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5 それぞれの事情
しおりを挟む昼食は思いがけず楽しいものとなった。
まぁ、隣のクラスだし万葉ちゃんとは初対面だしっていう事で、私はひたすら聞き役だったけど。
この学校の半分が地元の学校からで、あとの半分が近隣の学校からの進学らしく二人は見知った人も多いらしい。
もちろん、この学校のレベルも高いので、皆が皆仲がいいわけでもないらしい。
私はあまり考えたことも無かったけれど、二人が行っていた中学校は県内でも大きい学校に入るようで、人数が多いと人とのいざこざも多くなるらしい。
「里奈はね、頭がいいから学校からの推薦でも受験でも通れたんだろうけど、私は本番に弱くてさ推薦一択だったよ。お母さんがさ、進路が決まっていないなら選択肢を増やせる学校に行けって」
ここの学校を受けた理由を聞いたら、万葉ちゃんがしみじみ語ってくれた。
万葉ちゃん家のお母さんは、家の母親と同じ意見らしい。
聞いていると、性格ややる事の所々が似ていて、思わず『双子かっ』って心の中で突っ込んだけど。
「ウチは、『ここを受けろ』ってだけ。親がどっちも先生でさ…なんっつーのか、見栄?そんな感じ。小学校ん時からよく言えば放任?悪く言えば放置?が当たり前で期待だけおっきくってね」
うんざりした顔で語ってくれた。
あとでこっそり万葉ちゃんが教えてくれた。
里奈ちゃんの家はかなり厳しいらしい…親いないけど。
先生だから朝は早いし、夜もまぁまぁ遅い。
土日は担当の部活動の監督でほぼ家にいない。
なのに休みの日に友達と出掛けるのは禁止するらしい。
万葉ちゃんのお母さんが『ぐれないように、時々息抜きさせてあげなさい』って言うほどらしいなかなか大変そうだ。『まぁ、近くに程々に放任なウチがいたから余計厳しく感じたのかもしんないけど』なんて言ってたけど、十分厳しいと思うぞ?これ。
●○●○
昼食が終わり、午後の授業も終わり放課後は部活動の見学だった。
里奈ちゃんや万葉ちゃんに聞いたら二人とも美術部一択らしく、真っすぐ美術部に行くようだ。
「陽香ちゃんはどうするの?中学校では何部?運動部だったの?」
矢継ぎ早に聞かれて答えるも、特に活躍できたスポーツも無いので二人と同じ部活に入ってもいいかも知れない。
二人は大学入試も考えて比較的時間の余裕のある…しかし活動もしている部活を既にリサーチしていたらしい。
昨今の美術部は、お母さんが描く絵画ばかりではなく、イラストやCGで絵を描いたりもするらしい。
世の中にはイラストレーターとかアニメ制作とかもあるしね。
楽しく活動出来て長く所属した方が後々良いんじゃない?とは万葉ちゃんのお母さん談だ。
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