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プロローグ
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その日の夜空は雲一つない満天の星空で、見上げる私の心を穏やかな気持ちにさせてくれていた。
トニア公爵家の長女である私、ルリは、待ち合わせ場所である、屋敷の敷地内の噴水前のベンチに座って空を見上げていた。
妹から話したい事があると言われた際、諸事情で私は家族が住んでいる本邸には入れない為、私が住んでいる別邸に来てほしいと言ったけれど、妹がそれを嫌がった為、この場所で待ち合わせする事になった。
しばらくすると、外灯に照らされた小道から、継母の連れ子である、血の繋がらない妹のルピノが薄いピンク色のネグリジェという格好で現れた。
昼間は温かいけれど、夜は少し肌寒い。
だから、私は寝間着ではなく、薄いブルーのワンピースに黒のショールを羽織っていた。
彼女があまりにも薄着なので驚きながら、ベンチから立ち上がって声を掛ける。
「ルピノ…? そんな格好で寒くないの? それに、わざわざこんな所で話したいだなんて、一体どうしたの…?」
「あのね、お姉様…、私、縁談が決まりそうなの…」
「……そうなの? 忘れられない人がいるから、婚約者を決めないだなんて言っていたけど、覚悟を決めたのね?」
ルピノは私よりも3つ年下の16歳。
私の母は早くに亡くなっており、ルピノのお母様が私の新しいお母様になった…はずだった。
ルピノは美人の継母に良く似た、とても美しい顔立ちで、立ち居振る舞いも儚げで、男性の庇護欲をそそる。
彼女もそろそろ婚約者が必要だと言われていたけれど、彼女はそれを嫌がり続けていた。
彼女には初恋の人がいて、その人を忘れられないというのが理由だった。
「ええ。覚悟を決めたわ…」
ルピノは頷き、ウェーブのかかった長い髪と同じ色のエメラルドグリーンの瞳を私に向けた。
「そう…。本当なら、好きな人と結ばれてほしかったけれど残念ね」
「そうね。だけど、大丈夫。お相手は良い人だから」
「それなら良かったわ。でも、話はそれだけ…? それなら、別にこんなところで話をしなくても良かったんじゃ…」
「まだよ、お姉様。本題はここから。私の婚約者になる人を紹介するわ」
「……婚約者になる人を紹介?」
今日はお客様が来ているだなんて話は聞いていない。
お父様はお兄様に留守を任せて、領地の巡回に行っているから、婚約者になる人を紹介するのが今だなんておかしい。
訝しく思っていると、ルピノの背後の暗闇から現れた男性の姿を見て、私は息を呑んだ。
現れたのは、私達の住んでいる国、レブルン国の第一王子であり、私の婚約者でもある、セイン王太子殿下だった。
「どうして、セイン王太子殿下がここに…?」
「まだわからないのか?」
セイン殿下は顔にかかった赤色の前髪をはらい、整った顔を歪めて言った。
「……何の話でしょうか…?」
「俺とルピノは愛し合ってるんだ。君にわかる様に何度も見せつけていただろう? そろそろ、君の方から婚約破棄してくれないか? そして、ルピノの代わりに隣国の王太子の元に嫁いでくれ」
「愛し合っている!? それに、隣国の王太子殿下の元に嫁げだなんて、何を言ってらっしゃるんですか!?」
「そのままの意味だよ」
セイン様はふぅと息を吐くと、ルピノの肩を抱き寄せて言う。
「君よりもルピノの方が可愛い。これで納得してくれるかな?」
「納得しろ…?」
自分の声が震えるのがわかった。
それが怒りでなのか、裏切られたショックでなのか、驚きでなのかはわからない。
見せつけていたと言われたけれど、私の前で2人は談笑するくらいで、大して気になる様なものではなかった。
だからこそ、周りも止めなかったし、私に何も言わなかった。
視線を感じて、ルピノの方を見ると、勝ち誇った様な表情の彼女と目があった。
「あなた、隣国の王太子殿下のところに嫁ぎたくないだけでしょう…」
「そうじゃないわ! 私はセイン殿下に恋に落ちたの」
ルピノと言い合ってもしょうがないと感じ、セイン殿下に尋ねる。
「……国王陛下はご存知なのですか?」
「まだだよ。君の父がこちらに戻ってきた時に、同時に話すつもりだ」
「隣国の王太子殿下の元に嫁ぐとは…?」
ルピノにそんな話があったなんて初めて知った。
ルピノもそれを知ったから、慌てて、セイン殿下を誘惑したんだと思われる。
「父上の方に隣国から連絡があって、王太子はトニア公爵家の娘を妻にしたいと言っているらしい」
トニア公爵家の娘といえば、私とルピノしかいない。
私には婚約者がいるのはわかっていただろうから、相手はルピノの事を指名しているはず…。
「そんな事をすれば国際問題になるのでは…?」
「君だってトニア公爵家の娘なんだから問題ないだろ? それに、この件で何が起きたって僕が知った事ではない。父上や君のお父上、宰相、外務大臣が何とかすればいいだけだ。でも、まずは君から婚約破棄をしてもらわないと、ルピノと婚約出来ないな」
「婚約の破棄など、私が勝手に判断ができるわけないではありませんか! お父様や国王陛下も交えてお話すべき事です!」
どうしてそんな事もわからないのか、それが私にはわからなかった。
セイン殿下が賢くないという事は薄々気付いてはいたけれど、ここまでとは思っていなかった。
セイン殿下は私に叱られて気分を害したのか、私を軽く睨んで口を開く。
「もういい! 行こう、ルピノ! 今から、僕の中での婚約者はルピノだ! ルリがこんなに話の通じない人間だとは思わなかった! 君の顔は二度と見たくない!」
