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13、次長のお仕事
しおりを挟む自称 調整者改め、次長の事を考えながら、目的の村に向かって歩く。
そう言えば、次長はミレーユにはあったのだろうか。
あの時俺が話している時は、まだ魂は身体に残っていたような気がする…記憶違いでなければ。
彼女にも転生特典とか付けてもらえれば、自分の身は自分で守れるくらいには強くなれるだろう。
いまだ鬱蒼と木が生い茂る森の中、馬を引いて歩きながら考える。
「俺が第一王子に生まれていれば、今頃は彼女と結婚出来ていたのかな……」
あの魔法陣魔法のスキルを取得した時、このネタで次長を脅した事はここだけの話だが、考えてもどうにもならない事を考えるくらいには悩んでいる。
それ以前に、この世界のこの俺でも彼女は受け入れてくれるだろうか?
そこが一番重要な事に今更気付いて、なんだか一気に不安になった。
もし、この地位が邪魔ならば捨ててしまえばいい話だし、前世と同じく努力はする予定だ。
あの夜この世界の彼女に一目惚れして速攻で失恋して……手紙をもらって更に落ち込んだ。
あの時の切ないやるせない気持ちは、いまだ忘れられずにいる。
これから会いに行ってまた振られたりしてな……。
森が暗いせいで思考も暗くなるのか、どんどんテンションが下がっていき、下がり過ぎたテンションで息も絶え絶えになりそうな頃、ようやく森を抜けた。
そこからは一気に馬で駆け、城を出て二時間程で目的の街の近くまで来た。
はやる気持ちを抑え、馬を降りゆっくり門まで歩く。
いつもお忍びで使っている身分証を使い、馬を預かってもらい街に入ろうとした時、思わぬところから声を掛けられた。
「殿下…お待ちしておりました」
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