【完結】私はあなたの愛する人ではありません

風見ゆうみ

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第二章  帰ってきた元王女

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 ロゼリアはノエルファの代わりにパーティー出席した時に、何度かラブックやルディウスと顔を合わせていた。
 表向きのノエルファはほんわかした可愛らしい少女だったので、ロゼリアは彼女の真似をしてラブックたちと話をした。

 ラブックはそんな彼女に好意を持ったが、ルディウスはノエルファのことを詳しく知らないにも拘らず、なぜか違和感を感じていた。
 昨日、ロゼリアと話をしてルディウスは初めてその理由がわかった。

 演技をしていたから、笑顔が自然に見えなかったのだ。
 ルディウスが気づくことはできても、ラブックは気が付けないのは、ロゼリアがノエルファの代わりにパーティーに出ていたなんて、一つも考えたことがないからである。

 だが、それも責められることではなかった。普通なら考えられないことをしていたのは、ノエルファたちのほうだったのだから。

 王女が替え玉を使っていたことは、さすがに公にはできない。マロンにはそのことを伝えることはできなかったが、何か事情があるのだろうと察して、詳しく聞いてくることはなかった。

 ロゼリアは、リンツの執務室でラブックから暴力を振るわれたことを、リンツとシャルロットに報告した。
 リンツは眉間に皺を寄せ、シャルロットは眉尻を下げて俯いたが、覚悟を決めたように顔を上げた。

「ラブックがそんな風に育っていたなんて思いもしなかった。気づかずに今まで過ごしていた私に責任があるわ」

 大きく息を吐くと、シャルロットは悲しげな目でルディウスを見つめる。

「今まで信じてあげられなくてごめんなさい。あの子は王太子だからあなたよりも優遇されていた。そのことに不満を持っているのだと思い込んでいたの」
「不満がないわけでもないので気にしないでください」

 ルディウス殿下はラブック殿下のスペア扱いでもあったのかしら。
 もし、そうだとしたら、ルディウス殿下が私に協力的なの理由がわかる気がする。

 苦笑して首を振るルディウスを見て、ロゼリアはそんなことを考えた。
 リンツはこめかみを押さえて、ロゼリアたちに話しかける。

「お前たちに悪いが、もう少し様子を見たい。王位継承権の剥奪をするんだ。わかってくれると思うが、そう簡単に決められるものではない」
「承知いたしました。ですが、何もしないのもどうかと思います。ラブック殿下を油断させるために、今回は疑う素振りだけしておいていただけますでしょうか」
「わかった」

 リンツたちとの話し合いが終わり、ロゼリアだけが先に部屋を出ようとした時、リンツの側近が執務室に駆け込んできた。

 ノックもなしに入ってきたことに、ロゼリアたちが驚いていると、慌てて側近は頭を下げる。

「申し訳ございません! 緊急の報告でつい! 無礼をお許しください!」
「次からは気をつけろ。で、何があった?」
「ズキチーケ王国から連絡がありました! ノエルファ元王女がズキチーケ王国の王城に戻ってきたそうです!」

 やっぱり音を上げたのね。

 ロゼリアと同様に、ルディウスたちも予想していたのか、側近ほど驚いた様子はなかった。

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