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しおりを挟むそういえば……呪いの解除と聞いて思い当たる事が……そうそう…そういえば社長の記憶喪失の呪いも都築川さんが解いたのよね…なんて思い出しながら玄関に向かうと、勇樹が対応していてくれた。
「都築川さんお疲れ様です。すみませんわざわざ……勇樹もありがとうね」
玄関先にいた都築川さんに入ってもらい、まずはお茶…なんて思ったら、都築川さんに先を促された。
「副社長、申し訳ありませんが先に解呪の方をお願いします。時間が経つ程に呪いは強くなりますので……」
そう言って、私の肩にいる社長を自分の手に乗せた。
「おや……社長も多少影響を受けてしまいましたか……」
そう言って軽く社長に手を翳すと、気のせいか社長の周りが明るく見える。
もしかして、うっすらと分からない位に黒いモヤに包まれてしまっていたのだろうか……。
「大変申し訳ないのですが、これからする事はちょっと見せられないのですが…」
都築川さんの視線がちらっと勇樹に向かう。
まぁ…言っちゃあなんだけど部外者だし、常識外の事を理解しようとしないしね……ここで騒がれるのもなんなので、私が扉の外に立つことを了承してもらい、早々に部屋に向かった。
ちなみに…勇樹には『あとでゆっくり説明な…』と言われた。色々と頭の固い勇樹に説明するのはちょっと面倒臭い……けど…まぁしょうがないか……。
⚫〇⚫〇
社長達が部屋に入り一時間と少し……。
夕飯が早かった事もあり、まだ就寝の時間には早いけれど…通常ならボチボチ寝る準備をする時間だ。
「美里姉ちゃん…ここに座ってなくても覗いたりしないから、少し休んだら?」
お風呂上がり、洗い髪をガシガシとタオルで拭きながら話す勇樹……うん…お父さんに似なくて良かったね……なんて失礼な事を心の中で思いながら、大丈夫と返す。
「鶴の恩返しって感じだな…」
寝室の扉を一瞥しそのまま居間に行き…しばらくすると水筒に少し温めのコーヒーを入れてきてくれた。
「これならここでも飲めるだろ?」
そう言って、また居間に引き返して行く。
そして…
「わりーけど明日は用事あるから、今日は先に休ませてもらうよ。話しは明日の夜でいいよな?」
何をどう言って良いのか分からない私の答えを待たず二階の自室へ向かっていった。
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