インスタントガールフレンド

クレハ@WME

文字の大きさ
9 / 44

第9話

しおりを挟む
9話

いままで無縁であった女の子と共に僕は電車へ乗って帰る……
白崎さん、井上さんの……いや、女の子の話し声……
なんだか、幸せだ。

「うん…それでしろくまなんだけど………」
「その前にしかりんちょっと待って?」
「はいっ!!」
楽しそうに話していたのにストップが井上先輩の一声によってかかる。
「ちょっと!何よっ!」
井上先輩がジト目を向け、僕に言ってくる。
「いや、なんか楽しくって……」
「犯罪者ってこうやって産まれるのね………」

……………え?
「ひどいですよ。井上先輩」

「で、しかりんどうしたの?」

一拍おいて、井上先輩は話し始める。

え?無視!?
「あのね………」

そして、長々と白崎さんが話し始めた。
5分くらい経っただろうか?
その話を僕と井上さんは聞いていた。

「まもなく、電車が参ります。黄色い線の内側にお下がりになってください」
駅のアナウンスが白崎さんの声を裂くかのように、入った。
そして、電車が来た。
その電車に乗り込み、僕等は4人がけの席に座った。

前からおもってたんだけど、井上さんって小さいよな。座ると足はついてないし、童顔。もう、それはどうしようもなく、童顔。本当に子供みたいだな……
なんて考えながら井上さんをじっーと見ていた。

「なによ?」

「いや、別に………」

「そういうの私は好きじゃないから、言ってよー」

「いや、でも……言ったら俺が逝きそうだから……」

「え?なんの話よ?」

「いや、なんでも……」

「だから、そういうのは好きじゃないって言ってるじゃない。さっさと言って楽になりなさい?」

僕は勇気を振り絞って

「あ、あの……背が低くて子供みたいだなって………」

カッチンッッッ!!!

な、なんの音だ?

おそるおそる顔を上げる……

井上さんの方を見ると、椅子の腕掛けが壊れていた。
「二宮……」

「はいっ!!」

「最後の言葉はそれでいいのね?」

「ご、ごめんなさいっ!!」 

やばい!本気で殺される……

「ごめんで済めば警察はいらないのよっ!!!」

そういうと僕に何も言う間もなく殴りかかってきた。

ああ。僕はここで死ぬのか。

目を閉じ、死を覚悟する。

「はい。喧嘩はダメですよ?」

て、天使だ……天使があの悪魔から命を救ってくれた……

「しかりん……でも……二宮がぁ…」

と、悪魔は天使に泣きそうになりながら、訴えている。

「ダメです」

と、きっぱり天使に言われ、身体から力が抜けたように、ヘトン。

「はあい…」

と、腑抜けた声を出す。

後輩に説得される先輩……

「二宮くん?ダメだよ?コンプレックスっていうのがあるんだから、女の子にはね?だから、謝って?ね?」

僕も、天使に説教される。流石。神の使い。両成敗という訳か。

「はい!ごめんなさいっ!!」

僕は天使に説教され、謝る。

「し、仕方ないわね……」

一応許してくれたようだ。

ふう。一件落着っと。

「あの…二宮くん?」

安堵の息をついていると、天使こと白崎さんが話しかけてきた。

「はい?」

「背で思い出したんだけど、二宮くんって背大きいですよねー」

「え?そうですか?」

「はい!何センチあるんですか?」

「えっと、179です」

「おお!やっぱり大きいんですねっ!!私は168ですっ!」

「そうなんですか…」
女の人にしては、大きいとは思っていたが、すごい大きいな……

「私は140……」

「なんかごめん……」

そんな話をしていたら最寄りの駅に着いた。
僕たちは電車から降りた。

「背は小さい人がいいって人もいますよ?」

「そ、そうよね?あ、あんたはど、……どうなのよ……?」

「えっと、背が高くても低くても大丈夫ですよ?」

「そ、そっか…」

なぜかほっとしている……
なんでだろう…

「じゃ、帰りましょうか?」

「うん」

そして、僕たちは帰った。
僕はいつもと同じように、通学通りに、家の車庫に自転車を止めて家に入った。

「ただいま」

……あれ?

いつも帰ったら聞こえてくる声が今日はしない。

「梨花?……あ、そうか今日から部活だとか言ってたっけ?」

服を部屋着に着替えて、リビングでテレビを見る。

「今日、日本では2000にんの赤ちゃんが生まれました」

なんてどうでもいいニュースがやっている。

つまんねえ……

暇だ……

チリリリ!!!

