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しおりを挟むお父さんに言われて、都築川さんに連絡していないのを思い出し、慌てて電話をする。
さすがに社長を普通の病院に連れて行くわけにもいかないので、都築川さんに連絡を…と、昨夜から考えていたんだっけ……。
そんな事を考えながら都築川さんが家に来るのを待つ。電話をしたらすぐに来てくれるとの事だったので、少し安心した。
「そういえば、美里姉ちゃん…。『副社長』ってなんなん?」
今まで黙って話しを聞いていた勇樹が口を開く。多分今回の件については、父がいるから聞かなくても良くなったのか、私の仕事の件について聞いてきた。
「あぁ…ね…。うんまぁ…なんて言ったらいいんだろ」
何も見えない人(勇樹)にとっては、私はどう見えているんだろう?
ふとそんな事を考えてしまい、言葉が続かなくなってしまう。
どうしよう……
思わずだんまりしてしまった時、玄関のチャイムが鳴った。きっと都築川さんだろうと思い、この際都築川さんに説明してもらおうと、急いで玄関に向かった。
⚫〇⚫〇
とりあえず都築川さんに社長の状態を見てもらい、急がなくても大丈夫だと言うことなので、私が副社長になった経緯を説明してもらった。どう説明しようかあれだけ悩んだのにも関わらず、説明は単純簡潔だった。
「我々の会社は、この世界で暮らす人外の者が働く会社です。しかしながら、人間社会には人間社会のルールもございます。誤魔化すにしても全部が全部誤魔化せるものではございませんので、人間社会への接点として、渡利様には副社長の任に就いて頂きました。もちろん、危険なことはありません。役職上面倒はあるかもしれませんが、そのあたりのフォローはさせて頂いております」
怒涛の如く、勇樹が口を挟む間もなく説明した都築川さん。
「最近は、アンティークや古書などのやり取りにもIT化の波が来ております。便宜上の代表者と思って頂けると助かります」
勇樹には私も理解してやっている事を説明して、ようやく納得してもらえた。
ちなみに…父は……こっくりこっくりと居眠りしてました。勇樹曰く、昨夜か帰宅してから一睡もしていなかったらしい。
父の事はそのままソファに寝せ、都築川さんには謝って、今日は帰ってもらった。
社長は、今は私から話さないことが一番の治療になるらしいので、そのまま私の部屋に移動させ、明後日の出社時に社長も連れて行くようにする。
「渡利様…解呪がきちんとできていなかったのかも知れません。社長がお目覚めにならないと詳しくは解らないのですが……」
昨夜の事を謝られたけれど、あの物件は元々我が家の父の案件なので、お礼こそすれども、謝ってもらうものでは無いと言ったら、恐縮しながら帰って行った。
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