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36 新しい生活と夫の後悔 ④ ※途中から視点変更あり
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私とラフリード様の婚約については、ジゼル公爵夫人と同じように、王妃陛下も落ち着いてから考えれば良いとのことだった。
トータムとの約束の時間が近づいてきたので、話を別場所で聞くために、私たちは普段はメイドたちが控えている部屋に移動した。簡易のソファが置かれた部屋にはすでにファルナ様が待っていて、笑顔で話しかけてくる。
「納得のいく話はできましたの?」
「もっと詳しい話を聞きたかったのですが、時間がなかったんです」
「そうなんですのね。まあ、ビレディ侯爵とのお話の中でわかってくるでしょう」
ファルナ様は眉尻を下げたあと、ラフリード様に視線を移す。
「お義兄様はミアリナさんとの件をどう思っておられますの?」
「考えたこともなかったから驚いてはいるが、彼女のためになるのなら良いのではないかと思っている」
まだ、アリム様の婚約者という状態だけれど、ファルナ様はラフリード様のことを義兄として呼んでいるみたい。私をラフリード様の婚約者にしたがっているのは、ここにも一人いるのかもしれないわね。
ラフリード様の視線に気がついて答える。
「まだそこまで考えられる状況ではないのです。まずは、ビレディ侯爵が離婚を認めてくれないと……」
「大好きな妹と結婚できるのに、どうして離婚しようとしないんだろうな」
「ビレディ侯爵の中ではミアリナさんが一番なのかもしれませんわね」
ファルナ様はラフリード様にそう答えたあと、眉根を寄せて続ける。
「本人は無意識のうちにフララさんのことを愛人、もしくは遊び相手と認識していたのかもしれませんわ」
「ですが、妹とは結婚できないから、私と別れないというようなことを最初は言っていたんです」
「それは彼なりの適当な言い訳なのではないでしょうか」
「そんな自分勝手なことってあるんでしょうか」
納得できなくて尋ねると、ラフリード様が答える。
「全ての人がそうではないが、あなたの夫の場合は妻を本命、義妹をキープといった感じで見ていたのかもしれない」
「私よりもフララさんを優先していたんです。キープを優先するだなんておかしくないですか?」
「キープなんだから機嫌をとっておかないと駄目だろう」
ラフリード様はきっぱりと答えてから付け加える。
「言っておくが、俺はそんなことをしたことはない。そのような人間を知っているだけだ」
「存じ上げております」
結婚する気もなかった人が妻と愛人なんて考えないでしょう。
妻は逃げられないけれど、キープはいつでも逃げられてしまうと思って、フララさんに優しくしていたの?
自分勝手にもほどがあるわ!
「王妃陛下が何をおっしゃるのか、それに対してビレディ侯爵がなんと答えるか見ものだな」
「離婚を決めてくれるような何かがあればありがたいんですけれど」
とりあえず、王妃陛下とトータムの話を聞いてみることにした。
◇◆◇◆◇◆
(トータム視点)
王妃陛下と母上が手紙のやりとりをしていたことは聞いたことがある。でも、それ以外の交流はなかったはずだ。
それなのにどうして呼び出されることがあるんだろうか。
謁見の間ではなく応接室に通され、少し待たされたあと、隣の部屋に続く扉から王妃陛下が入ってきた。
メイドがお茶を淹れたあと、そちらに入っていったので控え室か何かがあるんだろう。
「今日は足を運ばせて悪かったな」
「とんでもないことでございます」
「本題に入る前に聞いておきたいんだが」
「なんでしょうか」
何を言われるんだろう。身構えていると、王妃陛下は笑みを消し、厳しい表情に変えて口を開く。
「亡き母が大事にしていたブローチを血のつながらない母に売り飛ばされたことに文句を言うわけでもなく、買い戻した妻に、それを義妹に譲れと言ったそうだな。どういう気持ちでそんなことを言ったのか、納得できる説明をくれないか」
どうしてそんなことを聞いてくるんだ!?
