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31 焦りは禁物
しおりを挟むぼんちゃんが言ってくれたことをもう一度反芻する。
まだ焦んなくていいのかな?
なんてポロっとこぼす。
今の私は、人間の世界とその他の種族の世界の真ん中辺りに立っているのかもしれない。
人外さん達のように長い時間を生きるのならば、きっと焦らなくても何とかなるのかもしれない。けど…人間の世界で生きるには、"焦るな"というのは中々に難しい話だと思う。
だって進路希望調査は中学校に入って直ぐくらいにあった。先生も周りの友達も一年の時から受験の話しをしていた。
母は『今どきは早いのねぇ』なんて呑気に言っていたて、そんな母を見て進路指導の先生なんかはだいぶ殺気立っていた記憶がある。
まぁ進路指導の先生にとっては、大人の事情ってやつがあるから必死なんだろうけど。
お母さんの進路に関する姿勢もあって、周囲とは違いあの時はだいぶのんびりしていたなぁ……と思いながら、今現在のことを考える。
将来の夢……は明確にないけれど、周囲はやはり受験に向かって進み始まっている。
自分の頭を信じるならば、大学受験もどうにか乗り切れるんじゃないかと……楽観的な私は思っているけど、その内きっと何も決まらない自分に焦って、とりあえずの進路を選ぶようになるのが目に見えるようだ。
『要は焦らない自分に焦ってるわけじゃないんか?』
少し遊んで気が済んだのか、戻ってきたと思ったらいきなり確信を突かれ驚いた。
そう…ぼんちゃんが言う通り、焦らない自分に焦ってる。焦れない自分が怖いんだ。そう思ったら、なんだか胸のもやもやが晴れた気がした。
『皆が焦ってるからといって、陽香も一緒に焦らないといけないわけじゃなし……生きる時間は同じだとしても、生きるスピードはそれぞれだ。変わらんで良いと思うぞ?』
そう言って、今度はお屋敷の方に戻って行った。
そうか…生きるスピードはそれぞれかぁ……
凄いなぼんちゃん。
伊達に長生きしていない…って感じ?
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