【完結】私はあなたの愛する人ではありません

風見ゆうみ

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最終章  代わりなんていない 

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 ラブックとトーショの話はすぐにロゼリアにも伝えられた。

 彼女にとって二人共が元婚約者というだけに、ラブックが考えていることや、トーショがどんな反応をするかなど、少し考えただけでわかる気がした。

 被害者同士として手を組むつもりなのね。世間が彼らのことを完全な被害者だと思うと考えているのならお笑いだわ。

 身代わりにならなければ生きていけなかったとはいえ、トーショのような人間を好きになったことは、今のロゼリアにとっては黒歴史のようなものである。

 ロゼリアはそう考えたあと、少しだけ自分の人生が虚しくなったが、すぐに気持ちを切り替えた。

 大事なのはこれからよ。

 気合を入れ直したロゼリアは、ラブックとトーショのことを今は考えずに、目の前にある仕事を片付けていくことにした
 それから約一時間後、ロゼリアは、ルディウスの執務室で休憩することになった。
 促されたソファに座ると、ルディウスがロゼリアの隣に座った。

「兄上は一体、何を考えているんだろうか」
「絶対とは言えないけれど……」

 ロゼリアが自分の考えをルディウスに話すと、彼は眉をひそめた。

「手を組んでどうするんだ? 王女と駆け落ちすることは重罪だし、兄上もいくら王子だからって好き勝手に行動してもいいわけじゃない。二人共、度を越したことをしているんだぞ? 許されるわけがないだろ」
「許されるとまでは思っていなくても、全部、ノエルファ様のせいにすれば罰が軽くなると思っているんじゃないかしら」
「それって考えが甘すぎないか?」
「私もそう思うけど、トーショについては被害者だから死にたくないと情に訴えられた場合、当事者や関係者以外の人が突き放すことは難しいかもしれないわ」

 ロゼリアの答えを聞いたルディウスは納得したようにうなずく。

「処刑をすることに罪悪感を覚えさせようとするってことか」
「喜んで人の命を奪うような人がいたとしても少数派だわ。普通なら避けて通ろうとするはずよ」
「処刑されなかった場合、彼はどうなると思う?」
「そうね。ズキチーケ王国の法律からすると、処刑の次に重いのは終身刑よ。奴隷……いえ、それよりも働かされることになると思う」

 終身刑は活火山の麓での仕事がメインで、死にたくなるような生活を送らせることが罰となる。日々の生活で罪を犯したことを反省させる目的なのだが、それどころではなくなるほど過酷な環境で、後悔しながら生涯を終えることが多いと、ロゼリアは聞いていた。

「ラブック殿下はどうなるかしら」
「今回の悪あがきの内容によっては、追い出されるだけじゃすまないかもしれない」

 ルディウスは眉間の皺を深くして答えた。




 
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