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41 反撃に向けて ①
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気合を入れ直しているとジェリク様が戻ってきたので、私は早速先ほど見た夢を報告しました。
ジェリク様は以前、私が突然眠って予知夢を見たことを知っていますので、すんなり話したことを信じてくれました。
「息子が可愛いのはわかるが、発言は人として終わっているな」
「王妃陛下が国王陛下のことを信用していない部分があることはわかります。そのことで、国王陛下の意見が通らなかったことがあるのかもしれません。かといって、そこまで恨まれるようなことはしていないと思うのです」
「王妃陛下にしてみれば、国民のためにやらなければならないことをやって、国王陛下にも理解してもらっていると考えていたんだろうな」
私の予知夢を信じて、王太子教育をしなかったことを、陛下は不満に思っているのかもしれません。
ああ……、でも、きっとそれだけではないですね。
「国王陛下はサブル殿下のことを自分によく似ているとおっしゃっていました。ということは、サブル殿下がジェリク様に抱いていた感情が、国王陛下にも芽生えてしまったということでしょうか」
「殿下が俺にコンプレックスを抱いていたように国王陛下も王妃陛下にコンプレックスを抱いていたということか?」
「そうかもしれません。昔から頭が上がらないようでした。慕われている王妃陛下を見て悔しく思ったのではないでしょうか」
「殿下も俺のことを消したいと思ったことはあるんだろうか」
苦笑するジェリク様を見て、私は慌てて否定します。
「配慮のない発言をしてしまい申し訳ございません。サブル殿下の場合はジェリク様の手に入らないものを自分が持っているという優越感があったので、そこまでの感情に至っていないと思います」
「気遣ってくれてありがとう。今となっては、傷ついたりしていないから大丈夫だ」
ジェリク様は微笑んだあと、話を戻します。
「国王陛下にしてみれば、王太子として教育するのではなく、見守ることにしたのも気に食わないのかもしれないな」
そんな話をしたあと、ジェリク様は上着から手帳を取り出し、空白のページを破くと、備え付けられていたペンで走り書きをしました。
その後、窓を開けて馬車の護衛をしてくれている騎士にその紙を渡し、お義父様に緊急で届けるように指示をしてくれたのでした。
トレジット公爵家に着いた頃には夕方近くになっていました。お義父様と話をするために帰りを待っていましたが、夕食の時間になっても戻らなかったため、先に夕食をとることになりました。
お義母様はお義父様を待つので、先に食べておいてほしいとのことだったため、ダイニングルームには私とジェリク様、使用人しかいません。
いつもジェリク様は私の向かい側で夕食をとっているのですが、なぜか今日は笑顔で私の隣に座りました。そのせいか、使用人たちは一気に食事を運び終えると、ニコニコしながらダイニングルームを出ていきました。
どうやら、気を遣って二人きりにしてくれたようで、ちょうど聞き忘れていたことがあった私にはありがたいことです。
「聞き忘れていたのですが、テータ男爵令息たちはどうなったのでしょうか」
「少し脅したら逃げていった」
「少し脅す……ですか」
ジェリク様がどんなことをしたか、はっきりとはわかりませんが、彼らが怯えて逃げ帰っていく姿は想像できます。
「もう二度と君の前には現れないから安心してくれ。万が一、君が彼らを目撃したり話しかけられたりした場合は、すぐに俺に報告してほしい」
「……承知いたしました」
ジェリク様の笑顔が恐ろしく感じてしまい、答えるのに少し間が空いてしまいました。
それにしてもどうして、テータ男爵令息たちはお姉様の言葉を無条件に信じたのでしょうか。元々、私のことをよく思っていなかったから、自分の聞きたい情報しか耳に入れなかったというところですかね。
少し考えれば、それが嘘だったら大変なことになるとわかるはずです。お姉様の友人ですし、お姉様と同じように楽観的だったにしても酷すぎます。
庶民になったら、今までのように偉そうな態度は取れません。自分のしたことがいけなかったことだと、心から反省してほしいものです。
「……そういえば、お姉様があの後、どうなったかわかりますか?」
「夜遅くには、彼女を監視させている人間が戻ってくると思う。明日の朝の報告でもいいか?」
「もちろんです。王妃陛下の件を優先しましょう。それに、サブル殿下の件がどうなったかも気になります」
「そうだな。その話も父上から一緒に聞こう」
「はい! では、食事に集中しましょうか」
目の前には前菜やスープにサラダ、メインディッシュなどが並べられています。
お祈りを捧げてからフォークを手に取ったところ、熱い視線を感じて目を向けます。すると、まったく食事をする気配のない、笑顔のジェリク様と目が合いました。
「食べないのですか?」
「シアリンが食べている姿を見てから食べる」
「見なくていいです! と言いますか、これからいくらでも見られるのですから、今は私を見ずに食べてください!」
