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十話
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【俺は至って正常なんだが世間が狂っている】
十話
母さんに押し出されるようにして、俺の部屋に先輩と二人きりになってしまった。
どうやら母さんは俺の貞操のことなどどうでもいいらしい。
「ねね! ベッドフカフカだねー! 枕、こーはいくんの匂いがする!」
俺のいつも使ってるベッドの中に先輩は潜り込み、蕩けるような甘い声を漏らした。
「……そりゃいつも使ってますから」
頑張れ俺の理性! でも、脚でも抓ってなければ多分もう襲っていたっておかしくない。
もしこれ以上なにかされたら息子が黙ってないぞ!
「こーはいくんのいい匂い……」
「……っ!」
堪えろ。俺! 彼女を押し倒したような姿勢になってしまったが、違うんだ。俺はそう言うことをしたくて彼女を家に呼んだわけじゃない。
「賢人~ご飯出来た……よ?」
なんでこんな訳の分からないタイミングでノックもせずに入ってくるんだよ。母さんは……
「……ご、ごめんねぇ? そうよねぇ~男の子だもんねぇ~」
母さんは微笑んでから「ごゆっくり」と、言い残しドアを閉めた。
「はぁ……終わった……というか、先輩? なんで何も言わないんです?」
返事の代わりに心地良さそうな寝息が返ってきた。
「……なんだよ。寝てんのか」
「……ん? どうしたの?」
「あ、いや……夕飯出来たらしいんで行きましょうか」
「うんっ!」
先輩はベットから元気に飛び上がって、リビングの方へと走っていった。俺もそれを追うようにして戻ると、母さんに抱きついている少女がいた。
「ママー今日のご飯はー?」
「今日は赤飯よ~」
「えー! 何かいいことでもあったの?」
「そうそう! いいことというよりいけないことがあったのよ~」
まあ、仲がいいのはいいことだが、早すぎやしませんかね? 距離の詰め方が一流のアサシンのそれだ。
「あ、お兄ちゃん!」
「いやお兄ちゃんじゃねえよ! どっちかといえばあんたの方が姉でしょうが!」
まあ、見た目的には小さくて妹っぽいし正直グッとこないこともない。いや、マジで心臓に悪いから。一瞬ロリコンになりそうだったから!
「あれ? 意外と効果あり?」
「そ、そそそそんなわけ! それより用意しましょうか?」
「あ、話逸らした」
少々母に苛立ちを感じながら、母が作った鯛の煮付けや赤飯なんかを食卓に並べていく。見た目は普通に美味しそうだ。
確かに母さんからすればめでたいことなのかもしれないが、やはりどこか気分が晴れない。ぽっかりと心に穴が空いたようなそんな感覚。
「どうしたの?」
俺の横に腰掛けている先輩が心配そうな目で俺を見ていた。
「本当に。彼女を連れてきた割にはなんかあれよね~」
「ね~」
「同年代の友達みたいなことしないで貰えます? 一応二人は初対面ですよね?」
「そんなことはどうでもいいんだよねー」
「ね~」
仲良し姉妹と言ったって誰も疑わないほど、二人は息がぴったりだった。母さんも歳の割には若いが、やはり先輩に比べると肌のハリとか髪のサラサラ感とか……いや、これ以上は考えないことにしよう。
「ほう……? なにか今酷いこと考えたよな?」
「お、お母様? 口調が怖いことになってますわよ?」
「二人とも変だよ! それよりご飯美味しいから僕が食べさせてあげる!」
「話がいま二、三個とんだろ! なんでそこに着地するんだ!」
母さんが途端に声を上げてゲラゲラと笑い始めた。
「顔真っ赤になってやんの!」
「う、うるさいな……」
「ほらほら! はやくあーんしてあーん!」
そう言って先輩は、自分の使っていた箸で鯛の煮物を掴んで俺の前に差し出してきた。
先輩はニコニコとしていつも通りのように振舞っていたが、耳まで紅潮していた。
「あ、あーん……」
俺だって親の前でこんなの超恥ずかしいに決まってる。けれど、彼女だけに恥をかかせるのは間違ってる。
ひと思いに一口で行ってやると、母さんはティッシュを目の下に持っていき「嬉しいよ……私は。立派になったね!」と、言った。
「あのさ……泣くなら泣くで、笑うなら笑うで統一してくれないかな?」
母さんの瞳からは一ミリも涙なんか流れてなく、笑っていた。クソ。おちょくってんのか……
「……ごめん。やっぱり我慢……ふふ……出来ん……あははははっ!!」
母さんはまたバカ笑いを始めた。畜生め! 俺がどれだけ恥ずかしかったと思ってるんだ! クソ!
