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第四章 逆転する立場
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甘やかされて育ってきたノエルファには、自分の望む通りの展開にならないことが許せなかった。
周りからの冷たい視線に気づくこともなく、演技をすることも忘れ、ノエルファは怒りで声を震わせながら叫ぶ。
「わ、私は元王女で王太子妃にふさわしいからラブック殿下の妻にしようとしたんでしょう? それなのに、ラブック殿下が王太子じゃなくなったら、私が嫁ぐ意味がないじゃないの!」
「ノエルファ! いい加減にしろ! お前も両親と同じ目に遭いたいのか!」
ザッハに怒鳴られたノエルファは、さすがに自国の国王に逆らうことができず、不満そうな顔をしながらも口を閉ざした。
しばしの沈黙のあと、ラブックが恐る恐るといった様子で口を開く。
「父上、僕とノエルファにチャンスをいただけないでしょうか」
「……チャンスだと?」
「はい。ノエルファも僕も、一度選択ミスをしただけです。選択肢を間違えることは誰にだってあるでしょう? 挽回するチャンスをください。チャンスをいただけるのであれば、ノエルファと僕が立派な王太子と王太子妃になれると証明してみせます!」
ノエルファ様を選んだ時点で王太子の器じゃないと言われているのに、まだ諦めないなんてしつこいわ。そんなラブック殿下を少しだけ評価してもいいと思えるのは、ノエルファ様を選んだことをミスだと認めていることね。
胸に手を当てて訴えるラブックを見ながらロゼリアは、ため息を吐いた。
リンツは頭が痛いと言わんばかりにこめかみを押さえながら、ラブックに話しかける。
「どうしてお前の言うことを聞かなくちゃいけないんだ。王太子のままでいられなくとも、お前は今のところ王子であることは間違いない。王太子の座は諦め、ノエルファと共に恥じない行動をしろ」
「……そんなっ!」
「言わないとわからないようだから忠告しておいてやろう。ラブック、これからの行動によっては王子でもいられなくなるぞ」
「そんな! 父上! それはあまりにも酷すぎませんか!」
「お前が選んだ道だ」
涙目になっているラブックにリンツは冷たく言い放つと、静かに二人を見つめていた貴族たちに顔を向ける。
「異論があるものは手を挙げろ」
ラブックとノエルファは手を挙げてくれと祈るように貴族たちを見つめた。
だが、そんな願いは届かず、反対の声を挙げる者は一人としていなかった。
「では、今日の会議はこれで終わる。皆、ご苦労だった。ルディウスとロゼリアは後ほど、私の部屋に来なさい。それから、ザッハ殿はこちらにお願いします」
リンツがザッハを促し、王妃たちと共に出ていくと、貴族たちの目が、ルディウスとラブックに向けられた。
自分たちも出て行きたいが、王子である彼らが出ていってからでないと、レフス王国の礼儀を欠くことになるからだ。
その視線に気がついたルディウスがロゼリアに声を掛ける。
「とにかく出るか」
「そうね」
ルディウスと共にロゼリアが立ち上がると、向かい側に座っていたノエルファが叫ぶ。
「ロゼリア! あなたは私の代わりでしょう? その座を譲りなさい! 私がルディウス殿下の婚約者になるわ!」
「断る。お前なんか御免だ。ロゼリアはお前の代わりなんかじゃない。行くぞ、ロゼリア」
ロゼリアが口を開く前に、素早くノエルファに冷たく返したルディウスは、ロゼリアの手を取って部屋を出る。
「ルディウス殿下、ありがとうございます」
『代わりなんかじゃない』
そう言ってくれたことが嬉しくて、ロゼリアは微笑んでルディウスに礼を言った。すると、ルディウスは「何もしてない」と呟くと、照れくさそうに視線を逸らした。
「ノエルファ! 一体君に何があったんだ!? 昔会った君とは別人じゃないか!」
ロゼリアが振り返ると、ラブックの叫びを遮るように、開いていた扉が騎士の手によって閉められた。
周りからの冷たい視線に気づくこともなく、演技をすることも忘れ、ノエルファは怒りで声を震わせながら叫ぶ。
「わ、私は元王女で王太子妃にふさわしいからラブック殿下の妻にしようとしたんでしょう? それなのに、ラブック殿下が王太子じゃなくなったら、私が嫁ぐ意味がないじゃないの!」
「ノエルファ! いい加減にしろ! お前も両親と同じ目に遭いたいのか!」
ザッハに怒鳴られたノエルファは、さすがに自国の国王に逆らうことができず、不満そうな顔をしながらも口を閉ざした。
しばしの沈黙のあと、ラブックが恐る恐るといった様子で口を開く。
「父上、僕とノエルファにチャンスをいただけないでしょうか」
「……チャンスだと?」
「はい。ノエルファも僕も、一度選択ミスをしただけです。選択肢を間違えることは誰にだってあるでしょう? 挽回するチャンスをください。チャンスをいただけるのであれば、ノエルファと僕が立派な王太子と王太子妃になれると証明してみせます!」
ノエルファ様を選んだ時点で王太子の器じゃないと言われているのに、まだ諦めないなんてしつこいわ。そんなラブック殿下を少しだけ評価してもいいと思えるのは、ノエルファ様を選んだことをミスだと認めていることね。
胸に手を当てて訴えるラブックを見ながらロゼリアは、ため息を吐いた。
リンツは頭が痛いと言わんばかりにこめかみを押さえながら、ラブックに話しかける。
「どうしてお前の言うことを聞かなくちゃいけないんだ。王太子のままでいられなくとも、お前は今のところ王子であることは間違いない。王太子の座は諦め、ノエルファと共に恥じない行動をしろ」
「……そんなっ!」
「言わないとわからないようだから忠告しておいてやろう。ラブック、これからの行動によっては王子でもいられなくなるぞ」
「そんな! 父上! それはあまりにも酷すぎませんか!」
「お前が選んだ道だ」
涙目になっているラブックにリンツは冷たく言い放つと、静かに二人を見つめていた貴族たちに顔を向ける。
「異論があるものは手を挙げろ」
ラブックとノエルファは手を挙げてくれと祈るように貴族たちを見つめた。
だが、そんな願いは届かず、反対の声を挙げる者は一人としていなかった。
「では、今日の会議はこれで終わる。皆、ご苦労だった。ルディウスとロゼリアは後ほど、私の部屋に来なさい。それから、ザッハ殿はこちらにお願いします」
リンツがザッハを促し、王妃たちと共に出ていくと、貴族たちの目が、ルディウスとラブックに向けられた。
自分たちも出て行きたいが、王子である彼らが出ていってからでないと、レフス王国の礼儀を欠くことになるからだ。
その視線に気がついたルディウスがロゼリアに声を掛ける。
「とにかく出るか」
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「断る。お前なんか御免だ。ロゼリアはお前の代わりなんかじゃない。行くぞ、ロゼリア」
ロゼリアが口を開く前に、素早くノエルファに冷たく返したルディウスは、ロゼリアの手を取って部屋を出る。
「ルディウス殿下、ありがとうございます」
『代わりなんかじゃない』
そう言ってくれたことが嬉しくて、ロゼリアは微笑んでルディウスに礼を言った。すると、ルディウスは「何もしてない」と呟くと、照れくさそうに視線を逸らした。
「ノエルファ! 一体君に何があったんだ!? 昔会った君とは別人じゃないか!」
ロゼリアが振り返ると、ラブックの叫びを遮るように、開いていた扉が騎士の手によって閉められた。
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