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しおりを挟む結婚式当日。
昔から何か行事があると微妙に雨が降りそうな日ばかりだった私に限って…と思いつつ隣に立つ雪斗さんを見て納得。この人、強烈な晴れ男でした。
そんなわけで、絶好の結婚式日和の今日。
夜中に近い時間から準備をしていた私は、まだ朝の十時だと言うのに既にぐったりだったりしている。
「眠いですよ…緊張してるけど」
雪斗さんに少しボヤきながらゆっくり歩く。
今朝はホテルに五時に入らなければいけなかったので頑張って三時に起きた。
実家に泊って、今朝(?)はなるべく皆を起こさないよう静かに出る予定でいたのに、いつの間にか父と母が見送りに出てきてくれていた。
「今日、ここから出たら美里ちゃんは渡利じゃなくなっちゃうのね」
「渡利じゃなくなっても父さん達の子供で、美琴や勇樹の姉弟に変りはないんだから」
そう言って、二人とも涙目で送り出してくれた。
今まであまり考えていなかったけど…改めて、結婚という意味や家族の絆を実感してしまい、ホテルに着いたらメイクがあると言うのに、タクシーの中でわんわん泣いてしまった。
そこに実家があり会社があり、父や母…家族もそこにあり…。
すでに自立もしているから、姓が変わるだけで他は何も変わらないと思っていた結婚が、こんなにも悲しくてうれしい事だとは思わなかった。
タクシーで十分程の時間、わんわん泣いたお陰でホテルに着いてからが大変だったけど、雪斗さんのお姉さんのお陰でなんとかなり…無事ヘアメイクも済み写真撮影も終え今に至るんだけど、先述の通り既に疲れ切ってしまった私に、苦笑いしながら『これでも食っとけ』と飴玉を一つくれた。
他人の(人間の)目があるので、色々とやらかすわけにはいかないだろうと、都築川さんが事前に準備してくれていたそうだ。まぁ、人間で言うところの栄養剤らしい。
都築川さんが準備してくれた飴玉と、雪斗さんのお姉さん…彩音さんの美顔マッサージのお陰で、無事披露宴を始められ、滞りなく式次第も進み……一般的な披露宴よりほんの少し時間の長い3時間ほどで終了した。
ちなみに……雪斗さんのご両親との初対面は披露宴中…ぶっつけ本番でした。
人外さんも偉くなると色々と邪魔をされたりして大変らしく、乗るはずの飛行機がエンジントラブルで飛び立てず…遅れに遅れ、最寄りの空港に着いたのが今朝。その後は人外さんならでは…というか、雪斗さんのご両親ならではの移動方法で、急いでここまで来たらしい。
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