「……そうだな。これからいくらでも見られるものな」
問題は山積みですが、ジェリク様のおかげで、少し気持ちが楽になりました。そして、私たちがいつも以上に時間をかけて食事を終えた頃、お義父様が帰ってきたのでした。
ジェリク様は以前、私が突然眠って予知夢を見たことを知っていますので、すんなり話したことを信じてくれました。
「息子が可愛いのはわかるが、発言は人として終わっているな」
「王妃陛下が国王陛下のことを信用していない部分があることはわかります。そのことで、国王陛下の意見が通らなかったことがあるのかもしれません。かといって、そこまで恨まれるようなことはしていないと思うのです」
「王妃陛下にしてみれば、国民のためにやらなければならないことをやって、国王陛下にも理解してもらっていると考えていたんだろうな」
私の予知夢を信じて、王太子教育をしなかったことを、陛下は不満に思っているのかもしれません。
ああ……、でも、きっとそれだけではないですね。
「国王陛下はサブル殿下のことを自分によく似ているとおっしゃっていました。ということは、サブル殿下がジェリク様に抱いていた感情が、国王陛下にも芽生えてしまったということでしょうか」
「殿下が俺にコンプレックスを抱いていたように国王陛下も王妃陛下にコンプレックスを抱いていたということか?」
「そうかもしれません。昔から頭が上がらないようでした。慕われている王妃陛下を見て悔しく思ったのではないでしょうか」
「殿下も俺のことを消したいと思ったことはあるんだろうか」
苦笑するジェリク様を見て、私は慌てて否定します。
「配慮のない発言をしてしまい申し訳ございません。サブル殿下の場合はジェリク様の手に入らないものを自分が持っているという優越感があったので、そこまでの感情に至っていないと思います」
「気遣ってくれてありがとう。今となっては、傷ついたりしていないから大丈夫だ」
ジェリク様は微笑んだあと、話を戻します。
「国王陛下にしてみれば、王太子として教育するのではなく、見守ることにしたのも気に食わないのかもしれないな」
そんな話をしたあと、ジェリク様は上着から手帳を取り出し、空白のページを破くと、備え付けられていたペンで走り書きをしました。
その後、窓を開けて馬車の護衛をしてくれている騎士にその紙を渡し、お義父様に緊急で届けるように指示をしてくれたのでした。
トレジット公爵家に着いた頃には夕方近くになっていました。お義父様と話をするために帰りを待っていましたが、夕食の時間になっても戻らなかったため、先に夕食をとることになりました。
お義母様はお義父様を待つので、先に食べておいてほしいとのことだったため、ダイニングルームには私とジェリク様、使用人しかいません。
いつもジェリク様は私の向かい側で夕食をとっているのですが、なぜか今日は笑顔で私の隣に座りました。そのせいか、使用人たちは一気に食事を運び終えると、ニコニコしながらダイニングルームを出ていきました。
どうやら、気を遣って二人きりにしてくれたようで、ちょうど聞き忘れていたことがあった私にはありがたいことです。
「聞き忘れていたのですが、テータ男爵令息たちはどうなったのでしょうか」
「少し脅したら逃げていった」
「少し脅す……ですか」
ジェリク様がどんなことをしたか、はっきりとはわかりませんが、彼らが怯えて逃げ帰っていく姿は想像できます。
「もう二度と君の前には現れないから安心してくれ。万が一、君が彼らを目撃したり話しかけられたりした場合は、すぐに俺に報告してほしい」
「……承知いたしました」
ジェリク様の笑顔が恐ろしく感じてしまい、答えるのに少し間が空いてしまいました。
それにしてもどうして、テータ男爵令息たちはお姉様の言葉を無条件に信じたのでしょうか。元々、私のことをよく思っていなかったから、自分の聞きたい情報しか耳に入れなかったというところですかね。
少し考えれば、それが嘘だったら大変なことになるとわかるはずです。お姉様の友人ですし、お姉様と同じように楽観的だったにしても酷すぎます。
庶民になったら、今までのように偉そうな態度は取れません。自分のしたことがいけなかったことだと、心から反省してほしいものです。
「……そういえば、お姉様があの後、どうなったかわかりますか?」
「夜遅くには、彼女を監視させている人間が戻ってくると思う。明日の朝の報告でもいいか?」
「もちろんです。王妃陛下の件を優先しましょう。それに、サブル殿下の件がどうなったかも気になります」
「そうだな。その話も父上から一緒に聞こう」
「はい! では、食事に集中しましょうか」
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「食べないのですか?」
「シアリンが食べている姿を見てから食べる」
「見なくていいです! と言いますか、これからいくらでも見られるのですから、今は私を見ずに食べてください!」
「……そうだな。これからいくらでも見られるものな」
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