今日の朝の出来事をお伝えすると、ジェレミー殿下は申し訳ない顔をして謝ってくる。
「そんな事があったのか…。嫌な思いをさせてしまって悪かった。言い訳にしかならないが、ミシェル嬢がヘイストの婚約者になってからは、彼女が任せてくれと言うので、ヘイストの動きをそこまで追っていなかったんだ」
「私がジェレミー殿下の立場でしたら同じ様にしていたと思いますから、その事は気になさらないで下さい。ただ、一体、ミシェルはヘイスト様に何をしているんでしょうか…」
「彼女が来てから、ヘイストが大人しくなっているだけじゃなく、ファブロー公爵の動きまでもが鈍くなっている気がする」
「ファブロー公爵までですか?」
「ああ。ミシェル嬢がヘイストの婚約者に決まり、彼女が少しでも長くヘイストの傍にいたいからとファブロー公爵家に住む様になってからだな」
「ファブロー公爵が大人しくなってくれたのは有り難いですけれど、ヘイスト様のあの様子ですと、ミシェルが普通にお説教をしているだけとは思えませんでした…」
積極的にヘイスト様を助けてあげたいと思うわけではないけれど、あんな姿を見た以上、放っておくのも人としてどうかと思ってしまう。
もちろん、ヘイスト様が大げさに言っているだけの可能性もあるから何とも言えないところもあるのだけれど、ただ、ファブロー公爵の動きも変わってきたと言われると、良いことなのだろうけれど、やはり何かあるのかと気になってしまう。
「私は私でファブロー家の状況に探りを入れる事にしよう。君は君で、聞けるようならミシェル嬢に、ヘイストを好きになったきっかけや、家での様子などを聞いてくれないか? パーティーでの一目惚れなのか、そうだとしたらいつの誰の主催のパーティーなのかわかるようなら教えてほしい」
「…わかりました。あの、ジェレミー殿下…」
「何かな?」
「ミシェルは王家にとっては敵なのでしょうか? それとも…?」
「……今の状況でははっきりとは答えられないんだ。ミシェル嬢の家はファブロー公爵家の派閥だから、あまり王家の事をよく思っていないのは確かだろうね。だが、ミシェル嬢に親の事情など関係ないとしたら…?」
ミシェルのわたしに対する態度は、最初は嫌な時もあったけれど、今は打ち解けたからか、どちらかというと優しくなっている気がするし、わたしがムッとした事がわかると、「嫌わないでほしい」と謝ってきたりする。
甘い考えかもしれないけれど、ミシェルはわたしの敵だとは思えない。
だから、わたしが聞いたら、ミシェルは今、ファブロー公爵家でどんな事をしているのか素直に教えてくれるかしら?
重い表情でいたからか、ジェレミー殿下は膝の上に置いていた私の両手に、自分の両手を重ねて微笑む。
「不安なら何もしなくていい。ただ、君がミシェル嬢と仲が良いようだから聞けるなら聞いてくれれば良いと思っただけだよ」
「いいえ、大丈夫です。わたしも気になるので自分で聞いてみる事にします」
その後は急な来訪だったにも関わらず、わたしの分の朝食とジェレミー殿下の朝食をメイド達が部屋に運んでくれたので、初めて2人で朝食をとった。
「何だか緊張しますね」
「少しずつ慣れていこうね」
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そして次の日、ティータイムの時間にミシェルにヘイスト様についての話を聞く事にした。
というよりか、ミシェルはわたしとヘイスト様が昨日会っていた事を知っていたから、ミシェルの方から話し出してくれた。
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