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6 どうするおつもりですか?
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フェル殿下は私の歩幅に合わせて広場に向かいながら話し始める。
「この公園の中心部にある広場にパゼリノ王国の一部の貴族を集めていて、クヤイズ殿下にはあの時のことを謝罪しててもらう」
「あの時のことというのは、戦争のきっかけを作った出来事についてでしょうか」
「そうだ。知っているとは思うが、亡くなったのは父上の叔父のセンディ氏と犬のマロンだ。この公園にはよく散歩で訪れていたから、マロンが来なくなったことで犬たちは戸惑っている様子だと飼い主たちから聞いた」
そう言って、フェル殿下は上着のポケットから青色のハーネスを取り出した。そのハーネスの一部が黒くなっていることに気づき、フェル殿下を見つめる。
「マロンのハーネスだ。遺族に頼んで譲ってもらった」
血がついたハーネスを見る度に悲しみを思い出すから、手元に置いておくのも辛い。でも、捨てられないものでもあったと思う。
だから、譲ってもらったのかしら。
そうだとしたら、噂で聞いているような人ではないかもしれない。
「今すぐは無理でも、マロンたちの仇は討ちたい」
「……それは」
命を奪うということ?
『ねえねえ、ナナリー、どこに行くの?』
フェル殿下に尋ねようとした時、リリに話しかけられた。理解してもらえるかはわからないけれど話してみる。
『リリの仲間を傷つけた人を痛い目にあわせに行くの』
『悪い奴! お仕置き!』
リリは殺されたという意味がわからないから、傷つけた人にしておいた。でも、他の犬は違った。私とリリの念話が聞こえていたようで、近くを歩いていた犬たちの声が聞こえてくる。
『マロンは痛いってやめてって泣いてた。マロンは泣きながら死んじゃった。あの野郎、許せない!』
『あんな奴、名前の通りクズだ!』
『マロンに会いたいよう。おじちゃんはどこ行っちゃったの?』
ワウワウと吠える犬の数が増え、波紋のようにどんどん広がっていく。
怒りと悲しみの声に胸が張り裂けそうになって胸を押さえていると、フェル殿下がぼそりと言う。
「全ての声に耳を傾けるな」
「……え?」
「着いたぞ」
言われて前を見ると、目の前の広場には多くの人と犬が集まっていた。黒やグレーなどの平服を着た人ばかりなので、何の式典を行うのか聞いてみると、マロンとセンディ様の追悼式を行うのだと、フェル殿下が教えてくれた。
クヤイズ殿下を呼んだのは国民の前で自分のしたことが過ちだったと謝罪させるつもりらしい。でも、フェル殿下は軍服を着ているから、クヤイズ殿下から謝罪の言葉はなく、どちらかというとまた戦争を引き起こすような発言をする可能性があると思っているのかもしれない。
フェル殿下の見た目だけで言わせてもらうと、気に入らないことがあったら切り捨てそうなタイプに見えるのよね。
『ねえねえ、ナナリー。この公園は犬だけじゃなくて猫もいるけど、鳥もいっぱい!』
「鳥?」
思わず声に出して聞き返してしまい、慌てて独り言のふりをする。
「鳥が……あぁ、えっと、いっぱいいますね」
あたりを見回しながら言うと、実際に色々な種類の鳥が多くの木の上に鈴なりになってとまっていた。私よりも頭一つ分背の高いフェル殿下は、なぜか私を見て口元に笑みを浮かべる。
「ああ、そうだな」
どうしてそんな表情をしたのか聞こうとした時、クヤイズ殿下が近づいてきてフェル殿下に文句を言い始める。
「いつまで待たせるんです? こちらだって暇じゃないんですよ」
「今すぐ始めてくれていい」
丸い眼鏡をかけ、金色の長い髪を後ろに一つにまとめたクヤイズ殿下は鼻を鳴らし、細い目を吊り上がらせて青色の瞳をフェル殿下に向ける。
「たかが犬一匹と人が一人死んだだけだ。それなのに、ここまで大掛かりなことをしますかね。それに、テレサよりもこんな冴えない女を選ぶなんて」