冷ややかな視線に殺意を感じて、僕の体は震え、歯がカタカタと鳴った。
トータムとの約束の時間が近づいてきたので、話を別場所で聞くために、私たちは普段はメイドたちが控えている部屋に移動した。簡易のソファが置かれた部屋にはすでにファルナ様が待っていて、笑顔で話しかけてくる。
「納得のいく話はできましたの?」
「もっと詳しい話を聞きたかったのですが、時間がなかったんです」
「そうなんですのね。まあ、ビレディ侯爵とのお話の中でわかってくるでしょう」
ファルナ様は眉尻を下げたあと、ラフリード様に視線を移す。
「お義兄様はミアリナさんとの件をどう思っておられますの?」
「考えたこともなかったから驚いてはいるが、彼女のためになるのなら良いのではないかと思っている」
まだ、アリム様の婚約者という状態だけれど、ファルナ様はラフリード様のことを義兄として呼んでいるみたい。私をラフリード様の婚約者にしたがっているのは、ここにも一人いるのかもしれないわね。
ラフリード様の視線に気がついて答える。
「まだそこまで考えられる状況ではないのです。まずは、ビレディ侯爵が離婚を認めてくれないと……」
「大好きな妹と結婚できるのに、どうして離婚しようとしないんだろうな」
「ビレディ侯爵の中ではミアリナさんが一番なのかもしれませんわね」
ファルナ様はラフリード様にそう答えたあと、眉根を寄せて続ける。
「本人は無意識のうちにフララさんのことを愛人、もしくは遊び相手と認識していたのかもしれませんわ」
「ですが、妹とは結婚できないから、私と別れないというようなことを最初は言っていたんです」
「それは彼なりの適当な言い訳なのではないでしょうか」
「そんな自分勝手なことってあるんでしょうか」
納得できなくて尋ねると、ラフリード様が答える。
「全ての人がそうではないが、あなたの夫の場合は妻を本命、義妹をキープといった感じで見ていたのかもしれない」
「私よりもフララさんを優先していたんです。キープを優先するだなんておかしくないですか?」
「キープなんだから機嫌をとっておかないと駄目だろう」
ラフリード様はきっぱりと答えてから付け加える。
「言っておくが、俺はそんなことをしたことはない。そのような人間を知っているだけだ」
「存じ上げております」
結婚する気もなかった人が妻と愛人なんて考えないでしょう。
妻は逃げられないけれど、キープはいつでも逃げられてしまうと思って、フララさんに優しくしていたの?
自分勝手にもほどがあるわ!
「王妃陛下が何をおっしゃるのか、それに対してビレディ侯爵がなんと答えるか見ものだな」
「離婚を決めてくれるような何かがあればありがたいんですけれど」
とりあえず、王妃陛下とトータムの話を聞いてみることにした。
◇◆◇◆◇◆
(トータム視点)
王妃陛下と母上が手紙のやりとりをしていたことは聞いたことがある。でも、それ以外の交流はなかったはずだ。
それなのにどうして呼び出されることがあるんだろうか。
謁見の間ではなく応接室に通され、少し待たされたあと、隣の部屋に続く扉から王妃陛下が入ってきた。
メイドがお茶を淹れたあと、そちらに入っていったので控え室か何かがあるんだろう。
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「本題に入る前に聞いておきたいんだが」
「なんでしょうか」
何を言われるんだろう。身構えていると、王妃陛下は笑みを消し、厳しい表情に変えて口を開く。
「亡き母が大事にしていたブローチを血のつながらない母に売り飛ばされたことに文句を言うわけでもなく、買い戻した妻に、それを義妹に譲れと言ったそうだな。どういう気持ちでそんなことを言ったのか、納得できる説明をくれないか」
どうしてそんなことを聞いてくるんだ!?
冷ややかな視線に殺意を感じて、僕の体は震え、歯がカタカタと鳴った。
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