人外さんはお友達 ~私だって仲良くなりたい!~

こひな

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75 深まる絆

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目標を決めると人間、現金なものでリハビリにだいぶチカラが入った。宮田君が足の怪我でお屋敷に来れない日が続いてるけど、一日に一度は会いに行っているので、寂しくはない……私は。


実は宮田君、私のことがいつも見えているわけじゃないっぽい。多分だけど、宮田君自身の意識の方向性とか……私がチカラを使って何かした時に見える位らしい。


ちなみに、里奈と万葉に相談したら『あいつは変なとこ鈍いし、霊感もなんもないから』とのことだった。


そうそう、二人は私が目覚めたという頃から姿が見え始めていたらしい。それまでは、光の玉がほわほわ見えていただけだったようだけど…。周りに誰もいなくなった時に話し掛けて来てくれた。


まぁ、万葉に関しては入学当初から怜くんの妖精さん以外にも、人外さんや霊もバリバリ見えてたらしい。意識してシャットアウトすれば気にならない位には見えなくなるらしい。


里奈は、元々あった霊感のようなものが、私と共にいることで、刺激され見えるようになったんじゃないか……とは、崇ちゃんの秘書さんをやっている都筑川さんの弁だ。稀にそういう人がいるらしい。


『私のせいだね…』


と謝ったら、笑って大丈夫だと言われた。
里奈は、私が昏睡状態になった時…もし宮田君が拒否した時は自分が契約者になりたいと思ってくれていたらしい。


お互いがお互いに向ける気持ちの強さが重要なのであれば、同性の自分でもいいのではないかと……もしかしたら永く一緒にいる内に、恋愛的な…そういう気持ちになれるかもしれないしね……と。


『まぁ、やきもきはしたけど、宮田が決心したみたいだから必要なかったけどね。アイツはああ見えて一途だから大丈夫だよ…霊感ないけど』


と、そう言ってくれた。



怜くんは……あの日私が目覚めてからは、休みの日にはお屋敷に来るけど、あとは学校で妖精化した私と会うくらいだ。


時々私が傍にいない時に、宮田君に何か言っているのを見かけるけど、その他は至って以前と同じ感じ。以前は若干敵意があった怜くんの妖精さんも、今の私が『姫』だからなのか、敵意は向けられなくなった。


(いや?姫だからじゃなくて、宮田君と契約したからかな?)


そんな感じで日々は過ぎ……学校の文化祭が近付いた。そしてリハビリが進み、ようやく人間の身体で動く違和感もなくなった頃、崇ちゃんからお許しが出た。


「そろそろ自宅に戻るか?学校も、身体を動かすのはまだ早いかも知れないけど、半日程度から徐々に慣らして行けば大丈夫だと思うよ」


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