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16 人外さんの決まり事
しおりを挟む頭にぼんちゃんを乗せ帰宅。
ただいまと帰宅の挨拶をした私の頭の上を見て、少し動きが止まった母だけど、しばらくしたら何度ともなかったかのように動き出して、その後は今までと何も変わらない様子だった。
ちなみに、怜くんも初めて見た時はしばらく動きが止まったのだけれど、いつも肩に乗っている妖精さんが何か耳元でしゃべった後は、何事もなかったかのように動き出した。親子揃って同じ反応に笑ってしまったけれど、今夜はこの "ぼんちゃん" と 仲良くなる為に時間を使いたいので、食事が終わったら早々に部屋に引き上げた。
当たり前だけれど、宿題もしっかりこなさないといけない。美琴ちゃんと約束したからね。
現実の人間の世界を大事にできないのならば、ぼんちゃんを預けることはできないから頑張りなさい…と。
勉強は今まで通りのペースでこなし、友達付き合いも大事にする。
そして、空いた時間にぼんちゃんとの友好を深めていく。
ぼんちゃんともそう話した。
ぼんちゃんの声は、ぼんちゃんが話したいと思った人にしか聞こえないらしい。
ぶさかわいいぼんちゃんは、こう見えても高位の精霊さんらしい。
崇ちゃんの補佐もしたりすることもあるらしいから、多分色々物知りだろうとも思う。
そして、ぼんちゃんという名も仮の名だということも教えてくれた。
妖精や人外との契約は人間側に変化を起こしてしまうこと…リスクにもなりうるその変化をもたらす契約は、まずは真名(真実の名)を交換することから始まる為、真名は余程のことがない限り教えないということだ。
まぁ、ぶっちゃけ『本当の名を教えられないことを残念に思うな』ということらしい。
……ということは、美琴ちゃんと怜くんは相手の真名を知っているんだろうな…なんてぶつぶつ言っていたら、それも教えてくれた。
真名は名を交換して契約した者同士にしか聞こえないし呼べないこと。
だから、ぼんちゃんは永いこと崇ちゃんの傍にいるけれど、名前は呼んだことはないらしい。
崇ちゃんは、人外さんの間では『社長』と役職で呼ばれているらしく、崇ちゃんという名は、人間世界で活動する為の名前らしい。美琴ちゃんは恐らく、社長の名を呼んでいるだろうと思うけれど、他人には美琴ちゃんが呼んだ『音』は聞こえない。周囲の人に合った呼びなんで各自の耳に聞こえるらしい。
私には崇人さんと聞こえ、ぼんちゃんの耳には社長と言っているように聞こえるらしい。
どんな仕組みでそうなるのかは、ぼんちゃんにも分からないけれど、昔からこうらしい。
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