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51 都合のいい女ではありませんので②
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「あなたがそんな状態になったのはわたしだけのせいではありません。多くはあなたの責任です」
「ふざけたことを言わないでくれ! 騙されなければ良いだけの話だろう!」
オズックに偉そうに話をされる筋合いはないのだけれど、結末は同じだから、今はもうどうでも良かった。
でも、フィルは納得いかないようでオズックを注意する。
「伯爵令息が侯爵令嬢に偉そうに言うな」
「結婚して、リアド辺境伯家から離籍するんでしょう? なら、あなたはもう辺境伯令息じゃない!」
「そうだな。その代わり、アルミラが侯爵位を継ぐまでは、父が持っていた爵位の一つの伯爵を授けてもらうことになってる。だから、俺もお前に偉そうに言われる筋合いはない」
フィルはそう言ってオズックを黙らせると、わたしに顔を向ける。
「もう話は終わりでいいだろう」
「もう少しだけ待って。これだけ言わせて」
わたしはオズックに近づいて微笑みかける。
「あなたにとって昔のわたしは、あなたの言うことを信じて疑わない、都合のいい女だったんですよね?」
「そうだよ。だけど、今はそんなことは思ってない。君は冷たい人間だ!」
「そうね、そう思うわ。だけど、あなたが相手なら、都合のいい女よりも冷たい人間だと思われたほうがよっぽど嬉しい」
そう言うと、オズックは目を見開いてわたしを見上げた。
「オズック様、あなたは車椅子姿の自分を見せて、わたしの同情を買おうとしたようですけれど、わたしはあなたの思っているような都合のいい女ではありませんので、よりを戻せるだなんて馬鹿なことを思わないでくださいね」
「なんてことを言うんだよ! 本当に最低な女だな!」
そう言って、オズックは立ち上がると、車椅子を後ろに押しやって叫ぶ。
「見てろよ! お前の本性を暴いて結婚式を台無しにしてやる!」
「無理よ」
冷たく言い返すと、オズックはわたしを睨み付けてきた。
「オレの言ったことが嘘だとすぐにわかるって言いたいのか? そうだとしても結婚式が台無しになるのは確かだ」
「だから、そうはさせないの」
わたしがそう言ってすぐに控室の扉が開き、数人の騎士が中に入ってくると、オズックの両腕を掴んだ。
「大きな声でアルミラ様を脅迫していたようですので、警察所まで同行願います」
「どうしてそんなことになるんだ! オレは何もしてないだろう! 脅迫とまではいかない!」
「結婚式を台無しにしてやるという言葉は迷惑行為に値するだろ。迷惑だから消えてくれ」
フィルに言われたオズックは唇を噛んだかと思うと、顔をくしゃくしゃにして叫ぶ。
「痛い! 足が痛い! 見てくれ! 車椅子でしか動けない僕をフィリップ様が無理やり立たせようとしたんだ!」
「警察に行って好きなだけ主張しろ。式が無事に終えたら相手しに行ってやる」
「その時は、わたしたちとオズック様が顔を合わせる最後になると思いますので、楽しみにしておいてくださいね」
フィルの言葉にわたしが笑顔で付け加えると、オズックは慌てて首を横に振る。
「いや、違う。間違ってた。僕は何も言っていない! 今日は気分が優れない! もう帰るんだ!」
抵抗も虚しく、オズックは騎士たちに控室から連れ出されていった。
*****
無事に結婚式が終わったあと、フィルと一緒にオズックの様子を確認しようとしたところ、すでにヨレドロール公爵閣下が動いてくれていた。
話を聞くと、オズックは警察署には連れて行かれず、山奥にある身寄りのない人たちだけが集まる病院に送られていた。
オズックは多少は歩けるようになったものの、長い距離は歩けない。
だから、病院から逃げ出すことはできそうになく、山には多くの凶暴な肉食動物がいるため、逃げ出しても山の麓にたどり着く前に動物に襲われてしまうとのことだった。
そこに送られると決まった時、オズックは泣いて許しをこうたそうだけど、ヨレドロール公爵閣下は躊躇う様子もなく、騎士に連れて行かせたらしい。
オズックが病院に送られてから約1年が経った頃に、わたしのお腹に生命が宿った。
まだ、膨らみのないお腹をさすりながら、わたしは話を聞いて、落ち着かないフィルに話しかける。
「フィル、お腹の子が女の子だったら、変な男性につかまらないように育てましょうね」
「男の子だったとしても、ルララ辺境伯令嬢やブァーガルド嬢みたいな女性につかまらないようにさせないとな」
「そういえば、ルララ辺境伯令嬢は婚約者も見つからないし、家族にも冷遇されているみたいよ」
「好き勝手やってきたんだ。そうなるだろ」
ソファに座っていたわたしの横に、フィルは腰掛けると、ぎゅっと抱きしめてきた。
そんな彼の胸に頭を寄せて言う。
「フィルのお陰で幸せになれたわ。本当にありがとう」
「まだまだこれからだよ」
「どういうこと?」
「子供が生まれたら、もっと幸せだろ」
「そうね。人によって幸せの形は違うけれど、わたしたちにとっては最高の幸せね」
「アルミラのことも子供のこども、絶対に幸せにするから」
「ありがとう、フィル。わたしもあなたと生まれてくる子供幸せにできるように努力するわ」
わたしの言葉を聞いたフィルは、わたしを抱きしめる腕の力を強めた。
都合のいい女扱いをされた時もあったけれど、これからの未来が幸せならば、良い勉強になったと思うのは、わたしの考えが甘いからかしら。
そんなことを思ったあと、フィルを見上げる。
「どうかしたのか?」
「ううん。ありがとう、フィル」
「どういたしまして」
彼の頬に口付けると、お返しと言わんばかりに、フィルはわたしの唇に自分の唇を重ねた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
お気に入り、しおりなど励みになりました。
新作「役立たずの聖女はいらないと他国に追いやられましたが、おかげで幸せになれました」を投稿しておりますので、そちらでお会いできましたら幸いです。
以下、長めのあとがきと少し暗い話になりますので、それでも読むよ、という方はスクロールをお願いいたします。
相変わらずクズばかりのお話で申し訳ございません!
オズックやアフックのような考え方の人物って、ここまで酷くはなかったと思いますが、実際にいたのです。
「オレはカッコいい」「オレに誘われたらほとんどの女はオチる」的な考えですね。
そして、そういう人間ってオチそうな人間に目星をつけてます。
オチてしまう女性もいたのも確かです。
これはお話で貴族の話なのだから、そんな馬鹿なことはしないでしょう。
なんて思われるかもしれませんが、時代劇でいうお代官様も位は高いですし、こんなお話も中にはあっても良いよね、と思って書きました。
胸糞!
となっていただけていたのであれば、ムカつく男を上手く表現?できたのかなと思っております。
ファニのように彼女がいる男性を魅力的に思ってしまう女性もいます。
もしくは、好きになる人が既婚者ばかりという方も。
色々と人間を見てきたうえでできたのがファニでした。
感想は個人的な都合により、閉じたままにさせていただきます。
誠に申し訳ございません。
長々と書きましたが、また今日から始めました新作や他作品などでお会いできましたら幸いです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
「ふざけたことを言わないでくれ! 騙されなければ良いだけの話だろう!」
オズックに偉そうに話をされる筋合いはないのだけれど、結末は同じだから、今はもうどうでも良かった。
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フィルはそう言ってオズックを黙らせると、わたしに顔を向ける。
「もう話は終わりでいいだろう」
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わたしはオズックに近づいて微笑みかける。
「あなたにとって昔のわたしは、あなたの言うことを信じて疑わない、都合のいい女だったんですよね?」
「そうだよ。だけど、今はそんなことは思ってない。君は冷たい人間だ!」
「そうね、そう思うわ。だけど、あなたが相手なら、都合のいい女よりも冷たい人間だと思われたほうがよっぽど嬉しい」
そう言うと、オズックは目を見開いてわたしを見上げた。
「オズック様、あなたは車椅子姿の自分を見せて、わたしの同情を買おうとしたようですけれど、わたしはあなたの思っているような都合のいい女ではありませんので、よりを戻せるだなんて馬鹿なことを思わないでくださいね」
「なんてことを言うんだよ! 本当に最低な女だな!」
そう言って、オズックは立ち上がると、車椅子を後ろに押しやって叫ぶ。
「見てろよ! お前の本性を暴いて結婚式を台無しにしてやる!」
「無理よ」