クヤイズ殿下は私の上から下まで、品定めをするかのようにじっくりと眺めてから続ける。
「まあ、顔は合格点かもしれないがタイプじゃない。テレサのほうが可愛い」
いちいち、そんなことを本人の前で言わなくてもいいわよ。
クヤイズ殿下とキソウツ公爵令嬢は友人以上の関係だったりするのかしら。何か言い返したいけど、相手はクズでも王太子だ。私がぐっとこらえていると、フェル殿下が答える。
「中身がクズ同士お似合いだよ。結婚したらどうだ? ……ああ、彼女は他の男の子供を身ごもって結婚したんだったな。略奪婚でもしたらどうだ?」
「な、なんてことを! 失礼ですよ!」
「先に失礼な発言をしたのはお前だ。いいか。お前は敗戦国の王家の人間だ。勝利国の王家の俺がお前の首を落としても咎められないということを覚えておけ」
「な、そ、そんな物騒な」
すっかり怯えてしまったクヤイズ殿下は引きつった笑みを浮かべると、話題を変える。
「で、ぼ、僕はどうしたら良いんですか」
「あそこに上がれ」
フェル殿下が指さしたのは、広場の中央にあるステージだった。そこには講演台らしき形のものが見えるのだけど、今は白いシートが被せられていた。
「はいはい。あそこに上がって謝れば良いんですよね」
クヤイズ殿下は面倒くさそうに言うと、案内係に連れられてステージに向かって行く。私たちも一緒に近づいていき、ステージの下で足を止めた。人が十人ほどしか登壇できないような小さなステージにも、講演台と同じように白いシートがかけられている。
何か意味があるのかと思って尋ねてみる。
「フェル殿下、シートはそのままにしておくんですか?」
「ああ。そうしていないと、後々面倒でな」
やはり何か理由があるらしいので、深く考えないようにしてクヤイズ殿下に目を向ける。すると、ステージ上にクヤイズ殿下が登壇したとわかると、一斉に犬たちが騒ぎ始める。
『あいつ! 嫌なやつだ!』
『そうだ! あいつが嫌なことしてから、マロンを見なくなった!』
犬たちの間で情報が伝達されていき、クヤイズ殿下はここにいる犬たち全員に敵として認識された。
『あいつを殺そう! みんなでやれば噛み殺せる!』
『そうだ!』
中には過激発言をしている犬もいて、かなり興奮している。飼い主もいきなりの出来事にかなり驚いているように見えた。私は大きく深呼吸して目を閉じる。
『みんな、聞いて! 腹が立つ気持ちはわかるわ! だけど、あの人間を殺せば、あなたたちも殺される。あなたたちが死んだら家族が悲しむわよ!』
私の声は個々に伝わるらしく、騒がしく吠えていた犬たちが一斉に鳴くのをやめた。
『ねえ、ナナリー。じゃあ、どうしたら良いの?』
リリに尋ねられて、私は答えを求めてフェル殿下に尋ねる。
「どうするおつもりですか?」
「まあ、見てろ」
仕方がないのでリリには少し答えを待ってもらい、私はステージ上のクヤイズ殿下に視線を戻した。クヤイズ殿下は大きく息を吸うと、集まっている人たちに向けて大きな声で話し始める。
「えーと、この度はまことに申し訳ございませんでした! 反省しています。これにて謝罪を終わります」
あまりの舐めた態度に怒りで声を上げそうになった時、フェル殿下が私の腕を掴んだ。
「見てろと言っただろ」
「……申し訳ございません」
私が謝ると、無表情でフェル殿下が空を指さす。見上げると、大きな鳥が何匹も旋回しているのが見えた。フェル殿下が「やれ」と言った瞬間、旋回していた鳥たちがクヤイズ殿下のいる真上に飛んでいき、そのうちの一匹がぼとりとフンを落とした。
「うわ、なんだ!?」
一発目はクヤイズ殿下のすぐ近くに落ち、彼が慌てて上を見た瞬間、二発目が落ちてきて、彼の顔を直撃した。
「うわあああ!」
俯いて叫ぶクヤイズ殿下の上に、次から次へと鳥はフンを落とす。
「反省しないから罰が当たったようだな」
まるで悪戯が成功した時の子供のような顔をして、フェル殿下が言った。
こんなにタイミング良く、鳥がフンを落とすものかしら。しかも、ステージや講演台には白いシートがかけられている。これって、汚れ防止のためだったんじゃ?