ふと、視線を先輩に向けると、酷く恥ずかしそうに太ももを擦り合わせて俯いていた。どうやら俺だけではなかったらしい。
それに母も気がついたようで、一つ咳払いをし「で、でもよかったわ!一人息子にこんなに可愛い彼女が出来て!」と、誤魔化し気味に言う。
「可愛いって……えへへ……」
嬉しそうに笑ってる。ちょいと人の言葉を真に受けすぎじゃないか? まあ、短い茶髪があの幼げな丸顔によく似合ってて、時より覗く八重歯が可愛いことは認めるけどさ。
「へ……?」
「我が子が……我が子の成長が早すぎるよ! 女の子を家に連れ込んだと思ったら今度はラブコメの主人公並みのうっかりをやらかして、ヒロインの親密度を上げちゃうなんて……!」
二人して頬を両手で隠して、恥ずかしそうにもじもじする。
「……ふ、風呂入ってくる」
「彼女が入った後の湯船ってなんか興奮するよね!」
「母親が何言ってんだよ!」
これ以上ここに居るとなんか大変なことになってしまいそうな気がするので、逃げるように風呂場へと駆けた。
そして、ここで一つ問題が発生し、悪魔が耳元で囁く。
ピンク色のひらひらがまだそのままの状態で放置されていたのだ。
「おいおい! こんな無防備で女性専用のSランク級のレア装備が投げ捨てられてんだぜ? 男ならよぉ……くんかくんかスーハースーハーするだろ!」
俺の悪魔が囁く。こう来たら……
「ダメよ! そうもっと冷静になって!」
やっぱりこれだよな。来た来た。俺の天使。悪魔の甘い誘惑には負けないように頑張ってくれ! 全て天使にかかっているんだ!
一抹の願いを込め俺は祈った。
「頭に被るのが正解よ!」
……どうやら、俺の頭の中には天使なんかいなかったみたいだ。
でも、今は誰も来ない。現実的に考えればあの二人が入ってくることなんてない。なら、パンツを被ってもいいじゃない人間だもの。けんと。
俺はそのピンク色のヒラヒラに手を伸ばし、人差し指と親指で掴んだ瞬間、引き戸が俺の背で開いた音がした。
「僕のパンツ脱ぎっぱだったんだよねー!」
錆びたロボットのようにかくかくと振り返ると、目線と目線が絡み合い、空気が死んだ。
「そ、それは……ぼ、僕の……ぱ、パン……」
「ち、ちがう! お、俺はこれをくんかくんかスーハースーハーするつもりも頭にかぶって変身ポーズを決めるつもりもなかったんだ!」
彼女の視線が恐ろしく冷たい。待って。凍っちゃう。そろそろ夏なのに俺、凍っちゃうよ?
「い、いやぁ……違うんだよ! 本当に! 俺はただこれをネットに入れて洗おうとだな!」
「ネットに拡散する……?」
「い、いやいや! そんなこと一言も言ってませんけど!?」
「……背徳的な気分は凄いってママは言ってた」
「すげえ母さんだな!」
「……それに。凄いことになってる」
彼女は頬を真っ赤に染めて両手で顔を覆った。その視線が向かっていた方に視線をやると……男の象徴が元気百倍になっていた。
そう言えば俺は服を脱いでいたんだった。そりゃ涼しい訳だな。……じゃねえよ!