冷たく言い返すと、オズックはわたしを睨み付けてきた。
「オレの言ったことが嘘だとすぐにわかるって言いたいのか? そうだとしても結婚式が台無しになるのは確かだ」
「だから、そうはさせないの」
わたしがそう言ってすぐに控室の扉が開き、数人の騎士が中に入ってくると、オズックの両腕を掴んだ。
「大きな声でアルミラ様を脅迫していたようですので、警察所まで同行願います」
「どうしてそんなことになるんだ! オレは何もしてないだろう! 脅迫とまではいかない!」
「結婚式を台無しにしてやるという言葉は迷惑行為に値するだろ。迷惑だから消えてくれ」
フィルに言われたオズックは唇を噛んだかと思うと、顔をくしゃくしゃにして叫ぶ。
「痛い! 足が痛い! 見てくれ! 車椅子でしか動けない僕をフィリップ様が無理やり立たせようとしたんだ!」
「警察に行って好きなだけ主張しろ。式が無事に終えたら相手しに行ってやる」
「その時は、わたしたちとオズック様が顔を合わせる最後になると思いますので、楽しみにしておいてくださいね」
フィルの言葉にわたしが笑顔で付け加えると、オズックは慌てて首を横に振る。
「いや、違う。間違ってた。僕は何も言っていない! 今日は気分が優れない! もう帰るんだ!」
抵抗も虚しく、オズックは騎士たちに控室から連れ出されていった。
*****
無事に結婚式が終わったあと、フィルと一緒にオズックの様子を確認しようとしたところ、すでにヨレドロール公爵閣下が動いてくれていた。
話を聞くと、オズックは警察署には連れて行かれず、山奥にある身寄りのない人たちだけが集まる病院に送られていた。
オズックは多少は歩けるようになったものの、長い距離は歩けない。
だから、病院から逃げ出すことはできそうになく、山には多くの凶暴な肉食動物がいるため、逃げ出しても山の麓にたどり着く前に動物に襲われてしまうとのことだった。
そこに送られると決まった時、オズックは泣いて許しをこうたそうだけど、ヨレドロール公爵閣下は躊躇う様子もなく、騎士に連れて行かせたらしい。
オズックが病院に送られてから約1年が経った頃に、わたしのお腹に生命が宿った。
まだ、膨らみのないお腹をさすりながら、わたしは話を聞いて、落ち着かないフィルに話しかける。
「フィル、お腹の子が女の子だったら、変な男性につかまらないように育てましょうね」
「男の子だったとしても、ルララ辺境伯令嬢やブァーガルド嬢みたいな女性につかまらないようにさせないとな」
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「まだまだこれからだよ」
「どういうこと?」
「子供が生まれたら、もっと幸せだろ」
「そうね。人によって幸せの形は違うけれど、わたしたちにとっては最高の幸せね」
「アルミラのことも子供のこども、絶対に幸せにするから」
「ありがとう、フィル。わたしもあなたと生まれてくる子供幸せにできるように努力するわ」
わたしの言葉を聞いたフィルは、わたしを抱きしめる腕の力を強めた。
都合のいい女扱いをされた時もあったけれど、これからの未来が幸せならば、良い勉強になったと思うのは、わたしの考えが甘いからかしら。
そんなことを思ったあと、フィルを見上げる。
「どうかしたのか?」
「ううん。ありがとう、フィル」
「どういたしまして」
彼の頬に口付けると、お返しと言わんばかりに、フィルはわたしの唇に自分の唇を重ねた。
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お気に入り、しおりなど励みになりました。
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以下、長めのあとがきと少し暗い話になりますので、それでも読むよ、という方はスクロールをお願いいたします。
相変わらずクズばかりのお話で申し訳ございません!
オズックやアフックのような考え方の人物って、ここまで酷くはなかったと思いますが、実際にいたのです。
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そして、そういう人間ってオチそうな人間に目星をつけてます。
オチてしまう女性もいたのも確かです。
これはお話で貴族の話なのだから、そんな馬鹿なことはしないでしょう。
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