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63 三つ子って凄い
しおりを挟む学校が終わり渡利兄と二人病院に向かう。
いつも思うが、彼は無口だ……うん。
クラスも違うし部活も違う俺達は、はっきり言って話題が無い。
まぁ、しょうがないんだけど。
「なぁ、今日も病院なんだろ?なんで二人だけなんだ?里奈も来たがってたんだけど…」
微妙に反応しつつ無言で歩く渡利兄は、会わせたい人がいるからと呟いた。
会わせたい人か……病院ってことは入院してるのか…。
そんな事を考えながらひたすら黙々歩くと、ほどなく病院に着いた。
んん?産…婦人科??
●○●○
「美里ちゃん、入っていい?」
渡利兄が病室の扉をノックすると、中からは女の人の声が聞こえた。
ベッドを少し起こして寄りかかるようにしていたその人は、身体のわりにとても大きなお腹をしていた。
「こんにちは。そのこが宮田君?初めまして……」
早々に自己紹介を終わらせた女性は、昨日会った渡利兄妹の叔父さんの奥さん…血の繋がった叔母さんらしい。
そして、二人っきりで話がしたいと言った彼女は、渡利兄を妹がいる病室に向かわせた。
それにしても、すごく大きいお腹なんだけれど大丈夫なんだろうか?
ハラハラしながら、お茶の準備をしている彼女の手伝いをして、早々に座ってもらう。
勝手が分からないのでどうしたらいいのか分からないけれど、自分でやった方が精神安静上良いような気がする…。
ちなみに『美里って呼んでね』って軽く言われたけどいいのかな?
「お腹、すっごい大きいっすね。もうすぐなんですか?」
いまだ身近で妊婦を見ることがない俺は、正直興味がある。
あのパンパンに膨らんだお腹は、固いのか柔らかいのか……言っておくけど、エロい考えは全くない。
物理的な興味と言うのか…妊婦さんのお腹なんて、触れる機会なんて絶対ない俺は、思い切ってお願いしてみた。
「あっ…あの、もし嫌でなければで良いんですけど…お腹触らせてもらえることってできますか?」
不躾なお願いに、苦笑いしながら『いいよぉ~』と、こっちこっちともう少し近くに寄るように手招きされる。
間もなく予定日だという彼女のお腹には、三人の赤ちゃんが入っているらしく、今はお腹の皮がパンパンに張っていて、破れるんじゃないかと日々冷や冷やしているそうだ。
「多産の家系なのかしらね~」
なんて笑っているけど、考えたら渡利達の叔母さんなのだから、言い方が失礼だけど…結構いい歳なんじゃないか?…と気付く。
「もしかして今、年齢の事考えたでしょ?」
そんな風に茶目っ気たっぷりに言った彼女はニッコリ笑って、年齢と……彼女の秘密を教えてくれた。
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