「も、もう出ていって! 本当に何もしないし! ほ、ほらこれも返すから!」
片手で隠しながら手に持っていたピンクを彼女に握らせると、俺は風呂場に飛び込んだ。
本当に俺は何をしているんだ……変態かよ……
十話
母さんに押し出されるようにして、俺の部屋に先輩と二人きりになってしまった。
どうやら母さんは俺の貞操のことなどどうでもいいらしい。
「ねね! ベッドフカフカだねー! 枕、こーはいくんの匂いがする!」
俺のいつも使ってるベッドの中に先輩は潜り込み、蕩けるような甘い声を漏らした。
「……そりゃいつも使ってますから」
頑張れ俺の理性! でも、脚でも抓ってなければ多分もう襲っていたっておかしくない。
もしこれ以上なにかされたら息子が黙ってないぞ!
「こーはいくんのいい匂い……」
「……っ!」
堪えろ。俺! 彼女を押し倒したような姿勢になってしまったが、違うんだ。俺はそう言うことをしたくて彼女を家に呼んだわけじゃない。
「賢人~ご飯出来た……よ?」
なんでこんな訳の分からないタイミングでノックもせずに入ってくるんだよ。母さんは……
「……ご、ごめんねぇ? そうよねぇ~男の子だもんねぇ~」
母さんは微笑んでから「ごゆっくり」と、言い残しドアを閉めた。
「はぁ……終わった……というか、先輩? なんで何も言わないんです?」
返事の代わりに心地良さそうな寝息が返ってきた。
「……なんだよ。寝てんのか」
「……ん? どうしたの?」
「あ、いや……夕飯出来たらしいんで行きましょうか」
「うんっ!」
先輩はベットから元気に飛び上がって、リビングの方へと走っていった。俺もそれを追うようにして戻ると、母さんに抱きついている少女がいた。
「ママー今日のご飯はー?」
「今日は赤飯よ~」
「えー! 何かいいことでもあったの?」
「そうそう! いいことというよりいけないことがあったのよ~」
まあ、仲がいいのはいいことだが、早すぎやしませんかね? 距離の詰め方が一流のアサシンのそれだ。
「あ、お兄ちゃん!」
「いやお兄ちゃんじゃねえよ! どっちかといえばあんたの方が姉でしょうが!」
まあ、見た目的には小さくて妹っぽいし正直グッとこないこともない。いや、マジで心臓に悪いから。一瞬ロリコンになりそうだったから!
「あれ? 意外と効果あり?」
「そ、そそそそんなわけ! それより用意しましょうか?」
「あ、話逸らした」
少々母に苛立ちを感じながら、母が作った鯛の煮付けや赤飯なんかを食卓に並べていく。見た目は普通に美味しそうだ。
確かに母さんからすればめでたいことなのかもしれないが、やはりどこか気分が晴れない。ぽっかりと心に穴が空いたようなそんな感覚。
「どうしたの?」
俺の横に腰掛けている先輩が心配そうな目で俺を見ていた。
「本当に。彼女を連れてきた割にはなんかあれよね~」
「ね~」
「同年代の友達みたいなことしないで貰えます? 一応二人は初対面ですよね?」
「そんなことはどうでもいいんだよねー」
「ね~」
仲良し姉妹と言ったって誰も疑わないほど、二人は息がぴったりだった。母さんも歳の割には若いが、やはり先輩に比べると肌のハリとか髪のサラサラ感とか……いや、これ以上は考えないことにしよう。
「ほう……? なにか今酷いこと考えたよな?」
「お、お母様? 口調が怖いことになってますわよ?」
「二人とも変だよ! それよりご飯美味しいから僕が食べさせてあげる!」
「話がいま二、三個とんだろ! なんでそこに着地するんだ!」
母さんが途端に声を上げてゲラゲラと笑い始めた。
「顔真っ赤になってやんの!」
「う、うるさいな……」
「ほらほら! はやくあーんしてあーん!」
そう言って先輩は、自分の使っていた箸で鯛の煮物を掴んで俺の前に差し出してきた。
先輩はニコニコとしていつも通りのように振舞っていたが、耳まで紅潮していた。
「あ、あーん……」
俺だって親の前でこんなの超恥ずかしいに決まってる。けれど、彼女だけに恥をかかせるのは間違ってる。
ひと思いに一口で行ってやると、母さんはティッシュを目の下に持っていき「嬉しいよ……私は。立派になったね!」と、言った。
「あのさ……泣くなら泣くで、笑うなら笑うで統一してくれないかな?」
母さんの瞳からは一ミリも涙なんか流れてなく、笑っていた。クソ。おちょくってんのか……
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母さんはまたバカ笑いを始めた。畜生め! 俺がどれだけ恥ずかしかったと思ってるんだ! クソ!
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それに母も気がついたようで、一つ咳払いをし「で、でもよかったわ!一人息子にこんなに可愛い彼女が出来て!」と、誤魔化し気味に言う。
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「へ……?」
「我が子が……我が子の成長が早すぎるよ! 女の子を家に連れ込んだと思ったら今度はラブコメの主人公並みのうっかりをやらかして、ヒロインの親密度を上げちゃうなんて……!」
二人して頬を両手で隠して、恥ずかしそうにもじもじする。
「……ふ、風呂入ってくる」
「彼女が入った後の湯船ってなんか興奮するよね!」
「母親が何言ってんだよ!」
これ以上ここに居るとなんか大変なことになってしまいそうな気がするので、逃げるように風呂場へと駆けた。
そして、ここで一つ問題が発生し、悪魔が耳元で囁く。
ピンク色のひらひらがまだそのままの状態で放置されていたのだ。
「おいおい! こんな無防備で女性専用のSランク級のレア装備が投げ捨てられてんだぜ? 男ならよぉ……くんかくんかスーハースーハーするだろ!」
俺の悪魔が囁く。こう来たら……
「ダメよ! そうもっと冷静になって!」
やっぱりこれだよな。来た来た。俺の天使。悪魔の甘い誘惑には負けないように頑張ってくれ! 全て天使にかかっているんだ!
一抹の願いを込め俺は祈った。
「頭に被るのが正解よ!」
……どうやら、俺の頭の中には天使なんかいなかったみたいだ。
でも、今は誰も来ない。現実的に考えればあの二人が入ってくることなんてない。なら、パンツを被ってもいいじゃない人間だもの。けんと。
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「僕のパンツ脱ぎっぱだったんだよねー!」
錆びたロボットのようにかくかくと振り返ると、目線と目線が絡み合い、空気が死んだ。
「そ、それは……ぼ、僕の……ぱ、パン……」
「ち、ちがう! お、俺はこれをくんかくんかスーハースーハーするつもりも頭にかぶって変身ポーズを決めるつもりもなかったんだ!」
彼女の視線が恐ろしく冷たい。待って。凍っちゃう。そろそろ夏なのに俺、凍っちゃうよ?
「い、いやぁ……違うんだよ! 本当に! 俺はただこれをネットに入れて洗おうとだな!」
「ネットに拡散する……?」
「い、いやいや! そんなこと一言も言ってませんけど!?」
「……背徳的な気分は凄いってママは言ってた」
「すげえ母さんだな!」
「……それに。凄いことになってる」
彼女は頬を真っ赤に染めて両手で顔を覆った。その視線が向かっていた方に視線をやると……男の象徴が元気百倍になっていた。
そう言えば俺は服を脱いでいたんだった。そりゃ涼しい訳だな。……じゃねえよ!
「も、もう出ていって! 本当に何もしないし! ほ、ほらこれも返すから!」
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