47 / 69
47 誕生日の夜①
しおりを挟む
彼の表情を見てみると、今までに見たことがないくらいに冷たい目をしてロバートを見ていた。
「アイリス! 目を覚ましてくれ! かっ、彼は罪のない人間を脅すような人だぞ!?」
「何を言ってるのよ! あなたは私にもリアムにも招待されていないじゃない! なのに、ここにいるっていうことは、あなたは不法侵入してるのよ!だから、あなたが犯罪者じゃないの!」
「アイリスの言う通りだ。まずは、不法侵入の罪で君を捕まえよう。だけど、俺の妻に手を出そうとしたんだから、それで済むと思うなよ?」
リアムはそう言ったあと、屋敷の方に顔を向けた。
それを合図に、騎士が数人、屋敷のほうから、こちらへ向かって走ってくるのが見えた。
「うわああああ」
それを見たロバートは、情けない声を上げて、騎士から逃れようと走って逃げたけれど、すぐに取り押さえられて連行されていった。
「アイリス、大丈夫!? 私が1人にしてしまったから! 本当にごめんなさい!」
サマンサが近寄ってくると、リアムは私から身体をはなし、彼女のほうに背中を優しく押してくれた。
「サマンサは悪くないわ! それに、サマンサがリアムを呼びに行ってくれたんでしょう?」
「ええ。お水を持って戻ったら、ロバートがいるんだもの! ロバートの噂は最近良いことを聞かなかったし、私が助けに入っても力で負けてしまうかもしれないから呼びに戻ったほうが良いと思ったの」
サマンサはそう言ったあと、ロバートの家に関する話をしてくれた。
私が知らなかっただけで、デヴァイス家は社交界で爪弾きにされていたらしい。
ノマド家に関しては、世間から冷たい目で見られていたけれど、それを気にするタイプでもないし、私が公爵家に嫁いだということで、全く相手にされていなかったわけではないらしい。
現在のデヴァイス家は信用をなくし、没落寸前であり、彼の両親は没落をふせぐために、彼を廃嫡し、家からも追い出したのだそう。
その話を聞いてから、どうして、ロバートが敷地内にいたかという話を、サマンサとリアムに話した。
「どちらが言い出したのかわからないけど、ロバートはロバートだし、あなたの家族も元婚約者をプレゼントにしようだなんて、頭がおかしいんじゃないの?」
「サマンサ嬢の言う通りだと僕も思う」
リアムは頷いたあと、私とサマンサに向かって言葉を続ける。
「とりあえず中に入ろうか。話すなら中で座ってゆっくり話せばいい」
パーティー会場に戻って椅子に座り、飲み物を飲もうとしてグラスを手に取った時、私は自分の身体が震えている事に気が付いた。
これで……、終わったのよね?
家族を罰したりすることは出来なかったけれど、ロバートはこれに懲りてくれるわよね?
