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しおりを挟むそんなうまい話があるんだろうか?
人間のまま、人外の…長命であろう種族の社長と同じ時を歩める……それに…多分私…プロポーズされた…よね?
夢じゃないよね?
でもやっぱり、ここまで上手い話って夢だからじゃない?
そんな事を考えながら…結構な時間が経っていたらしい。いつの間にか部屋の中にはナヅナさんがいて、食事の準備が始まっていた。
「お返事はゆっくりお食事のあとでもよろしゅうございますよ?私達の生は、人間とは比べ物にならない位長いものでございますから……」
いえいえ…食事のあとでも充分早い返事だからね?……と思いつつ、いつの間にか窓際に立ち外を見ている社長を見る。
「ホントにそんな詐欺みたいな話があるんですか?」
詐欺って……そう言って、くすくす笑うナヅナさんを横目で見つつ社長が口を開く。
「ある。実際そいつ…ナヅナの母親は元人間だ。人間としての生を全うして、今はツヅキと共に生きている。もし、心配なら会ってみるか?」
そう言ってナヅナさんに視線を向けると、苦笑しながらナヅナさんが了承してくれた。
「母は明治生まれの女性です。父が口説き落として伴侶となったそうです。後ほど…そうですね…三時のお茶の時間に合わせて連れてきましょう。それまで、お二人で意思疎通はしっかりとお願いします」
そういって、食事の準備を全て終え部屋を出て行った。
いつもなら給仕が付くらしいけど、今日は食事をしながら話をしたかったので下がらせたらしい。
●○●○
食事をしながら、他愛もない話……なんて出来るわけもなく、ぽつりぽつりと気になったことを聞いて行く。
気になった事、思いついたことを都度聞いていたので、なんだかあっちこっちな話になってしまったが、おおむねこんな感じの話だった。
伴侶の契りを結ぶことで、私の老化のスピードはだいぶ遅くなるらしい。そして、徐々に社長と同じ種族に近い物へと身体が作り替えられ、人間としての生が終わった時に次の生が始まるらしい。
ちなみに…その時の年齢は、伴侶の契りを結んだ相手とほぼ同じ年になるらしい。
うぅ~ん…どうも未知の世界過ぎて想像が追い付かない。
本当だったら、思いのままに返事をしてしまっても大丈夫なのだろうと、社長を見る限り思う。
きっと、人間から人外さんへの変化も前例も、都築川さんの奥さんだけではなくもっといるだろうし…社長が言うのだから、危険なことはないと思うのだけど…そう思うのだけど、なかなか不安は消えない物なのだと実感している。
「もう少し……多分、今日中に答えは難しいかもしれません……」
断りたいわけではない……一緒にいられる方法があって…社長が私を好いてくれていることが分かって嬉しかったのだ。それだけは念を押して……約束通りお茶の時間にナヅナさんのお母さんに会って…夕方には自分のアパートに帰った。
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