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25 殿下とはどういう関係なのか
「おい、何をボーっとしてるんだ! この方は公爵閣下なんだぞ! 頭を下げろ!」
どうして、ボルバー様に偉そうに言われないといけないのかわからない。
でも、相手が公爵閣下であるならば、頭を下げざるをえなかった。
「失礼な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした」
言われるがままに頭を下げると、エロじゃん公爵、ではなく、エロージャン公爵は叫ぶ。
「あなたのような女性がセナ殿下の妻になるだなんてありえませんし、そんなことは絶対にさせませんよ。セナ殿下の妻になるのは私の娘です!」
「……どういうことでしょうか」
頭を上げて尋ねると、エロージャン公爵は眉根を寄せて答える。
「あなたは本当に馬鹿な女なんですね。暴力でしか自分を表現できないと女性だと聞きましたが、本当のことのようだ」
「そこが彼女の良いところなんです!」
「あなたはちょっと黙ってて」
ステッキでボルバー様の喉を軽く突くと、ゲホゲホと咳き込みながら、彼は苦しそうな顔で後退した。
すると、エロージャン公爵は失笑する。
「ほら、見なさい。暴力で解決しようとしている」
「話を聞いてくれない相手でしたので、実力行使に出ただけです」
「暴力をふるわずに説得すれば良いんですよ。それが出来ないのは」
エロージャン公爵が話をしている途中で、見慣れた馬車が彼らが乗ってきた馬車の近くに停まった。
御者によって扉が開かれ、中から出てきたのは、ラフな格好をしたセナ殿下だった。
「アーティア、こんな所で何をしてるんだよ」
「おお、セナ殿下! まさか、こんなところでお会いできるとは思いませんでした!」
私が反応するよりも先に、エロージャン公爵が満面の笑みを浮かべて、セナ殿下に近付いていく。
逆にボルバー様は逃げるように自分が乗ってきた馬車の中に入っていった。
「なんだ。エロージャン公爵か。どうしてここにいるんだ?」
「それはもちろん、セナ殿下とそこにいる野蛮な小娘との婚約を解消させるためでございます」
「はあ? 余計なお世話だよ。俺とアーティアの婚約は俺の両親が決めた決定事項だぞ」
セナ殿下はエロージャン公爵に冷たく答えると、様子を見守っていた私に話しかけてくる。
「手に持ってるやつ、どうしたんだ?」
「ごきげんよう、セナ殿下。これは武器です」
「そうだろうなとは思ったけど、誰からもらったんだよ」
「小娘のことです。どうせ、キレーナ公爵家から盗んで持ってきたのでしょう」
私への質問なのに勝手に答えて侮蔑の視線を送ってくるエロージャン公爵に苛立ってしまう。
ステッキで目でも突いてやりたい気分だけど、これくらいの理由でそんなことをやってはいけないと思い、ここは我慢してセナ殿下に訴える。
「盗んでなんていません。これは、キレーナ公爵から貸してもらったんです」
「キレーナ公爵からだと? 盗んだ上に、そんな嘘までつくとは信じられませんね!」
エロージャン公爵は両手を広げて肩をすくめた。
なんだか腹が立つわ。
ステッキで突いてさしあげたいけど、さすがに駄目よね。
落ち着きましょう。
イライラしたら負けよ。
「セナ殿下、彼女と結婚なんて絶対にあってはならないことです。後悔することになりますよ!」
「うるさいな。あなたにどうこう言われたくない。それに彼女は盗みを働くような女性じゃない」
「そんなことはわかりません! 殿下、騙されないでください!」
「いいかげんにしろ!」
セナ殿下が声を荒らげた時、私の背後から声がエロージャン公爵に話しかける人物がいた。
「エロージャン公爵、好き勝手なことを言っておられますが、そのステッキは私が彼女に渡したものです。彼女は盗んでなんていませんよ」
現れたのはキレーナ公爵で、彼は笑みを浮かべて、エロージャン公爵に謝罪を求める。
「アーティアに謝ってください」
「そうだ。これは俺からも言わせてもらう。アーティアに謝れ」
エロージャン公爵は、焦った顔をしてキレーナ公爵とセナ殿下を見つめたあと、渋々といった態度で謝ってくる。
「……すみませんでした」
心から謝ってくれてないわよね。
まあ、いいわ。
「謝罪を受け入れますが、一つお聞きしたいことがあります」
「な、なんです?」
「セナ殿下とエロージャン公爵閣下のご息女は、過去に恋仲だったりするのですか?」
私の質問に「はあ?」とセナ殿下が聞き返してきた。