「ごめんなさいね、お姉様。私、どんな人かわからない人の元には嫁ぎたくないの。お姉様の代わりに幸せになるから許してね?」
ルピノは、色んな感情がごちゃ混ぜになって、何も言えなくなっている私に吐き捨てる様に言うと、セイン様と腕を組んで去っていった。
トニア公爵家の長女である私、ルリは、待ち合わせ場所である、屋敷の敷地内の噴水前のベンチに座って空を見上げていた。
妹から話したい事があると言われた際、諸事情で私は家族が住んでいる本邸には入れない為、私が住んでいる別邸に来てほしいと言ったけれど、妹がそれを嫌がった為、この場所で待ち合わせする事になった。
しばらくすると、外灯に照らされた小道から、継母の連れ子である、血の繋がらない妹のルピノが薄いピンク色のネグリジェという格好で現れた。
昼間は温かいけれど、夜は少し肌寒い。
だから、私は寝間着ではなく、薄いブルーのワンピースに黒のショールを羽織っていた。
彼女があまりにも薄着なので驚きながら、ベンチから立ち上がって声を掛ける。
「ルピノ…? そんな格好で寒くないの? それに、わざわざこんな所で話したいだなんて、一体どうしたの…?」
「あのね、お姉様…、私、縁談が決まりそうなの…」
「……そうなの? 忘れられない人がいるから、婚約者を決めないだなんて言っていたけど、覚悟を決めたのね?」
ルピノは私よりも3つ年下の16歳。
私の母は早くに亡くなっており、ルピノのお母様が私の新しいお母様になった…はずだった。
ルピノは美人の継母に良く似た、とても美しい顔立ちで、立ち居振る舞いも儚げで、男性の庇護欲をそそる。
彼女もそろそろ婚約者が必要だと言われていたけれど、彼女はそれを嫌がり続けていた。
彼女には初恋の人がいて、その人を忘れられないというのが理由だった。
「ええ。覚悟を決めたわ…」
ルピノは頷き、ウェーブのかかった長い髪と同じ色のエメラルドグリーンの瞳を私に向けた。
「そう…。本当なら、好きな人と結ばれてほしかったけれど残念ね」
「そうね。だけど、大丈夫。お相手は良い人だから」
「それなら良かったわ。でも、話はそれだけ…? それなら、別にこんなところで話をしなくても良かったんじゃ…」
「まだよ、お姉様。本題はここから。私の婚約者になる人を紹介するわ」
「……婚約者になる人を紹介?」
今日はお客様が来ているだなんて話は聞いていない。
お父様はお兄様に留守を任せて、領地の巡回に行っているから、婚約者になる人を紹介するのが今だなんておかしい。
訝しく思っていると、ルピノの背後の暗闇から現れた男性の姿を見て、私は息を呑んだ。
現れたのは、私達の住んでいる国、レブルン国の第一王子であり、私の婚約者でもある、セイン王太子殿下だった。
「どうして、セイン王太子殿下がここに…?」
「まだわからないのか?」
セイン殿下は顔にかかった赤色の前髪をはらい、整った顔を歪めて言った。
「……何の話でしょうか…?」
「俺とルピノは愛し合ってるんだ。君にわかる様に何度も見せつけていただろう? そろそろ、君の方から婚約破棄してくれないか? そして、ルピノの代わりに隣国の王太子の元に嫁いでくれ」
「愛し合っている!? それに、隣国の王太子殿下の元に嫁げだなんて、何を言ってらっしゃるんですか!?」
「そのままの意味だよ」
セイン様はふぅと息を吐くと、ルピノの肩を抱き寄せて言う。
「君よりもルピノの方が可愛い。これで納得してくれるかな?」
「納得しろ…?」
自分の声が震えるのがわかった。
それが怒りでなのか、裏切られたショックでなのか、驚きでなのかはわからない。
見せつけていたと言われたけれど、私の前で2人は談笑するくらいで、大して気になる様なものではなかった。
だからこそ、周りも止めなかったし、私に何も言わなかった。
視線を感じて、ルピノの方を見ると、勝ち誇った様な表情の彼女と目があった。
「あなた、隣国の王太子殿下のところに嫁ぎたくないだけでしょう…」
「そうじゃないわ! 私はセイン殿下に恋に落ちたの」
ルピノと言い合ってもしょうがないと感じ、セイン殿下に尋ねる。
「……国王陛下はご存知なのですか?」
「まだだよ。君の父がこちらに戻ってきた時に、同時に話すつもりだ」
「隣国の王太子殿下の元に嫁ぐとは…?」
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「父上の方に隣国から連絡があって、王太子はトニア公爵家の娘を妻にしたいと言っているらしい」
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私には婚約者がいるのはわかっていただろうから、相手はルピノの事を指名しているはず…。
「そんな事をすれば国際問題になるのでは…?」
「君だってトニア公爵家の娘なんだから問題ないだろ? それに、この件で何が起きたって僕が知った事ではない。父上や君のお父上、宰相、外務大臣が何とかすればいいだけだ。でも、まずは君から婚約破棄をしてもらわないと、ルピノと婚約出来ないな」
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セイン殿下は私に叱られて気分を害したのか、私を軽く睨んで口を開く。
「もういい! 行こう、ルピノ! 今から、僕の中での婚約者はルピノだ! ルリがこんなに話の通じない人間だとは思わなかった! 君の顔は二度と見たくない!」
「ごめんなさいね、お姉様。私、どんな人かわからない人の元には嫁ぎたくないの。お姉様の代わりに幸せになるから許してね?」
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