普通なら、こんなことはばかげたことを真剣に考えない。でも、自分自身の事例がある。
もしかしたら、フェル殿下は鳥と意思疎通することができるのかもしれない。
「この公園の中心部にある広場にパゼリノ王国の一部の貴族を集めていて、クヤイズ殿下にはあの時のことを謝罪しててもらう」
「あの時のことというのは、戦争のきっかけを作った出来事についてでしょうか」
「そうだ。知っているとは思うが、亡くなったのは父上の叔父のセンディ氏と犬のマロンだ。この公園にはよく散歩で訪れていたから、マロンが来なくなったことで犬たちは戸惑っている様子だと飼い主たちから聞いた」
そう言って、フェル殿下は上着のポケットから青色のハーネスを取り出した。そのハーネスの一部が黒くなっていることに気づき、フェル殿下を見つめる。
「マロンのハーネスだ。遺族に頼んで譲ってもらった」
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だから、譲ってもらったのかしら。
そうだとしたら、噂で聞いているような人ではないかもしれない。
「今すぐは無理でも、マロンたちの仇は討ちたい」
「……それは」
命を奪うということ?
『ねえねえ、ナナリー、どこに行くの?』
フェル殿下に尋ねようとした時、リリに話しかけられた。理解してもらえるかはわからないけれど話してみる。
『リリの仲間を傷つけた人を痛い目にあわせに行くの』
『悪い奴! お仕置き!』
リリは殺されたという意味がわからないから、傷つけた人にしておいた。でも、他の犬は違った。私とリリの念話が聞こえていたようで、近くを歩いていた犬たちの声が聞こえてくる。
『マロンは痛いってやめてって泣いてた。マロンは泣きながら死んじゃった。あの野郎、許せない!』
『あんな奴、名前の通りクズだ!』
『マロンに会いたいよう。おじちゃんはどこ行っちゃったの?』
ワウワウと吠える犬の数が増え、波紋のようにどんどん広がっていく。
怒りと悲しみの声に胸が張り裂けそうになって胸を押さえていると、フェル殿下がぼそりと言う。
「全ての声に耳を傾けるな」
「……え?」
「着いたぞ」
言われて前を見ると、目の前の広場には多くの人と犬が集まっていた。黒やグレーなどの平服を着た人ばかりなので、何の式典を行うのか聞いてみると、マロンとセンディ様の追悼式を行うのだと、フェル殿下が教えてくれた。
クヤイズ殿下を呼んだのは国民の前で自分のしたことが過ちだったと謝罪させるつもりらしい。でも、フェル殿下は軍服を着ているから、クヤイズ殿下から謝罪の言葉はなく、どちらかというとまた戦争を引き起こすような発言をする可能性があると思っているのかもしれない。
フェル殿下の見た目だけで言わせてもらうと、気に入らないことがあったら切り捨てそうなタイプに見えるのよね。
『ねえねえ、ナナリー。この公園は犬だけじゃなくて猫もいるけど、鳥もいっぱい!』
「鳥?」
思わず声に出して聞き返してしまい、慌てて独り言のふりをする。
「鳥が……あぁ、えっと、いっぱいいますね」
あたりを見回しながら言うと、実際に色々な種類の鳥が多くの木の上に鈴なりになってとまっていた。私よりも頭一つ分背の高いフェル殿下は、なぜか私を見て口元に笑みを浮かべる。
「ああ、そうだな」
どうしてそんな表情をしたのか聞こうとした時、クヤイズ殿下が近づいてきてフェル殿下に文句を言い始める。
「いつまで待たせるんです? こちらだって暇じゃないんですよ」
「今すぐ始めてくれていい」
丸い眼鏡をかけ、金色の長い髪を後ろに一つにまとめたクヤイズ殿下は鼻を鳴らし、細い目を吊り上がらせて青色の瞳をフェル殿下に向ける。
「たかが犬一匹と人が一人死んだだけだ。それなのに、ここまで大掛かりなことをしますかね。それに、テレサよりもこんな冴えない女を選ぶなんて」
クヤイズ殿下は私の上から下まで、品定めをするかのようにじっくりと眺めてから続ける。
「まあ、顔は合格点かもしれないがタイプじゃない。テレサのほうが可愛い」
いちいち、そんなことを本人の前で言わなくてもいいわよ。
