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最終章 代わりなんていない
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ロゼリアが中に入ると、ラブックとトーショは焦った顔になり、彼女のもとへ駆け寄ろうとしたが、騎士とルディウスに行く手を塞がれ、大人しく席に戻った。
男性二人は大人しくなったが、ノエルファは違った。苛立った様子でロゼリアに文句を言い始める。
「私の代役になるために生まれてきたくせに、どうしてあなただけが幸せそうにしているのよ! あなたの今の立場は私のものだったはずなのに!」
「ノエルファ様、甘やかされて育てられたせいで、ワガママになってしまったのでしょう。それはあなただけの責任ではありませんから同情いたします。ですが、駆け落ちをしたのは、あなたの意思ですよね? あなたは自分で幸せになる未来を捨てたのです。私に文句を言うのはやめていただけませんか」
「な、何よそれ! あなたが止めてくれれば良かったんじゃないの!」
「相談していただいていれば止めていましたよ。私に何の相談もなく駆け落ちしたのはあなたではないのですか? それなのに、文句をいうのはやめてください」
ノエルファと一緒にいた頃のロゼリアは、ノエルファに対してここまで強い言い方をすることはなかった。打たれ慣れていないノエルファは、涙目になりながらロゼリアを睨んだ。
「あなたは私の代わりなのよ!? 調子にのらないでよ!」
「調子にのっているのはお前だ!」
ラブックは点数稼ぎをしようと必死になって、ノエルファを責める。
「ロゼリアをパーティーに出席させていたのも自分が嫌だったからなんだろう? 人に押し付けておいて、よくそんなことを言えるもんだよ」
「あなただって嫌だと思うことはあるでしょう?」
「僕の場合は自分で処理したよ」
「兄上、そのことであとで話があります」
勢いづいていたラブックだったが、ルディウスの言葉で急に黙りこんでしまう。
すると、トーショが口を開いた。
「ロゼリア、本当に悪かった。ノエルファ様を愛していたことは間違いだった。君とやり直したい」
勝手なことを言うトーショを一瞥し、ロゼリアはため息をつく。
「……トーショ、あなたはノエルファ様を愛していたのよね?」
「違う! 愛らしいふりをしたノエルファ様であって」
「騙されていたのだとしても、ノエルファ様だということにかわりはないわ」
「そんな……」
ショックを受けた顔をするトーショが黙ると、今度はラブックが訴える。
「ロゼリア、僕は違う。ノエルファのふりをしている君を好きになったんだ。ルディウスと比べられて傷ついた僕の心を癒してくれたのは君だ。その時に僕は君を愛してしまったんだ!」
「……そうですか」
この人の口から愛という言葉を聞いても、まったく響かないわね。
ロゼリアはふっと笑みをこぼして続ける。
「ラブック殿下、私はあなたの愛する人ではありません」
「ノエルファだと勘違いしていたことをまだ怒っているのか?」
「いいえ」
「じゃあ、どうしてそんなことを言うんだよ」
ロゼリアは情けない顔のラブックに笑顔で告げる。
「あなたが愛したのは、ノエルファ様のふりをしている私、ですよね? それなら私ではありませんから」
彼女の発言の意味に気がついたのか、ラブックは呆然とした表情でロゼリアを見つめた。
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「私の代役になるために生まれてきたくせに、どうしてあなただけが幸せそうにしているのよ! あなたの今の立場は私のものだったはずなのに!」
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「違う! 愛らしいふりをしたノエルファ様であって」
「騙されていたのだとしても、ノエルファ様だということにかわりはないわ」
「そんな……」
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「……そうですか」
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「ノエルファだと勘違いしていたことをまだ怒っているのか?」
「いいえ」
「じゃあ、どうしてそんなことを言うんだよ」
ロゼリアは情けない顔のラブックに笑顔で告げる。
「あなたが愛したのは、ノエルファ様のふりをしている私、ですよね? それなら私ではありませんから」
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