携帯の音楽が急に流れ始めた。

「なんだ?」
おそるおそる携帯を見ると『メールを受信しました』と書いてある。

メール音か……

一年以上聞いてない音だったため、全くわからなかった。

メールを開くと……

知らない人からのメールだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーー


件名:今日はありがとう

えっと、白崎ですっ!
初めてメール送るからなんだか緊張するよ~ >_<
ご飯の時はごめんねーm(_ _)m
あとあと、しろくまの所行ってくれてありがとうっ!

ーーーENDーーー


し、白崎さん…か、からの!メールだと?
ふぁぁぁ!!!!
ど、ど、どどうしようっ!?
ま、まずは返信か?
で、でも……どうすれば…
とりあえず僕は返信ボタンを押した。

なんて送ろう?

件名:こちらこそです。

こちらこそありがとうございます!
今日は楽しかったです

ーーーENDーーー

これでいいのかな?
あ、そうだ!インスタントガールフレンドでも呼ぶか。

「はいはーい!呼ばれて現るインスタントガールフレンドですっ!!」

こいつ、でてくる時のセリフみたいのは決まってないのか……

「どうすればいい?」

「えっと、ですね?もっとカラフルにして、ご飯のことについても話してみてください。」


今日は楽しかったです。
ありがとうございます。
ご飯は気にしないでください。
しろくまについては喜んでもらえてよかったです。

“カラフルに”って意味がわからないがこれでどうだろうか?

「どうだ?」

「カラフルがわからない?おや?しろーさん。相当の機械オンチですね?なら、絵文字とか顔文字とか使ってはどうでしょうか?」

「絵文字顔文字?なんだ?それは?」

「わかんないんですか?」

「うん……」

「えっと、このボタンを押して……ほら!いっぱいでてきましたよっ!」

そこにはよくわからない記号が並んで顔みたいになっているやつや、普通の顔みたいなのがあった。

「なにこれ?」

って、顔近っ!!
こいつだって、一応は女の子?だ。性別があるかないかもわからないが、見た感じ、女の子だ。そんなこの顔が近くにあれば、誰だって興奮するだろう。
だが、そんな感情を抑える。

「これが、絵文字ってやつですよ」

「じゃ、どれをどうすれば?」

さっきの文に目にも留まらぬ速さでインスタントガールフレンドは手を加え始めた。



今日は楽しかったです
o(^▽^)o
ありがとうございます
m(_ _)m

ご飯は気にしないでください。

 しろくまについては喜んでもらえてよかったです(≧∇≦)

 それではまた~(^^)ノシ


と、なった。

「こんな色とりどりにして大丈夫?」

あ、あんなに素朴な文だったのに……あんなになるなんてっ!!

「この現代じゃ普通ですよっ!!」

あ、奴は考えてることが読めるんだったっけ?……

「はい!」

どうやら、そうだったようだ。 

「とりあえず、返信しましょう?」

「あ、うん……」

そして、送信ボタンを押した。

ふぅ………

「安心してる場合じゃないですよ?」

「え?なんでだ?」

「だって、返信が来るかもしれないんですよ?なら、もっとドキドキしててもいいんじゃないでしょうか?」

……言われるまで全然気付いてなかったが、返信か。

なんかよくわからないけど、ドキドキというか緊張するな。

「おやおや?士郎さん女々しいですね~。だけど、それも初恋って感じ……いや、違いましたね。二回目ですか~慣れてない感じがまたいいですね~」

「なんの話を……」

チリリリ!!

なんて話をしていたら、携帯がこの場の空気を切り裂くように鳴った。

「メールっぽいですね」

なんて言っているインスタントガールフレンドを無視してメールを開くと………
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

鬼隊長は元お隣女子には敵わない~猪はひよこを愛でる~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「ひなちゃん。 俺と結婚、しよ?」 兄の結婚式で昔、お隣に住んでいた憧れのお兄ちゃん・猪狩に再会した雛乃。 昔話をしているうちに結婚を迫られ、冗談だと思ったものの。 それから猪狩の猛追撃が!? 相変わらず格好いい猪狩に次第に惹かれていく雛乃。 でも、彼のとある事情で結婚には踏み切れない。 そんな折り、雛乃の勤めている銀行で事件が……。 愛川雛乃 あいかわひなの 26 ごく普通の地方銀行員 某着せ替え人形のような見た目で可愛い おかげで女性からは恨みを買いがちなのが悩み 真面目で努力家なのに、 なぜかよくない噂を立てられる苦労人 × 岡藤猪狩 おかふじいかり 36 警察官でSIT所属のエリート 泣く子も黙る突入部隊の鬼隊長 でも、雛乃には……?

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

処理中です...