クヤイズ殿下とキソウツ公爵令嬢は友人以上の関係だったりするのかしら。何か言い返したいけど、相手はクズでも王太子だ。私がぐっとこらえていると、フェル殿下が答える。
「中身がクズ同士お似合いだよ。結婚したらどうだ? ……ああ、彼女は他の男の子供を身ごもって結婚したんだったな。略奪婚でもしたらどうだ?」
「な、なんてことを! 失礼ですよ!」
「先に失礼な発言をしたのはお前だ。いいか。お前は敗戦国の王家の人間だ。勝利国の王家の俺がお前の首を落としても咎められないということを覚えておけ」
「な、そ、そんな物騒な」
すっかり怯えてしまったクヤイズ殿下は引きつった笑みを浮かべると、話題を変える。
「で、ぼ、僕はどうしたら良いんですか」
「あそこに上がれ」
フェル殿下が指さしたのは、広場の中央にあるステージだった。そこには講演台らしき形のものが見えるのだけど、今は白いシートが被せられていた。
「はいはい。あそこに上がって謝れば良いんですよね」
クヤイズ殿下は面倒くさそうに言うと、案内係に連れられてステージに向かって行く。私たちも一緒に近づいていき、ステージの下で足を止めた。人が十人ほどしか登壇できないような小さなステージにも、講演台と同じように白いシートがかけられている。
何か意味があるのかと思って尋ねてみる。
「フェル殿下、シートはそのままにしておくんですか?」
「ああ。そうしていないと、後々面倒でな」
やはり何か理由があるらしいので、深く考えないようにしてクヤイズ殿下に目を向ける。すると、ステージ上にクヤイズ殿下が登壇したとわかると、一斉に犬たちが騒ぎ始める。
『あいつ! 嫌なやつだ!』
『そうだ! あいつが嫌なことしてから、マロンを見なくなった!』
犬たちの間で情報が伝達されていき、クヤイズ殿下はここにいる犬たち全員に敵として認識された。
『あいつを殺そう! みんなでやれば噛み殺せる!』
『そうだ!』
中には過激発言をしている犬もいて、かなり興奮している。飼い主もいきなりの出来事にかなり驚いているように見えた。私は大きく深呼吸して目を閉じる。
『みんな、聞いて! 腹が立つ気持ちはわかるわ! だけど、あの人間を殺せば、あなたたちも殺される。あなたたちが死んだら家族が悲しむわよ!』
私の声は個々に伝わるらしく、騒がしく吠えていた犬たちが一斉に鳴くのをやめた。
『ねえ、ナナリー。じゃあ、どうしたら良いの?』
リリに尋ねられて、私は答えを求めてフェル殿下に尋ねる。
「どうするおつもりですか?」
「まあ、見てろ」
仕方がないのでリリには少し答えを待ってもらい、私はステージ上のクヤイズ殿下に視線を戻した。クヤイズ殿下は大きく息を吸うと、集まっている人たちに向けて大きな声で話し始める。
「えーと、この度はまことに申し訳ございませんでした! 反省しています。これにて謝罪を終わります」
あまりの舐めた態度に怒りで声を上げそうになった時、フェル殿下が私の腕を掴んだ。
「見てろと言っただろ」
「……申し訳ございません」
私が謝ると、無表情でフェル殿下が空を指さす。見上げると、大きな鳥が何匹も旋回しているのが見えた。フェル殿下が「やれ」と言った瞬間、旋回していた鳥たちがクヤイズ殿下のいる真上に飛んでいき、そのうちの一匹がぼとりとフンを落とした。
「うわ、なんだ!?」
一発目はクヤイズ殿下のすぐ近くに落ち、彼が慌てて上を見た瞬間、二発目が落ちてきて、彼の顔を直撃した。
「うわあああ!」
俯いて叫ぶクヤイズ殿下の上に、次から次へと鳥はフンを落とす。
「反省しないから罰が当たったようだな」
まるで悪戯が成功した時の子供のような顔をして、フェル殿下が言った。
こんなにタイミング良く、鳥がフンを落とすものかしら。しかも、ステージや講演台には白いシートがかけられている。これって、汚れ防止のためだったんじゃ?
普通なら、こんなことはばかげたことを真剣に考えない。でも、自分自身の事例がある。
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