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33 これは"幸せ"なんですか?~里奈の場合 ~
しおりを挟むはぁ……
ため息つくと幸せが逃げるって聞いた事あるんだけど、私の幸せってどこにあるんだろう。あまり考えないように今まで生きてきたけど、それももう限界かもしれない。
『里奈なんか生まれて来なければよかったのよっ!』
昨日、激昴した姉に投げつけられた言葉。
なぜ姉があんなに怒ったのか、いまだに解らず、気持ちだけが落ち込んでいく。
きっかけは、私の進路の話しからだった。
いつも通り、休日だというのに仕事で家にいない両親。色々拗らせてお世辞にも仲が良いとは言えない姉が何を思ったのか、いきなり進路を聞いてきた。
「里奈、あんた高校卒業後の進路考えてんの?」
行儀が悪いけれど…コンビニで買ってきたお弁当を食べながら本を読む私に無表情で話し掛けてくる姉。
(なんだこれ……どんな状況?)
そんなことを考えつつ、いつもの通りの答えを返す。
「さぁ?私が考えても全否定されるからね…」
自分の進路なのに、そう答えるしかできないのが情けない……と言いたいけれど、こんな葛藤も六年も続けていれば疲れてくる。投げやりになっても仕方の無い状況だと思う…多分。
「あんたさ、自分のことくらい自分で考えなさいよ」
( はぁ…またいつもの絡みですか…)
この姉はこうやって時々私に絡んでくる。
何が面白くないのか私には全然理解できない。
私から見た姉はいつも自由で楽しそうだった。小学生の低学年の頃から学習塾に通っていた私と違って、放課後は友達と遊ぶ姉。
中学校ではバレー部に入るんだといって、日々充実しているように見えた。
私は好きなことをさせて貰えないのに。
私が、両親にガチガチに固められた中学時代を送っている頃、姉は自宅から近い高校へ進学した。制服のかわいい…私の仲の良い友達も行っている高校だ。
本当は私もあそこに行きたかったけれど、両親に猛反対され…渋々今の高校に進学したのに……
「あんたはさぁ、お母さん達に甘やかされて良い学校行ってんだから……」
はぁ?コイツ何言ってんの?
思わず口に出しそうになって慌てて止めた。
甘やかされてんのアンタだろっ!
塾に行くのを強制されず、中学校での部活も強制されず……休みの日も友達と約束があるからと、行動も時間も自由に使え……変わって欲しいくらいだ…ホント。
そして意識せず口に出してしまっていたらしい…
「じゃあ代わってよ…マジで」
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