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閑話 ハヤテの鬼ごっこ①
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※『』内はハヤテとメルの会話や()内はハヤテの考えていることです。(空想の世界ですので、深く考えずにお読みください)
ハヤテは庭に出たかった。
いつもなら、扉の前に座っていれば出してくれるのに、どの人間に訴えても「今日は駄目よ」と言って扉を開けてくれない。
(どうして、外に出ちゃ駄目なんだろう)
吠えると叱られてしまうので、誰かが出ていくタイミングを狙って出ていこうと扉の前で辛抱強く座って待っていると、メルがやって来てハヤテの隣に座った。
『お昼寝の時間よ』
そう誘ってくれたけれど、ハヤテは外が気になってしょうがなかった。
『お外から知らない匂いがいっぱいするんだ』
『お客さんだと言っていたわ。お仕事してるらしいから駄目よ』
『やだ。遊ぶ!』
『困った子ね。勝手にしなさい』
メルはそんなハヤテを放って、自分の部屋に戻っていってしまった。
人が来るたびに外へ出してとお願いしたが、駄目で、とうとう寝そべって待つことにした。
すると、外側から扉が開いたので、勢いよく起き上がる。
開けてくれたのは見たことのない人間だった。
草をいっぱいつけていて、よく遊んでくれる庭師と雰囲気が似ていた。
(遊んでくれるかな?)
期待を込めてハヤテが近寄っていくと、男は最初は驚いた様子だったけれど、貼り付けたような笑みを浮かべてハヤテに向かって手を伸ばした。
『遊んでくれるの? 鬼ごっこしよう!』
勘違いしたハヤテは尻尾を振って喜んだあと、素早く逃げた。
でも、追いかけてくる様子がないので立ち止まって振り返る。
人間はまだ扉の近くにいた。
『あれ? 遊んでくれないの?』
ハヤテは不思議に思ったあと、もう一度、男に近付いていく。
男は周囲を見回したあと、ハヤテに向かって手を伸ばしたが、ハヤテはまた素早く距離を取った。
(ミレニアお姉ちゃんとよくやる鬼ごっこかな?)
実際は鬼ごっこではないのだが、ミレニアが鬼ごっこと名前をつけているため、そう覚えてしまった。
ミレニアとハヤテ、そして、たまにメルが参戦する鬼ごっこのルールは、逃げるハヤテを追いかけて遊ぶだけで、ハヤテが捕まったら負けだ。
メルが参戦している時は、ミレニアに付いてメルは走り、ミレニアがハヤテを見失ったら、メルがハヤテの所まで誘導する。
ミレニアの体力がなくなってしまい「おやつをあげるから帰りましょう」と言われたら、ハヤテの勝ちで鬼ごっこの終わりだった。
(勝ったら、この人もおやつくれるかなぁ?)
そう思って、ハヤテは逃げた。
けれど、相手はハヤテのほうを気にしながらも、他のことも気になっているようだということに、ハヤテは気が付いた。
(おかしいなぁ。遊んでくれないのかな?)
立ち止まって、また、近づいて行くと、男はポケットからおやつを取り出して、ハヤテに見せた。
『おやつだ!』
走り寄ると、なぜか、男はおやつを引っ込める。
『どうしてくれないの!?』
そんなことを繰り返していく内に、ハヤテは屋敷の外まで誘導されていった。
外に出て、男が扉を閉めたところで、ハヤテは男の持っているお菓子から、あまり美味しくなさそうな匂いがするのを感じた。
(おかしいなぁ。いつもここにいる人もいないし、それに、あんまり美味しくなさそうな匂いがする。なんか、薬みたい!)
ハヤテは薬が大嫌いだった。
「ほら、美味しいよ」
笑顔で男はおやつをハヤテに差し出してきた。
『美味しくなんかない!』
バウッ!
と一声吠えると、男から少しでも遠ざかるために、ハヤテは庭に向かって走り出したのだった。
ハヤテは庭に出たかった。
いつもなら、扉の前に座っていれば出してくれるのに、どの人間に訴えても「今日は駄目よ」と言って扉を開けてくれない。
(どうして、外に出ちゃ駄目なんだろう)
吠えると叱られてしまうので、誰かが出ていくタイミングを狙って出ていこうと扉の前で辛抱強く座って待っていると、メルがやって来てハヤテの隣に座った。
『お昼寝の時間よ』
そう誘ってくれたけれど、ハヤテは外が気になってしょうがなかった。
『お外から知らない匂いがいっぱいするんだ』
『お客さんだと言っていたわ。お仕事してるらしいから駄目よ』
『やだ。遊ぶ!』
『困った子ね。勝手にしなさい』
メルはそんなハヤテを放って、自分の部屋に戻っていってしまった。
人が来るたびに外へ出してとお願いしたが、駄目で、とうとう寝そべって待つことにした。
すると、外側から扉が開いたので、勢いよく起き上がる。
開けてくれたのは見たことのない人間だった。
草をいっぱいつけていて、よく遊んでくれる庭師と雰囲気が似ていた。
(遊んでくれるかな?)
期待を込めてハヤテが近寄っていくと、男は最初は驚いた様子だったけれど、貼り付けたような笑みを浮かべてハヤテに向かって手を伸ばした。
『遊んでくれるの? 鬼ごっこしよう!』
勘違いしたハヤテは尻尾を振って喜んだあと、素早く逃げた。
でも、追いかけてくる様子がないので立ち止まって振り返る。
人間はまだ扉の近くにいた。
『あれ? 遊んでくれないの?』
ハヤテは不思議に思ったあと、もう一度、男に近付いていく。
男は周囲を見回したあと、ハヤテに向かって手を伸ばしたが、ハヤテはまた素早く距離を取った。
(ミレニアお姉ちゃんとよくやる鬼ごっこかな?)
実際は鬼ごっこではないのだが、ミレニアが鬼ごっこと名前をつけているため、そう覚えてしまった。
ミレニアとハヤテ、そして、たまにメルが参戦する鬼ごっこのルールは、逃げるハヤテを追いかけて遊ぶだけで、ハヤテが捕まったら負けだ。
メルが参戦している時は、ミレニアに付いてメルは走り、ミレニアがハヤテを見失ったら、メルがハヤテの所まで誘導する。
ミレニアの体力がなくなってしまい「おやつをあげるから帰りましょう」と言われたら、ハヤテの勝ちで鬼ごっこの終わりだった。
(勝ったら、この人もおやつくれるかなぁ?)
そう思って、ハヤテは逃げた。
けれど、相手はハヤテのほうを気にしながらも、他のことも気になっているようだということに、ハヤテは気が付いた。
(おかしいなぁ。遊んでくれないのかな?)
立ち止まって、また、近づいて行くと、男はポケットからおやつを取り出して、ハヤテに見せた。
『おやつだ!』
走り寄ると、なぜか、男はおやつを引っ込める。
『どうしてくれないの!?』
そんなことを繰り返していく内に、ハヤテは屋敷の外まで誘導されていった。
外に出て、男が扉を閉めたところで、ハヤテは男の持っているお菓子から、あまり美味しくなさそうな匂いがするのを感じた。
(おかしいなぁ。いつもここにいる人もいないし、それに、あんまり美味しくなさそうな匂いがする。なんか、薬みたい!)
ハヤテは薬が大嫌いだった。
「ほら、美味しいよ」
笑顔で男はおやつをハヤテに差し出してきた。
『美味しくなんかない!』
バウッ!
と一声吠えると、男から少しでも遠ざかるために、ハヤテは庭に向かって走り出したのだった。
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