そして、エロージャン公爵は苦虫を噛み潰したような顔になったのだった。
どうして、ボルバー様に偉そうに言われないといけないのかわからない。
でも、相手が公爵閣下であるならば、頭を下げざるをえなかった。
「失礼な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした」
言われるがままに頭を下げると、エロじゃん公爵、ではなく、エロージャン公爵は叫ぶ。
「あなたのような女性がセナ殿下の妻になるだなんてありえませんし、そんなことは絶対にさせませんよ。セナ殿下の妻になるのは私の娘です!」
「……どういうことでしょうか」
頭を上げて尋ねると、エロージャン公爵は眉根を寄せて答える。
「あなたは本当に馬鹿な女なんですね。暴力でしか自分を表現できないと女性だと聞きましたが、本当のことのようだ」
「そこが彼女の良いところなんです!」
「あなたはちょっと黙ってて」
ステッキでボルバー様の喉を軽く突くと、ゲホゲホと咳き込みながら、彼は苦しそうな顔で後退した。
すると、エロージャン公爵は失笑する。
「ほら、見なさい。暴力で解決しようとしている」
「話を聞いてくれない相手でしたので、実力行使に出ただけです」
「暴力をふるわずに説得すれば良いんですよ。それが出来ないのは」
エロージャン公爵が話をしている途中で、見慣れた馬車が彼らが乗ってきた馬車の近くに停まった。
御者によって扉が開かれ、中から出てきたのは、ラフな格好をしたセナ殿下だった。
「アーティア、こんな所で何をしてるんだよ」
「おお、セナ殿下! まさか、こんなところでお会いできるとは思いませんでした!」
私が反応するよりも先に、エロージャン公爵が満面の笑みを浮かべて、セナ殿下に近付いていく。
逆にボルバー様は逃げるように自分が乗ってきた馬車の中に入っていった。
「なんだ。エロージャン公爵か。どうしてここにいるんだ?」
「それはもちろん、セナ殿下とそこにいる野蛮な小娘との婚約を解消させるためでございます」
「はあ? 余計なお世話だよ。俺とアーティアの婚約は俺の両親が決めた決定事項だぞ」
セナ殿下はエロージャン公爵に冷たく答えると、様子を見守っていた私に話しかけてくる。
「手に持ってるやつ、どうしたんだ?」
「ごきげんよう、セナ殿下。これは武器です」
「そうだろうなとは思ったけど、誰からもらったんだよ」
「小娘のことです。どうせ、キレーナ公爵家から盗んで持ってきたのでしょう」
私への質問なのに勝手に答えて侮蔑の視線を送ってくるエロージャン公爵に苛立ってしまう。
ステッキで目でも突いてやりたい気分だけど、これくらいの理由でそんなことをやってはいけないと思い、ここは我慢してセナ殿下に訴える。
「盗んでなんていません。これは、キレーナ公爵から貸してもらったんです」
「キレーナ公爵からだと? 盗んだ上に、そんな嘘までつくとは信じられませんね!」
エロージャン公爵は両手を広げて肩をすくめた。
なんだか腹が立つわ。
ステッキで突いてさしあげたいけど、さすがに駄目よね。
落ち着きましょう。
イライラしたら負けよ。
「セナ殿下、彼女と結婚なんて絶対にあってはならないことです。後悔することになりますよ!」
「うるさいな。あなたにどうこう言われたくない。それに彼女は盗みを働くような女性じゃない」
「そんなことはわかりません! 殿下、騙されないでください!」
「いいかげんにしろ!」
セナ殿下が声を荒らげた時、私の背後から声がエロージャン公爵に話しかける人物がいた。
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現れたのはキレーナ公爵で、彼は笑みを浮かべて、エロージャン公爵に謝罪を求める。
「アーティアに謝ってください」
「そうだ。これは俺からも言わせてもらう。アーティアに謝れ」
エロージャン公爵は、焦った顔をしてキレーナ公爵とセナ殿下を見つめたあと、渋々といった態度で謝ってくる。
「……すみませんでした」
心から謝ってくれてないわよね。
まあ、いいわ。
「謝罪を受け入れますが、一つお聞きしたいことがあります」
「な、なんです?」
「セナ殿下とエロージャン公爵閣下のご息女は、過去に恋仲だったりするのですか?」
私の質問に「はあ?」とセナ殿下が聞き返してきた。
そして、エロージャン公爵は苦虫を噛み潰したような顔になったのだった。
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