きっと、すぐに出てこれない、もしくは出てきても、リアムが絶対に何とかしてくれる。
もちろん、私だって危機感を持って動くわ。
とにかく、どうなるかは、明日にリアムに改めて聞いてみよう。
リアムが気遣ってくれたおかげで、パーティーは予定より早くに終わったけれど、夜遅くまでサマンサと話をしていたせいで、自分の部屋に戻る頃には、日付けが変わる少し前になってしまった。
部屋に戻る途中、リアムの部屋の前を通ると、まだ明かりがついていたので、ノックして声を掛けると、部屋に入る様に促してくれた。
「眠れないの?」
「違うんです。サマンサと話をしていて」
「そうか、気持ちは少しは楽になった?」
「……はい」
頷くと、リアムは悲しそうな顔をする。
「警備が甘くてごめん。せっかくの誕生日だったのに嫌な思いをさせてしまった」
「謝らないで下さい! 大体、悪いのは私の元家族です。あんな風に連れてくるだなんて思ってもみません!」
座っていた椅子から立ち上がって謝ってくれたリアムに、慌てて首を横に振って言う。
すると、リアムは私に近付いてきて、ソファーに座らせると、いつもなら、向かい側に座るのに、隣に座った。
「アイリス! 目を覚ましてくれ! かっ、彼は罪のない人間を脅すような人だぞ!?」
「何を言ってるのよ! あなたは私にもリアムにも招待されていないじゃない! なのに、ここにいるっていうことは、あなたは不法侵入してるのよ!だから、あなたが犯罪者じゃないの!」
「アイリスの言う通りだ。まずは、不法侵入の罪で君を捕まえよう。だけど、俺の妻に手を出そうとしたんだから、それで済むと思うなよ?」
リアムはそう言ったあと、屋敷の方に顔を向けた。
それを合図に、騎士が数人、屋敷のほうから、こちらへ向かって走ってくるのが見えた。
「うわああああ」
それを見たロバートは、情けない声を上げて、騎士から逃れようと走って逃げたけれど、すぐに取り押さえられて連行されていった。
「アイリス、大丈夫!? 私が1人にしてしまったから! 本当にごめんなさい!」
サマンサが近寄ってくると、リアムは私から身体をはなし、彼女のほうに背中を優しく押してくれた。
「サマンサは悪くないわ! それに、サマンサがリアムを呼びに行ってくれたんでしょう?」
「ええ。お水を持って戻ったら、ロバートがいるんだもの! ロバートの噂は最近良いことを聞かなかったし、私が助けに入っても力で負けてしまうかもしれないから呼びに戻ったほうが良いと思ったの」
サマンサはそう言ったあと、ロバートの家に関する話をしてくれた。
私が知らなかっただけで、デヴァイス家は社交界で爪弾きにされていたらしい。
ノマド家に関しては、世間から冷たい目で見られていたけれど、それを気にするタイプでもないし、私が公爵家に嫁いだということで、全く相手にされていなかったわけではないらしい。
現在のデヴァイス家は信用をなくし、没落寸前であり、彼の両親は没落をふせぐために、彼を廃嫡し、家からも追い出したのだそう。
その話を聞いてから、どうして、ロバートが敷地内にいたかという話を、サマンサとリアムに話した。
「どちらが言い出したのかわからないけど、ロバートはロバートだし、あなたの家族も元婚約者をプレゼントにしようだなんて、頭がおかしいんじゃないの?」
「サマンサ嬢の言う通りだと僕も思う」
リアムは頷いたあと、私とサマンサに向かって言葉を続ける。
「とりあえず中に入ろうか。話すなら中で座ってゆっくり話せばいい」
パーティー会場に戻って椅子に座り、飲み物を飲もうとしてグラスを手に取った時、私は自分の身体が震えている事に気が付いた。
これで……、終わったのよね?
家族を罰したりすることは出来なかったけれど、ロバートはこれに懲りてくれるわよね?
きっと、すぐに出てこれない、もしくは出てきても、リアムが絶対に何とかしてくれる。
もちろん、私だって危機感を持って動くわ。
とにかく、どうなるかは、明日にリアムに改めて聞いてみよう。
リアムが気遣ってくれたおかげで、パーティーは予定より早くに終わったけれど、夜遅くまでサマンサと話をしていたせいで、自分の部屋に戻る頃には、日付けが変わる少し前になってしまった。
部屋に戻る途中、リアムの部屋の前を通ると、まだ明かりがついていたので、ノックして声を掛けると、部屋に入る様に促してくれた。
「眠れないの?」
「違うんです。サマンサと話をしていて」
「そうか、気持ちは少しは楽になった?」
「……はい」
頷くと、リアムは悲しそうな顔をする。
「警備が甘くてごめん。せっかくの誕生日だったのに嫌な思いをさせてしまった」
「謝らないで下さい! 大体、悪いのは私の元家族です。あんな風に連れてくるだなんて思ってもみません!」
座っていた椅子から立ち上がって謝ってくれたリアムに、慌てて首を横に振って言う。
すると、リアムは私に近付いてきて、ソファーに座らせると、いつもなら、向かい側に座るのに、隣に座った。
137
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる