28 / 36
『第六話・2 : 幻層臨界《スウィート・ディザスター》』
しおりを挟む
次の瞬間、ザッハトルテの黒い艶が、不気味な呼吸のように脈打った。
その表面に走っていた亀裂がぱっくりと割れ、チョコレートの破片が床に散る。
濃厚な甘い香りは一瞬で変質し、鉄を焼くような匂いが鼻腔を刺した。
――空気が、ざらりと変わった。
「……っ、嘘でしょ……」
セラフィーが思わず後ずさる。
中央のアプリコットジャムが盛り上がり、眼球のように膨れてぎょろりと視線を返す。
次の瞬間、それが破裂する。
琥珀色の滴が床に落ちて蠢き、指のような形を取っていった。
(やば……これ……まさかの、ケーキゴーレム!?)
スポンジの層がぐにゃりと折れ曲がり、積み木のように重なっていく。
焼き目の生地はひび割れ、筋肉のようにうねりながら腕と脚を成していく。
リリアの背筋を、ぞわりと冷気が這い上がった。
甘い香りの奥に、血と腐敗の匂いが滲んでいる。
艶めいていたチョコレートは鎧のように硬化し、光を鈍く反射した。
やがて三メートルを超える巨躯となり、甘美の象徴だったケーキは異界の兵器へと変貌した。
その動きに呼応するように、ショーケースの菓子たちも震え始める。
苺のタルト、プリン、ミルフィーユ――すべてが崩れ、目を覚まそうとしていた。
(最悪だ……これ完全に“ボス戦強制突入イベント”じゃねえか!)
革バッグの中で、ワン太が小さく拳を握る。
その姿に、リリアの胸がわずかに熱を帯びる。
ケーキゴーレムが腕を振り下ろす。
リリアは剣を構え、真正面から迎え撃つ。
チョコレートの塊が叩きつけられ、石畳が砕け――
――轟音が走る、はずだった。
だが、足元の空気は微動だにしない。
破片も、風圧も、何ひとつ届かない。
「……っ!?」
セラフィーが慌てて結界を張る。だがリリアは動かない。
(……おかしい……今の、ぜんぜん“受けた感覚”がない……)
砕けた石は宙で止まり、映像のように巻き戻されていく。
焦げた匂いも、煙も、薄膜のように消えた。
(……これ、全部……見せられてる……?)
甘い匂いも、崩れる音も、夢の皮を剥ぐように消えていく。
世界が一瞬、呼吸を止めた。
「セラフィー……これ……幻だ!」
「え……? ま、待って……じゃあ、今までの全部……?」
セラフィーの声が震える。
その瞬間、空気の膜が破れる音が“キィン”と耳を裂いた。
砂糖の粒が逆光に舞い、景色の端から現実が滲み出してくる。
ケーキの街が、輪郭を失いはじめた。
砂糖の光がほどけ、壁の色が水に溶けるように滲む。
世界の色が、一呼吸で褪せた。
光が甘い膜を失い、空気の輪郭が戻る。
耳の奥で、“現実”の鐘が鳴った。
「――コード:斬閃《デルウェイ》!」
白光が走る。
剣の軌跡が閃光となって空間を裂き、ケーキゴーレムの胸を貫いた。
爆ぜる音とともに、世界が一瞬真白に塗りつぶされる。
セラフィーが叫ぶ。
「リリア、やったの!?」
「いや――違う。これ、消えてる……!」
「……じゃあ、本体はまだ……?」
淡く透けながら、巨体は光の粒になって溶けていった。
まるで最初から実体がなかったかのように。
風の匂いが変わる。
焦げたカカオの苦みが、皮膚の奥に残る。
それは“現実へ戻る途中”の味だった。
(……やっぱり、すべて幻像だ……!)
(この街そのものが、甘さで人を絡め取る罠……
――“幻の甘味”ってところか……!)
(どうする? 今のままだと打つ手なしだぞ……)
――そのとき。
バッグの中のワン太と目が合う。
綿の奥で、小さな光が一瞬だけ瞬いた。
それは“理解”というより、“呼応”だった。
まるで、遠く離れた心臓が同じ鼓動を返すように。
ぬいぐるみの鼻先が、かすかに動く。
(ん?……そうか……! ここが“幻想”なら、ワン太ならどうにかできるかもしれない。)
(幻を形づくる魔素は、生きた存在にしか干渉できない。
だから――“命を持たない”ワン太には、最初から通じないんだ……!)
(ガルヴェインの時もそうだった。
あの霧の幻術にも、ワン太は一度たりとも惑わされなかった!)
(いや、違う。ただ“効かない”だけじゃない。
あいつの中には、きっと――魔そのものを拒む、“絶対的な力”があるんだ。)
(だから、ワン太を媒介にすれば──現実の力でこの幻影を焼き尽くせる。
――それが、ここからの唯一の突破口だ!)
その確信が胸を貫いた瞬間、脳裏に――さっきチラッと見た古書の一節が閃いた。
『“ネクロコード”……魂を縛り、生きた躰を符号の糸で操る禁断の術……!
“無生の器”を操ることもできる……!』
(――これだ!)
(だが問題は、幻想と現実――その二つの領域を、本当に“繋げられる”のか。)
(操作系魔術では不可能……だが、ネクロコードなら“位相を越えて干渉”できる――魂の座標を書き換える力がある!)
(……ただし失敗すれば――この幻想に“意識ごと閉じ込められる”。
現実には戻れない。時間すら凍ったまま、永遠にこの甘い牢に囚われる……)
(……もう、試すしかない。
守るためなら、踏み込むしかねえ!)
指先で、空中にペンタゴンの印を切る。
「リリア……それ、まさか――」
セラフィーの声が震える。
「やめて……そんな術、現実に干渉したら、あなたの魂が――!」
その声が光に飲まれるように掻き消え、
光が、指先に集まりはじめた。
空気が低く唸り、世界が“境界”を思い出す。
胸の奥で、火花のような痛みが弾けた。
リリアは、静かに前へ出た。
その表面に走っていた亀裂がぱっくりと割れ、チョコレートの破片が床に散る。
濃厚な甘い香りは一瞬で変質し、鉄を焼くような匂いが鼻腔を刺した。
――空気が、ざらりと変わった。
「……っ、嘘でしょ……」
セラフィーが思わず後ずさる。
中央のアプリコットジャムが盛り上がり、眼球のように膨れてぎょろりと視線を返す。
次の瞬間、それが破裂する。
琥珀色の滴が床に落ちて蠢き、指のような形を取っていった。
(やば……これ……まさかの、ケーキゴーレム!?)
スポンジの層がぐにゃりと折れ曲がり、積み木のように重なっていく。
焼き目の生地はひび割れ、筋肉のようにうねりながら腕と脚を成していく。
リリアの背筋を、ぞわりと冷気が這い上がった。
甘い香りの奥に、血と腐敗の匂いが滲んでいる。
艶めいていたチョコレートは鎧のように硬化し、光を鈍く反射した。
やがて三メートルを超える巨躯となり、甘美の象徴だったケーキは異界の兵器へと変貌した。
その動きに呼応するように、ショーケースの菓子たちも震え始める。
苺のタルト、プリン、ミルフィーユ――すべてが崩れ、目を覚まそうとしていた。
(最悪だ……これ完全に“ボス戦強制突入イベント”じゃねえか!)
革バッグの中で、ワン太が小さく拳を握る。
その姿に、リリアの胸がわずかに熱を帯びる。
ケーキゴーレムが腕を振り下ろす。
リリアは剣を構え、真正面から迎え撃つ。
チョコレートの塊が叩きつけられ、石畳が砕け――
――轟音が走る、はずだった。
だが、足元の空気は微動だにしない。
破片も、風圧も、何ひとつ届かない。
「……っ!?」
セラフィーが慌てて結界を張る。だがリリアは動かない。
(……おかしい……今の、ぜんぜん“受けた感覚”がない……)
砕けた石は宙で止まり、映像のように巻き戻されていく。
焦げた匂いも、煙も、薄膜のように消えた。
(……これ、全部……見せられてる……?)
甘い匂いも、崩れる音も、夢の皮を剥ぐように消えていく。
世界が一瞬、呼吸を止めた。
「セラフィー……これ……幻だ!」
「え……? ま、待って……じゃあ、今までの全部……?」
セラフィーの声が震える。
その瞬間、空気の膜が破れる音が“キィン”と耳を裂いた。
砂糖の粒が逆光に舞い、景色の端から現実が滲み出してくる。
ケーキの街が、輪郭を失いはじめた。
砂糖の光がほどけ、壁の色が水に溶けるように滲む。
世界の色が、一呼吸で褪せた。
光が甘い膜を失い、空気の輪郭が戻る。
耳の奥で、“現実”の鐘が鳴った。
「――コード:斬閃《デルウェイ》!」
白光が走る。
剣の軌跡が閃光となって空間を裂き、ケーキゴーレムの胸を貫いた。
爆ぜる音とともに、世界が一瞬真白に塗りつぶされる。
セラフィーが叫ぶ。
「リリア、やったの!?」
「いや――違う。これ、消えてる……!」
「……じゃあ、本体はまだ……?」
淡く透けながら、巨体は光の粒になって溶けていった。
まるで最初から実体がなかったかのように。
風の匂いが変わる。
焦げたカカオの苦みが、皮膚の奥に残る。
それは“現実へ戻る途中”の味だった。
(……やっぱり、すべて幻像だ……!)
(この街そのものが、甘さで人を絡め取る罠……
――“幻の甘味”ってところか……!)
(どうする? 今のままだと打つ手なしだぞ……)
――そのとき。
バッグの中のワン太と目が合う。
綿の奥で、小さな光が一瞬だけ瞬いた。
それは“理解”というより、“呼応”だった。
まるで、遠く離れた心臓が同じ鼓動を返すように。
ぬいぐるみの鼻先が、かすかに動く。
(ん?……そうか……! ここが“幻想”なら、ワン太ならどうにかできるかもしれない。)
(幻を形づくる魔素は、生きた存在にしか干渉できない。
だから――“命を持たない”ワン太には、最初から通じないんだ……!)
(ガルヴェインの時もそうだった。
あの霧の幻術にも、ワン太は一度たりとも惑わされなかった!)
(いや、違う。ただ“効かない”だけじゃない。
あいつの中には、きっと――魔そのものを拒む、“絶対的な力”があるんだ。)
(だから、ワン太を媒介にすれば──現実の力でこの幻影を焼き尽くせる。
――それが、ここからの唯一の突破口だ!)
その確信が胸を貫いた瞬間、脳裏に――さっきチラッと見た古書の一節が閃いた。
『“ネクロコード”……魂を縛り、生きた躰を符号の糸で操る禁断の術……!
“無生の器”を操ることもできる……!』
(――これだ!)
(だが問題は、幻想と現実――その二つの領域を、本当に“繋げられる”のか。)
(操作系魔術では不可能……だが、ネクロコードなら“位相を越えて干渉”できる――魂の座標を書き換える力がある!)
(……ただし失敗すれば――この幻想に“意識ごと閉じ込められる”。
現実には戻れない。時間すら凍ったまま、永遠にこの甘い牢に囚われる……)
(……もう、試すしかない。
守るためなら、踏み込むしかねえ!)
指先で、空中にペンタゴンの印を切る。
「リリア……それ、まさか――」
セラフィーの声が震える。
「やめて……そんな術、現実に干渉したら、あなたの魂が――!」
その声が光に飲まれるように掻き消え、
光が、指先に集まりはじめた。
空気が低く唸り、世界が“境界”を思い出す。
胸の奥で、火花のような痛みが弾けた。
リリアは、静かに前へ出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる