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77 やりなおし
しおりを挟む土曜日の昼前に久しぶりの我が家に帰宅。
そして、文化祭まであと半月程。早速、昨年の絵の続きをやろうと机に向かっては見たものの、なんとなく手が出ず…昨年はどんな気持ちでこの絵をやっていたのか…思い出せず筆を握れずにいた。
「陽香?今ちょっといい?」
帰って来たっきり部屋に籠った私を心配してか、お茶とお菓子を持ってお母さんが部屋に来た。普段ならあまり見ない心配気な表情を見ると、やっぱり胸が痛む。
「お母さん、心配させてごめんね……それと…親不孝してごめんなさい」
今まで自分の事でいっぱいいっぱいで謝れなかった。一時は死の手前まで行ったのだ。親不孝の極みだろう。それに……。
「まぁ、それはしょうがないわ。なるようになった結果だし、今、陽香が生きているからそうなったわけだしね」
帰ってきた際に、私と怜くんに改めてお母さんから話があった。
『今すぐではないのだけれど…いずれ陽香は美里と崇さんと養子縁組をする事になっているから…』
表立ったものは何も変わらないけれど、いずれ人間とは違う生を歩く私は、色々なしがらみを自然に解消していく為、美里ちゃんと崇ちゃんの子供になることが決まっている。
私はなんとなく聞いていたけど、怜くんは初耳なんだろう。珍しい驚き顔が見られた。
(ごめんね…怜くん)
なんとなく…怜くんんとこのまま兄妹でいられないことに申し訳ない気持ちになった……のだけれど……
「早々に宮田君にもらって貰えそうだし、結婚したと思えばなんてことないわよ」
と…明るく宣ったお母さんは、いつかの宮田君母のように、怜くんの背中をバンバン叩いていた。
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